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SQUARE  作者: 大井 平和
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最終話 SQUARE

 あれから数週間が経ったある頃、真琴は美智と5年振りに再会した。高校生に成長した美智は真琴にずっと会いたかったらしく、真琴の姿を見るなり抱きつき


「お姉ちゃん!ずーっと会いたかったんだよ!」


と感動の涙を流す。やがて亮輔も帰宅し、美智に真琴の事、これから真琴と結婚したい事を打ち明けると


「マジで?!やったー!それじゃあお姉ちゃんとずーっと一緒にいられるんでしょ?」


と手放しで喜んでくれた。


 それから数ヶ月後、亮輔と真琴はめでたく結婚した。現在亮輔は、SATから一時期SITへ異動となっており、結婚式は公にすることが出来た。だが、そこに真琴の両親はおろか、巌も姿を現さなかった。巌は風の噂でアフリカの地で亡くなったという話しを聞いていた。亮輔は真琴に


「昔の奴らの事はほっとけ。それより真琴。最高に綺麗じゃねーか。」


と純白の美しいウェディングドレス姿の真琴に見入ってしまっていた。真琴は30歳になる直前に法律上の性別変更が完了し、こうして女性として亮輔の妻となる資格を経てめでたくゴールインした。式には真琴と長い付き合いにある池田や、警視に昇進した松平、現在は八潮署の署長に昇格した前田、かつて八潮署で一緒だった毛利、島津、丹羽、宇喜多、そして真琴のガールフレンドの翼、光、晶、飛鳥も参列。更にはSAT隊長の鬼塚と、現在亮輔同様に一時期他部署に在籍中のSAT3人衆の相主と滝島も現れた。特に鬼塚は亮輔もびっくりし


「大丈夫なんですか?」


と機密保持の為に本来参列しないはずだったが、鬼塚に


「馬鹿。相主も滝島もとっくに結婚してんだぞ。一番無鉄砲なお前の嫁さんを見たくていてもたってもいられなかったんだよ。」


と突っ込まれる。その相主と滝島が


「こいつ!やっと結婚しやがったな!この野郎!」


「しかも美人でナイスバディのいい女じゃねーか!お前にはもったいねーよ。流石俺達の猿担当だな!」


とからかわれる。翼達が


「猿担当って沢渡の事ですか?」


と滝島に尋ねると


「こいつが猿。俺が雉、そしてこいつが犬で隊長が桃太郎って事だ。仲間内じゃーそう呼ばれてんだ。」


それを聞いた元八潮署の面々が吹き出し


「確かに。てゆーかこいつゴリラだろ?」


と池田が突っ込むと相主が


「日本ゴリラです。上野動物園からきび団子欲しさに脱走したと言われる・・・」


と冗談を言って亮輔に


「テメー!ぶっ殺すぞ!」


と相主を責めると、飛鳥に


「あんたその台詞ちっとも変わってないわね!」


と言われ一同笑いに包まれた。


 亮輔と真琴が結婚して2年の月日が経った4月頃、美智が2人の目の前で散々見飽きている服を着て鏡の前にいた。美智が2人に


「兄ちゃん!お姉ちゃん!似合うでしょ?」


美智が着ていたのは婦人警官の制服だった。美智は2人に内緒でこっそり警察官採用試験に合格し、この春から警察学校への入学が決まっていた。驚いた亮輔は


「何でお前がミニスカポリスになってんだよ?」


と尋ねると美智が


「随分前から考えていたの。それに真琴お姉ちゃんに相談したら勉強手伝ってくれて採用されたんだ。びっくりしたでしょ?」


美智は小学生から中学卒業まで、亮輔と毎年各地を転々としている間に、寂しさを紛らわす為に何処に行っても格闘技の習い事や部活動に勤しんでいたのはこのためだった。美智は幼心に


「兄ちゃんを止められるのはあたししかいない。」


と思い続け、その目標へ一歩踏み出したのだ。


 そんな美智に亮輔と真琴がそれぞれ安いブレスレットを買って与えた。そのブレスレットは、それぞれお揃いで、亮輔は真琴と後に美智からもらった物、真琴は亮輔と美智からそれぞれプレゼントされた物、そして美智にブレスレットを手渡した2人は


「これで離れててもずーっと3人は一緒だからな。必ず生きてこの家に帰って来ようぜ。」


「約束だよ。美っちゃん。」


と3人で約束を交わした。このトライアングルを形成する3つの点の関係は、3人の生涯でずっと続いていた。だが4つ目の点とは?


 その4つ目の点とは、今現在3人が対峙している犯人達の腐りきった点をそれぞれ相手してはぶっ潰していた。4つ目の点は現れては消え、また現れては消える悪の事であった。かつて亮輔が殴り殺したスカイラーク親子のような赤コーナーでふんぞり返っている悪の点を持った連中を相手に亮輔も真琴も美智もそれぞれ悪の点を潰していた。亮輔はその中でふと思った。


(俺が昔、愛妻の真琴を女だと認めなかったのもまた悪だったんだろーな・・・)


 更に時は過ぎ、SATの小隊長に昇格した亮輔が、新たなる隊員に指導しようとしていた所、鬼塚に


「お前ら4人でSWATだな。」


亮輔、相主、滝島の小隊長トリオが


「SWAT?Wは?」


と鬼塚に聞くと


「お前の嫁さんだよ。沢渡。WOMANのWでいいだろ?」


その新入隊員の中に40歳手前になった愛妻の真琴がいた。


「あたしも今日から配属になったの。よろしくね。ダーリン。」


隊長の鬼塚に


「ミッション中にのろけてベタベタすんじゃねーぞ。」


と釘を刺される。こうして四角いリングが形成され、日本最強の4人組が誕生したのであった。


 更に2年後、亮輔と真琴は警視庁を揃って退職し、夫婦でインターポールに在籍。「夫婦刑事」として世界中の悪を取り締まり、日々戦い続けるのであった。


「行くぞ!ハニー!」


「OK!ダーリン!」


ミッション前にこの最強バディは必ずゲン担ぎに軽くタッチを交わした後、唇を軽く重ね合わせる。この誓いの儀式と台詞を見聞きした世界中の犯罪者は、未だかつて殺されているか、檻の中にしか存在しない。

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