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明けた

 期末考査が終わり、そして休み(僕は補修)も終わり初めての学校となった。


「ちゃんと呪文使えるようになった?」


 彼女からもらった呪文の本で一応、ちゃんと勉強はしているのだが、一切使えるようになってない。


「全然使えるようになってない。」

「本当に一切?」


 うん。恥ずかしいけれど、勉強したのに何も魔法が使えない。


「うん。」


 恥ずかしながらそうである。


「ちゃんと唱えた?」

「もちろん」


 もちろん。たくさん練習もしてみた。発声の練習もした。けれど、使えるようにはなってなかった。


「一回、先生に聞いてみる?」


 それはお願いしたい。僕もたくさんの魔法を使えるようになってみたい。


「お願いします。」

「分かった。じゃあ今日の放課後ね。先生に話は通しておく」


 彼女はとてもコミュ力が高い。それを僕はいつも尊敬している。



 そして放課後となった。


「失礼します。」「失礼します。」


 そうやって職員室に入る。


「おー、よく来た。どうぞどうぞ。」


 対応してくれたのは気前のいい先生だった。見た目は40代前半の先生。


「私、魔法が使えないんです。」


 そう、先生に相談する。


「それはもう聞いているから分かってる。それよりも君、自分に魔法使ってるよね?」


 ん、、。ホントはこんなに若くない人だという事がばれてしまったか。


「はい。こんなに若く見えていますが、ホントは中年おっさんです。」

「へー。」


 予想外。みたいな返事だった。


「僕が聞きたかったのはそれじゃなかったんだけど。てか、この若返り魔法。ふーん。精度結構高いね。」

「ありがとうございます。」


 彼女がそう返していた。


「あ、君がかけたのか。なるほど。」


 先生はそう納得していた。


「で、本題に戻ろう。君、無意識かもしれないけど自分で自分に魔法かけてるよ。そしてそれは結構君がちっちゃいときに自分にかけている。」


 どういうことだろうか。僕はこの年になるまで魔法があるなんて知らなかったし、想像もしてなかった。魔法というのフィクションの世界の話だけだと思っていたからだ。そんな僕が昔、自分に魔法を使っているわけがない。

 

「その顔は信じていないという顔だね。」


 何だろう。マンガみたいな展開になってきた気がする。でもまあ先生のこの言葉にはうんと頭を縦に振るしかない。


「彼は彼自身に何の魔法をかけたのですか?」


 そう彼女が聞いた。そして先生は


「魔法が使えない魔法」


 魔法が使えない魔法?、なにその何も得のない魔法。


「なぜ、そんな得のない魔法」

 

 彼女がそう聞いた。僕の心を見透かしているかのように。


「さあね。でも、それは後々わかると思う。」


 なんか先生。うん。わかっているような言いぶりだな。


「あ、もう時間だ。ごめんね。またいつか」


 そう言って先生がどっかに行く。


「oaiejnvoqiwhrbiew」


 なんか彼女がよくわからないことをつぶやいている。僕らはそうして、解散する。

「某パーク楽しかったね。」


 期末後の休みこのクラスの人たちで行ってみてたみたいだ。それも普通の世界の。


「やっぱあの魔法の春の広場楽しかったね。」


 なんか盛り上がってる。魔法の春の広場というのは最近オープンした広場である。


「ね。でもやっぱりあの炎の魔男の魔法には感動したね。」


 魔法使いが偽の魔法で興奮してるんじゃねえよ。


「まあ、あれ映像だけどね」

「えー、確かにそうだけど、でも楽しかったね」

「そうだね」


 やばい。見せつけられているように感じる。


「おっさんも次は頑張って。」


 そう励まされた。次はもっと勉強しようと思う。

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