魔導具テント改造、ビフォーアフター
よろしくお願いします。
「ほぇぇ~~~」
ピアが呆けて間抜けな声が漏れてる。
ただいまテント内を【お宅訪問】的に案内中。
いや~、作りだしたら楽しくって楽しくって(テヘッ)
まずキッチンはオープンスタイルにした。ピアがよく覗きにくるから背後に立たれると鬱陶しい。
水道?もちろん蛇口が付いてますが何か?しかも温度調整でお湯も出ますが?
コンロは三口でも足りないから思い切って五口にした。使い慣れてるIH風にして。これで微調整もokだ。空調、換気もバッチリ!
あとはついでにスライサーやらおろし金やら泡立て器やらもろもろも作ったさ。フフフ…、そしてなにげに欲しかった四角いフライパン卵焼き器も。もちろん3本フォークもねっ。
お次はお待ちかね?の風呂でっす!
湯船はピアが寝そべっても大丈夫なぐらい。いつかソックスと入りたいな、嫌がりそうだけど。この辺が【クリーン】を使えると言い訳に使えないよなぁ。
シャワーはマイナスイオンヘッドのを2つ。一応急ぎでピアと一緒に入ることもあるかと思って。
ついでにミストサウナと洗濯乾燥もつけといた。床、壁ともにカラッと乾燥カビ知らず。
ボディソープとかシャンプー、リンスも作っといた(洗面セットの中にトラベルセットで入ってたから鑑定で成分を参考にできたんだ)。あと髭剃り用の泡ソープも。俺はT字カミソリ派なのだ。今まではクリーンのついでに念じて髭をなくしてたけど、気分だよね、気分。
あっ、ずるっ子だけどピアにも俺が持ってる洗面セットをあげといたんだ。なんてったって補充されるからな!同行者がニキビ顔だったり口臭が臭かったりしたら嫌だろ?まぁこれもクリーンが使えるから大丈夫なんだけどさ。これも気分だな。
そしてリビング。ピアがデカすぎるので十五畳から二十畳ぐらいまで広げた。気持ちだ気持ち。
ダイニングテーブルももっとゆとりがあるものにして、ソファーはそのまま流用。
俺の力作は【キャットタワー】だっ!ソックスは普段カゴ鞄に入ってるから運動不足だからな。
『オレはもう聖獣になったんスよっ』となぞのツンを披露しながらキャットタワーに登って「ふにゃ~」とデレてた。
ここに来てピアが庭に面した大きなガラスばりの窓の外に気付いた。
「…ポニー?」
庭ではポニーが草を食んでいた。呆けた様に庭に出ていくピアを見送る。
そう、いろいろ仕様がおかしいだろ?
まずリビングの側はキッチンだったのを中にオープンスタイルに変えて、キッチンのあった外っぽい所に体育館ぐらいある庭を作った。そこに厩舎と水飲み場を作りポニーが好きな魔草を植えた。うまく根付いてくれたようだな。
テントを張る時に念じればポニーも庭に移動できるようにしたんだ。
トイレの使用時に合わせた移動をヒントに生き物も移動できないかと思い立って無属性の魔石をふんだんに使用したらできたんだ。
空間拡張に瞬間移動、ディメンションホームと空間魔法のオンパレード、俺マジ魔法チート。
そしてそして何よりの力作は庭に面した大きな【ガラス】窓。まぁ正確には【ガラス】じゃないんだけど。
この世界に来て俺はガラスを見たことがなかった。唯一?第二王子のハーレムメンバーがモノクルをしてたけどあれは魔導具だそうな。
王都でもやけに小さい木で出来た窓しか見たことがなかった。後で思ったんだけど外が臭いから窓が小さかったんだな。
他の大陸とかにはあるかなぁ~?あって欲しい。いくらなんでもそこまでは文明発達してるよな?…よな??
