第二章 登場人物・用語解説
※第二章のネタバレを含みます。
〈登場人物〉
◇祇遥射牒◇
・女性 (二章当時)28歳
誡の師匠。警察に勤め、階級は警部補。基本的に正義の人だが、悪人への理解もあり、悪い友人がたくさんいたりする。彼女に憧れて足抜けする人間も多いとか。
高身長で筋肉質。美人だが目つきが猛禽類。並の男は睨まれただけで失禁するレベル。危険察知の稀癌を有する誡ですら、本気の射牒には手も足もでない。しかし本人は正真正銘ただの人間であり、魔術も魔法も使えず、稀癌罹患者でもない。
◇湯苅部仕種
・女性 20歳
誡の前に現れた美人大学生。旧姓は諏訪。身長は平均よりも少し高いくらい。これでも優良奨学生として無償で大学に通っている。人当たりが良く、誰にでも優しい。友人は多いが、深く関わりのある人はいなかった。
本人に戦闘能力は無かったが、本職であった父と、才能のあった姉の動きを見続けていたため、「体の動かし方」は把握していた。スポーツは比較的得意で、持久力の必要な競技はクラス代表に選ばれるほどだった。
隠し続けてきた自分の一部を知っても受け入れてくれるような「親友」を求めていたが、誡という「親友」を得て再び自身の衝動を抑えることができるようになった。
◇被害者達◇
湯苅部仕種に殺された子供達。皆未成年の子供であった。家庭に問題を抱え、全員身内から精神的、あるいは肉体的虐待を受けていた。仕種という事情を聴いてくれる人間に出会ったことで心にゆとりができ、学校でのそうした態度の変化が「友人ができると」という噂に繋がった。しかし、誰一人、本来の仕種を受け入れることはできなかった。
虐待の事実は仕種の逮捕後、報道され、世論が大きく動くこととなる。
◇奏繁の姉◇
・女性
更科玖玲葉。ごく普通の大学生。第四章に登場予定。
ちなみに、派手に遊ぶ分しっかり勉強するタイプ。あらゆる意味で教師にとって扱いづらい人間。
◇陽苓征司◇
・男性 41歳
誡の母親の再婚相手。大手企業に勤めるエリートサラリーマン。一見人格者だが、その本質は非人間。自分にも他人にも一切興味が無く、自身に設定をつけ、それに準じることに唯一快楽を覚える。現在は「子供を殺しかけた女性を更生させ、妻として彼女を幸せにする夫」という役柄を楽しんでいる。
妻と誡に対しては、体面的に「幸せな家族」であれば特にそれ以上を求めず、誡が怪我を負って帰って来ても、気にせず「おはよう。最近学校はどう?」と笑顔を見せる。返って来る答えに興味はない。そもそも「子供が居た方が幸せな家族っぽいけど、作るのも育てるのも面倒。最初からある程度育った子供がいるならちょうどいい」という理由で誡を扶養しているだけで、妻に対して同様、愛情などは一切ない。誡もそれは了承している。
ちなみに余談であるが、陽苓家には家族写真が一枚もない。
◇先生◇
・男性
誡が幼い頃通っていた精神科の院長。他県にまで名の知れた、知る人ぞ知る腕利きの先生であった。幼少期から他人の心の機微に敏感で、人の心というものに強い興味を抱き、この道に入った。人の「心」にのみ興味を示し、それを救うことだけを生きがいとしている。心さえ救えれば、本人がどうなろうと関係ない。そこに悪意はなく、だからこそ、誡も彼の歪みには気が付かなかった。
一線から退いてからは、ただ空虚な老後を過ごしたという。
〈用語〉
◇妖刀◇
負の気にさらされ続けたことで呪いに近い性質を獲得した刀。今件の妖刀は、湯苅部一族が暗殺の仕事に使用し続け、被害者達の血と怨念を吸収してできあがったもの。持つ者の正気を失わせるとして、いつからか倉の奥へと仕舞い込まれた。持ち主に、刀の培った戦闘技術を付与する。精神にも影響を与えるが、それは「隠された自身の凶暴性を肥大化させる」程度のもの。仕種とは相性の最悪な武具である。
湯苅部仕種はこの刀と出会わなくでも、いつか限界を迎えていた。しかしそれは緩やかな破滅であり、他者を巻き込むようなものではなかったはずである。彼女がこの刀と巡り合ったのは、ある種の必然と言えよう。
◇益城中学校◇
誡や奏繁たちの通う中学。少し荒れている。校内の廊下を自転車が走り、月に数枚窓ガラスが割れて、卒業するころには全員倒れた扉をレールにはめ直すのが異様に上手くなるが、どこにでもある普通の公立中学校である。生徒はなぜか自身達のことを「まっちゅう生」と称する。ちなみに番長はおらず落書きも少ない、近代的な不良校。




