6話
水族館帰りの2人を狙う者がまた現れる
水族館を目一杯楽しんだ兄妹は、
「いや〜楽しんだね〜」
「そうだな。春休み最後の思い出には良いんじゃないか」
「? 最後? 最後って言った?」
「言ったな。春休みは残り2日だ。だからといって2日とも遊ぶだけにはいかないだろ。新生活の準備があるんだからな」
「は〜い」
会話を終えるとちょうど駅に到着したので降りる。そこから歩いて帰る2人を遠くから監視する者がいた。帽子を深く被った男とスキンヘッドの男だ。
「あれがターゲットなのか? どっちもガキじゃねぇか」
「ガキですよ。それともガキは殺さない主義なのですか?」
「いいや。ガキ殺して1億っていうのが気になってな。依頼主の真意を知るのはマナー違反なのでは? それ以上探ろうとするなら別の人間に頼みますよ」
「チッ、わーったよ。キッチリ現金で1億用意しておけよ」
そう言ってスキンヘッドの男は行動を開始する。それを見送る帽子の男は、
「期待していますよ。日本の殺し屋さん」
既にその場から消えたスキンヘッドの男に語りかける。まさか殺し屋に狙われているとは知らずに仲良く帰宅する2人に対してスキンヘッドの男は、
「隙だらけだな。距離も近いから同時に殺せる」
そう言ってナイフを2本取り出す。そして路地裏から襲いかかる。運動も格闘技もしてない素人2人。それでも1億の仕事だ。全力で遂行しようとするのであったが、
「はい?」
ガキィンなんて音を響かせて秋葉を刺そうとしたナイフが手前で弾かれてしまう。冬華の方は秋葉と違って当たりはした。当たりはしたのだがパキィンなんて音を上げてナイフが砕けた。
「いった〜! も〜う何すんのよっ!」
砕けたとはいえ一応ナイフは頭に当たってはおりちゃんと痛みがあった冬華はナイフで刺そうとしたスキンヘッドの男を睨むと砕けたナイフから魔力を吸収して拳に纏わせる。
「おりゃー!」
「舐めるな!」
スキンヘッドは冬華の拳に対してカウンターを狙ったのだが、
(な! これが小娘の拳だと!)
想定していたものとは大幅に違う拳の威力に呆気なくスキンヘッドはぶっ飛ばされる。それを見ていた秋葉は、
「今のハゲは?」
「知らな〜い。ただ魔法使いではなかったね。それより早く帰ろう。あいつ魔法使いじゃないから人避けの結界を張ってないからいずれ誰かに気づかれちゃうよ。警察のお世話になりたくないでしょ?」
「当たり前だろ。面倒事はごめんだ」
そう言って2人は急いで家に帰る。その様子を見ていた帽子の男は、
「日本の殺し屋は使えないな。いや、所詮は魔法を使えない猿だ。仕方ないか。そんな事よりも猿に使われているランプの魔神を解放してやらないとな」
そう言って下手の作戦に移るために場所を変えようとする帽子の男の視界が急にガクッと下がる。
「?? ぎぃやぁーー!!」
何が起きたかすぐには分からなかったが痛みによりすぐに理解させられた。膝から下が斬られたのだ。
(何だ? 同業者か!? だが何の魔力も感じなかったぞ)
同様しながらも脚の止血をする男であったが今度は首を斬られる。
「かふっ! コフッ! おま、おまえ、どこから」
目の前には冬華と同い年位の少女がナイフを持って立っていた。その少女はナイフを持ってない方の手でスマホを操作するとどこかに電話をかけると男にも聞こえるようにスピーカーにする。
「やあやあ! 異国の魔法使いさん! 初めまして! 私は日本殺し屋連合会長の練と申します!」
(日本殺し屋連合、、、、確か日本唯一にして最大の殺し屋組織だったはず)
そんな組織の長からの言葉を黙って聞きつつ斬られたなどの止血を少女にバレないように進める。
「日本唯一の殺し屋組織である連合は政府からも認められているんだよ。もちろん国民には知られていないけど。それでもルールがあるカタギには手を出さない。貴方が狙ってるランプを持った少年は特別な力を持ってるから怪しいところだがカタギとして判断。そんな彼を狙った貴方と自称殺し屋は処理させて貰うよ」
「やれるもんならやってみ、、、、な?」
男は止血を終えて目の前の少女を殺そうと杖を出そうとしたが出し終える前に少女によって首を斬り落とされてしまうのであった。男を殺した少女は、
「終わったよ」
「お疲れ様。これから死体処理班と一緒に谷も行くから」
「何で副会長が?」
「それはね」
理由を話そうとする練の言葉を遮って、
「これから長期の任務を私と貴女でするからですよ」
オールバックの大男、日本殺し屋連合の副会長である谷こと谷仲鷹介が説明する。谷仲は連れてきた死体処理班に指示を出すと少女、練結城に説明し始める。
「長期の任務と言いましたが固く考えないでください。貴女には高校に入学して初めての学生生活を楽しんでください」
「どういう事? パパ」
谷仲からの説明の意味を理解出来なくて義父である練竜耀に説明を求める。
「お前は自分を保護した俺や谷に憧れて殺し屋しか将来の選択肢がない。そんなお前の選択肢を広げるために高校生活を楽しんで貰う」
「別に殺し屋以外の選択肢なんていらないんだけど」
「別に殺し屋になるな! なんて言わないさ。だがそれはしっかり3年間高校生活してから決めろってだけだ」
「は〜い」
まだ納得いってない結城ではあるが谷仲は話を進める。
「父である会長は転勤族のために弟である私に娘を任せたという設定でいきます。くれぐれも学校では私の事を副会長と呼ばないでくださいね」
「じゃあ何て呼べばいいの?」
「お兄さん、鷹介さんとかですね」
「分かった。鷹介さん」
「よろしい。それでは楽しい3年間にしましょう」
秋葉と冬華の知らない所で様々な組織の人間が金有高校に集まろうとしていた。そんな金秋有高校での生活がいよいよ始まる。
レギュラーキャラ追加となります。そして次回から高校生活がスタート!!
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