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野宿をした翌日。
「見えてきました」
「え? どこどこ?」
今日も良い天気に恵まれて、ずんずん歩いていた。目の良いパラディンから遅れ、みやもなだらかな登り坂の上まで来てその姿を見た。
「 おぉ。 あそこがそうなの?」
「はい、ミディヌエットの街です」
アビス国の首都に比べれば小さな街のようだが、それでも塀に囲まれ、遠目から見ても沢山建物があるのが分かる。
目標が見えたことで気分も上がる。
みやの足で1時間程歩き、ようやく門の近くまで来た。
ミディヌエットの街には門が2ヶ所ある。その一つのここには検問待ちの人が少し並んでいる。旅人らしき人から商人まで。
荷車がある場合はそちらも必要に応じて検分されるようだ。
「並んでるね。どこからの人達かな?」
「こちらの門ですと、トゥファオール国からでしょう。 そんなに並んではおりませんから、直ぐに番は回って来るかと」
「じゃあお昼に間に合いそうだね」
一番後ろにみや達は並んだ。
「疲れてないか?」
ルーイが聞いてくる。
「うん、大丈夫。 ちょっと喉が渇いたかな?」
「ミヤ姫様、どうぞ」
すかさず水を手渡された。
「ありがとう」
「じゃあ私も貰おうかな」
「はい」
そうして順番を待つこと20分。
「次の者っ」
呼ばれて前に進む。
「私が行きます」
デュランが前に出て、何か札を見せる。
すると門兵は、はっと目を見張り、デュランと他のみや達をさらりと見やると、背筋を伸ばして軽く礼をする。
「問題ありません。お通り下さい」
と札を返し、通してくれた。
「さっきの札みたいなのは何? 通行証?」
とみやは街に入った所でデュランに尋ねる。
「はい。何処の者なのかを示す物です」
「取り分け 今見せた物は国が出している物だ。その国が身分を保証していると言うな」
とルーイが補足する。
「大きな行商を行っている所などは、商人用の物が発行されているし、雇われ剣士の様な流れの旅人用もある」
「へぇ~」
街に入ったみや達は、そのまま大通りを進む。
みやは建物や人をキョロキョロ見る。
「(やっぱり男の人ばっかりなんだぁ・・。 でも賑やかだなぁ)」
ウイリスとの勉強で少し習ったものによると、この街は国と国を繋ぐ経由地点になっているらしい。もう一つ陸地を繋ぐ所にもその様な街があるそうだが、ここも毎日外との出入りがあり、人の流れが盛んな街だそうだ。
「んん~ いい匂い~。 お腹空いてきちゃった」
「じゃあどこか良い所に入るか」
ルーイはクスクスと微笑まし気に笑う。
歩いていると時々屋台があり、美味しそう~と目を奪われながらも入った店は、キチンとした感じの料理店。2階建ての綺麗でお洒落な店だ。
みや達は2階の個室に案内してもらった。大通りが見える部屋だ。
みやは椅子に座ると、ふぅ~と息が漏れる。
「疲れただろう。休みがてらゆっくり食べよう」
少しすると料理が運ばれ始め、ひと時の間はお腹を満たす為に窓から料理へと目を移した。
「おいしそう~っ。 早く食べようっ♪」
嬉しそうに目を輝かせて、食べる前から落ち着かない様子に、ルーイ達は微笑ましく思いながら皆で頂く。
「んん~~っ ウマウマぁ~~♡」
頬に手を当て、幸せそうな顔に、笑みを深める。




