表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『無能と言われた【鑑定士】、実は世界樹の管理人でした 〜パーティーを追い出されたので、辺境で伝説の聖域を作っていたら、聖女や女騎士が「泊めてくれ」と泣きついてきた〜』  作者: やまご
第2章:聖域都市・建国無双編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/101

第69話:聖都の監禁騎士――「主様、この不純物は処分いたしましょう」

天馬が聖都の白亜の城壁を越え、アーサーが団長を務める聖騎士団の本部へと着地した。かつてアルスを馬車から蹴り出した場所は、今や彼を「神」として奉るための、黄金と大理石の要塞へと作り変えられていた。

「さあ、主様! ここなら安全です! 私の配下三千人が、貴方をあのアマゾネスどもから死守いたしましょう!」

 アーサーは馬を降りるや否や、アルスを王者のように抱きかかえ、深紅の絨毯の上を大股で歩き始めた。その後ろを、怯えきったリリィがバケツを抱えてトボトボと付いてくる。

「……アーサー、下ろせ。……それから、リリィをそんな目で見るな」

 アルスの【鑑定】は、アーサーの瞳の奥に、かつて自分を石像に変えたアルスへの「恍惚たる畏怖」と、その横にいるリリィへの「不純物への殺意」が混ざり合っているのを捉えていた。

「……お兄ちゃん、このおじさん……さっきから私を『消しゴム』を見るみたいな目で見てくるよ……」

「……フン、小娘め。主様の御側に、魔力も持たぬ貴様のようなガラクタが居座るなど、万死に値する。……主様。この娘には、私が用意した『聖水(猛毒入りの再構築液)』を飲ませ、美しい『台座』に変えておきましょうか?」

「……させないって言ってるだろ!!」

 アルスはアーサーの腕を振り解き、リリィを背後に隠した。

 だが、安堵したのも束の間。聖騎士団本部の重厚な門が、外側から「氷結」し、一瞬で粉砕された。

「……アーサー。私のアルス様を、汚らわしい男の手で抱くなど……万死に値しますわ」

 氷の破片と共に現れたのは、セレスティア、アイリス、ロザリア、そして影から滲み出たカゲロウの四人。彼女たちは、アーサーという共通の敵(泥棒猫ならぬ泥棒犬)を前に、一時的な共闘体制を敷いていた。

「……ひっ、もう追いついてきた!? 早すぎるだろ!」

「……アルス。……その騎士を殺し、私に預けろ。……貴殿を、鉄格子のない場所へは二度と行かせぬと、私の剣が泣いているのだ」

 アイリスの黒い炎が、聖騎士団の広間を焼き始める。

 アーサーは「ハッ!」と冷笑を浮かべ、聖剣を抜き放った。

「くくっ、狂女どもめ! 主様は私が『聖なる檻』で守護するのだ! ……総員、構えろ! この女たちを、主様を汚す『害獣』として駆除せよ!!」

「「「「おおおぉぉぉぉっ!!」」」」

 洗脳(あるいは再構築)された三千人の聖騎士たちが、アルスを守るために、狂ったヒロインたちへ突撃を開始する。

 

 ドォォォォォォォォン!!

 聖都のど真ん中で、魔王の妃たちと、狂信者軍団による「アルス争奪戦」という名の地獄が幕を開けた。

「……お、お兄ちゃん……。みんな、お兄ちゃんが好きなんだね……。……でも、これ、すごく……気持ち悪いよぉっ!!」

 リリィの至極真っ当な感想に、アルスは深く頷くしかなかった。

 その時、混乱の最中で、アルスの【鑑定】がある「バグ」を検知した。

『警告:リリィの体内の「空虚」が、周囲の狂気に反応しています』

『判定:彼女は「無」ではなく……「すべてを飲み込む器」として再構築されています』

「……え? リリィ……君、一体……」

 リリィの瞳から光が消え、彼女が持っていた錆びたバケツが、周囲の魔力を吸い込んで「ブラックホール」のように歪み始めた。

「……みんな、うるさいよ。……お兄ちゃんを、困らせないで」

 リリィが静かに呟いた瞬間、聖都中の音が消えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