で俺がガラス代わりに応用したのは【ゼリースライム】だ。
鑑定でなんでもござれって出たし、食べ物以外でもいいかなぁってことで、透明だし加工しやすそうだったんで錬金術で試してみた。水分を除去、圧縮しながら薄く引き伸ばす。透明度の高い3m×1.5m程のゼリースライムガラスの完成だ。強さは俺が身体強化して殴っても割れない程度。ピアが殴ると割れるだろうけど、普通に生活してたら大丈夫だろう。
それよりも庭の二人を見る。俺たちがテントに入ってしまうとポニーだけが独り取り残されてしまうのが気になってたんだ。嬉しそうな二人を見て作ってよかったと思う。
やたらと感激してピアも絶対安全圏のテントでポニーとのスキンシップを存分に堪能したようなので、お次は個室へ。
個室と言っても寝に帰るだけなんだけど、そこで重要になるのが寝具だよね。俺は初日にベッドに入ってすぐ雄叫びを上げた。
この世界には当然スプリングマットなんかあるわけがなく、もちろん低反発マットもない。シーツの下にひかれてるのは藁だった。宿でもそこまで気にしてなかったのは一応清潔にしてくれてたからか、召喚されたあれこれで気疲れしてすぐ眠れたからか。
だけどテントの中のベッドはピアが管理してる。まぁ言わずと知れるよな?ベッドに入ってなんだかあちこち痒い。そしてチクリとしたらもう確かめるしかない。ライトを唱えて部屋を明るくしてシーツをめくると、わざと敷き詰められたんじゃなかろうかといろんな虫がうじゃうじゃいた。火魔法で灰にしなかった俺を誉めて欲しいね。
雄叫びを上げた後、浄化、殺菌、クリーンを狂った様にかけ、虫の死骸はまとめて結界に入れて圧縮蒸発させた。それから藁をプレスしてその上にゼリースライムで俺に合う低反発マットを作成。掛け布団にはビッグバードの羽を使ってやったさ。俺のあまりの様子にさすがにソックスも声を掛けられなかったみたいだ。
俺はその勢いでピアをたたき起こして同じようにベッドを改良してやった。ピアには慣れない寝心地だったようだけどそんなん知るかっ。虫を敷き布団になんて俺は認めないっ!今では「体の調子がいい」って言ってるから良しとしよう。
それから「灯り」。リビングキッチンは何故か明るい仕様になってるのに部屋は暗い。まぁ、寝るのには暗い方がいいんだけど。俺にはライトの魔法があるからいいけど、ピアはどうしているのか聞いたら、いちいち火打ち石で炬みたいなのに火を着けるんだって。ランプはもちろんないし、ロウソクはやたらと高いらしい。ちょっと灯りが欲しいくらいならその辺の燃える物を使うとか。なんて不用心。
ということで作りましたランプ。揚げ物を大量に作るから廃油の処理も兼ねれてまさに一石二鳥っ。そしてまたまたゼリースライムの出番、ランプの傘の部分に使用した。着火は魔石だ。
実はテレビなんかの娯楽がない以外は元の世界と遜色ないぐらいにテントの改造をしてる間に第二の瘴気溜まりに到着してたりする。
なんでその話をしないのかって?現実逃避に決まってるだろ?!
ハハ…、八つ当たりはいけないな、悪かったよ。
この数日、俺は2時間程だけポニーに乗る以外はテントの改造や料理に勤しんで、移動はピアとポニーに任せていた。ただでさえ強い二人に俺の絶対防御結界を張ってるから無双状態。襲ってくる魔獣なんかその辺の石ころ扱いだ。ポニーが爆走して轢いた魔獣をピアがマジックバッグに回収しながら進んでる感じ。肉も魔石も取りたい放題だ。
ああ、でも一度珍しく呼ばれたんで予定外にテントの外に出たら、あらビックリ。何百というビッグアントの死骸の山があった。…何百もの蟻の死骸、吐かなかった俺えらいよねっ?
その中には女王アントもいて大きさがポニーより大きかったんだ。俺は見てない、見てないぞ。
アントの殻は防具なんかに使えるし、「ケンの言う魔石もあるぞ」と言われたら回収するしかないよな。逆に殻と魔石以外は捨てるそうなんで一気に魔法で片付けてやったさ。
イメージとして、殻と魔石以外を除去、圧縮して浄化、蒸発。アントの型のままの殻が残ってピアに呆れられました。
いやぁ~、大変だったなぁ~。
…わかったよ、わかりました。現実逃避はやめろってか。
大体俺は異世界に召喚されようが来る気はこれっぽっちもなかったんだよっ!
なんで第二瘴気溜まりが【ダンジョン】なんだよっ!!
いいね、ありがとうございますっ!




