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俺と魔神の高校生活  作者: 夜桜陽炎
春休み編

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1/7

1話

 連載作品第3弾よろしく!!

 高校生の一ノ瀬秋葉はバイト先の古物商の店主であるお婆さんに、


「婆さん、約束通り今日でバイト辞めますね」

「本当にやめちまうのかい? この老い先短いばばあ1人にこの店を経営しろっていうのかい?」

「だから約束したろ。あくまで高校2年間だけ働いて残りの1年間は大学受験に備えるから辞めるって」

「高校卒業したらここで働けば良いじゃろ」

「やだよ。お客さん少ないからバイト代も少ないし」

「なんじゃと。結局は金か!」

「当たり前だろ。生きるのに絶対必要なんだからな。とにかく辞めるから。2年間お世話になりました」

「あぁ、辞めないでおくれよぉ。給料上げるから」


 お婆さんの言葉を無視して家に帰る秋葉。


「全く婆さんにも困ったもんだぜ。ちゃんと約束したんだから潔くしておいて欲しいもんだぜ」


 事前に約束をしていたのだから潔く辞めさせて欲しいと思う秋葉だがお婆さん1人で営業しているのだから唯一のアルバイターに辞めて欲しくないのも仕方ないというのも理解は出来るが約束は約束という事で秋葉は白状と思われても辞める事を辞めないのであった。


「ただいま」


 そんな秋葉の言葉におかえりを言ってくれる家族はいない。両親は早くに他界しており自分を引き取ってくれた祖父母も3年前に祖母が、先月祖父が死んでしまい一人暮らしだ。それでも習慣として身についているのでただいまという言葉を言うのをやめる事はない。


「いただきます」


 生前に祖母に教えてもらった料理を黙々と食べる。


「ご馳走様」


 楽しく喋る相手がいないのであっという間に食事を終える。そして自室のベッドに寝転んで、


「流石に冷たかったか」


 店主のお婆さんに対しての態度を今更ながら反省して起き上がると机の下に置いてあるダンボールからアルバイト初日にお婆さんから、


「ここにある好きな物貰っていきなさい」


 と言われて商品棚にあったランプを取り出した。


「なんとなくで貰ったけどランプなんて使い道ないよな。物語だと中から魔神が出て来て願いを叶えてくれるのが定番だけど」


 現実でそんな事が起きる訳ないとは思いつつも、


「魔神よ。俺の願いを叶えたまえ」


 適当な言葉を言ってみるが当然ながら何も起こらず恥ずかしくて顔から火が出そうになる秋葉。


「何言ってんだ、俺。誰も居なくて良かった。聞かれてたら恥ずかしさで死んでる」


 そう言ってランプを仕舞おうとしたら、


「何だ?」


 カタカタとランプが揺れだし煙が吹き出る。


「うそだろ、まさかほんとに?」


 煙は徐々に人の形を取っていき、


「我はランプの魔神。汝を主として認めて願いを叶えてやろう。叶えられる願いは3つだ」


 ターバンを巻いたムキムキの上裸のおっさんが現れる。


「夢?」

「夢ではないぞ。現実だ」

「え〜、物語では良く見るけど現実で起こるのかよ」

「起こったのだから受け入れよ、主よ。さて願いは何だ?」

「願いって言われてもまさか魔神が出るとは思ってなかったからそんなすぐパッと出ないぞ」

「何でも良いぞ。大金持ちにしろでも頭を良くしてくれでも身体能力を人間の限界値まで上げてくれでもな」

「大金持ちは興味を惹かれるがそれって非課税?」

「リアリスト過ぎるだろ」

「いきなり大金持ちになったら怪しいだろ」

「それはそうだな。なら2番目の願いで主は元々大金持ちだったという記憶を国の人間に植え付けようか?」

「それだと叶えてもらう願いが事実上の2つだろうが! なに手抜きしてんだ! オプションで1つ目の願いに記憶操作も入れろよ!」

「国内の人間の記憶操作がオプションは無理があるわ!」

「チッ! 何が願いを何でも叶えるだ。使えねぇ」

「主がリアリスト過ぎるんだ! 他の願いはないのか!」


 他の願いを聞かれて、


「家族を生き返らせて欲しい」


 秋葉は高校生だ。甘えたい盛りという訳ではない。それでもちゃんとやっていけている所を家族に見せたい。そう思っての願いであったが、


「すまんな。死者の蘇生だけは無理だ。それは禁忌でな。我を産み出した大魔法使いですら手を出さなかった領域だ」

「そうなってくると叶えたい願いなんてもんがないんだが」

「だったらやはり我が最初に言った頭脳を上げると身体能力強化はどうだ?」

「いきなり頭良くなったり運動神経が良くなったら怖くねぇか?」

「そこは3つ目の願いで学校中の記憶操作をだな」

「お前どんだけ記憶操作したいんだよ」


 どうしても記憶操作を願いにねじ込んでこようとする魔神に呆れる。


「宝くじの一等当選は? 確か宝くじの当選金は所得税・住民税が非課税だったはず」

「お〜それなら問題ないぞ」

「よし! 1つ目の願いはそれだ。後で宝くじ買いに行くぞ」

「いいぞいいぞ。その調子で残り2つも叶えてやろう」


 調子が出て来たと思ったが、


「残り2つか、、、、、、なぁ、願い3つ叶えたらお前ってどうなる?」

「ん? またランプの中に閉じ込められて100年のインターバルを挟んで使用可能となる」

「きっついなそれ」

「きついな。我を欲して争いが起きて昔は国がいくつか滅んだほどだ」

「よくよく考えたらとんでもないもの貰っちまったな(そうなってくると残り2つの願いはしっかりと考えるべきなんだろうが特になし)」


 色々と考えて秋葉は、


「死者の蘇生は無理なんだな」

「あぁ」

「残り2つの願いが決まった。魔神よ、俺の家族、妹として過ごしてくれ。そして戸籍もろもろの記憶操作をしろ」


 一気に2つの願いを叶えて貰おうとする秋葉であったがその内容に、


「正気か? 死者の蘇生を望んだし家族愛に飢えてるのかと思ったが急に路線変えたな。ぶっちゃっけキモいぞ」

「うるさい。出来るのか? 出来ないのか?」

「まぁ、出来るけど時間がかかるぞ」

「良し! 頼むぞ、資料はこれだ」


 そう言って漫画やライトノベルを渡す。


「ガチ過ぎない?」

「別に良いだろ。それにこの願いなら俺の妹として生きている内はランプに閉じ込められる事はないだろ」

「!! 主! キモいとか言ってごめん! 理想の妹になってやる!」

「期待してる。俺は寝るからな。おやすみ」

「おやすみ」


 魔神が理想の妹さんになるのに時間がかかると言うので寝る事にした秋葉は久しぶりにおやすみという言葉が返って来たのが嬉しくて、


(良く眠れそうだ)


 速やかに睡眠に入るとそのまま朝を迎える。


「お兄ちゃん起きて。朝だよ」

「ん〜誰だ〜、、、、、、うん? うおおおお!!」

「うわぁ、びっくりしちゃうじゃん。おっきな声出さないでよ」


 起こしてくれたのは100人中100人が美少女と答えるような黒髪ショート女の子。その正体はもちろん、


「お、お前魔神か?」

「そうだよ。どう? 理想の妹になれてるかな?」

「顔、スタイル、声、全てが理想的だ。最高!」

「あはは、お兄ちゃんマジキモ〜い」

「ぐっ! いいぞ、なにかの扉が開きそうだ」

「うわ〜マジでキモいね」

「うるさいな。それだけ嬉しいんだよ。名前はシンプルだけど冬華(とうか)とかどうだ?」

「いいんじゃない? それじゃ2つ目の願いで戸籍やらの改竄やっちゃうよ、、、、はい、終わり」

「えっ、もう?」

「あくまで国内だけだからね」

「だとしても簡単過ぎるだろ」

「これぐらい過去の願いに比べたら余裕なんだよね〜」

「それじゃこれから宝くじ買いに行くから3つ目の願いは昨日言ってた通り一等の当選で頼む」

「まっかせて」


 2人は仲良くお出かけする。ここから一ノ瀬秋葉と一ノ瀬冬華(魔神)の生活が始まる。

連載作品第3弾をこれからよろしく〜

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