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ないなら作ればいいじゃない!

評価、ブクマ、いいね、誤字報告ありがとうございます!


前回に引き続きトイレと料理の話です。ご注意?下さい。

見るとピアとソックスが涎を垂らさんばかりに熱い視線を送ってきてた。

鬱陶しいです、特にピア。ソックスは可愛いだけだ。贔屓で結構。


「ピア、ついでに人参切っといたからポニーにあげてきてくれ」


「人参?」


「馬って人参好きだよな?果物もあれば良かったけどな」


「お、おう。ありがとな」


慌てて人参の入ったカゴを持って出て行った。何かおかしかったか?


『この世界では食料は貴重なんで、人が食べる物を馬にあげたりしないんスよ』


「じゃあ余計な事だったか?」


『馬、スレイプニルも味覚が鋭いから甘い人参とか喜ぶと思うっスよ』


なんか含みを持った表情で言うソックスに不思議に思いながら、改めて今の格好を見る。

俺を一心に見つめて、後ろ足で立ち両前足を揃えて懸命に伸ばして小首を傾げてる。


「ちょうだい」のポーズ。


っく、かわいすぎるっ、俺をどうしたいんだ!


「お前も欲しいのか?というか食べれたっけ?」


『欲しいっス、食べれるっスよ!前の世界から人間の食べ物は憧れだったんスっ!しかもすごくいい臭いっス!!』


すごい必死だ。かわいく笑える。


「わかったよ。もう少し待ってろ」


さて、肉の焼きに入ろうか。


ジュッワ~


温めたフライパンに肉をのせると音と共に生姜のきいたいい臭いがする。

スープより更に強烈な臭いにソックスが足を踏み鳴らしている。

新鮮でいい肉だから焼き過ぎない。両面少し焦げ目がついたら引き上げる。

約1キロ、そう時間もかからず焼けた。


いつの間にか戻って来てたピアがランランとした目で見てくるのが怖かったから、千切り?キャベツの乗った上に焼けた肉を乗せてにテーブルに運んでもらい、お次はスープ。

しっかり野菜の旨味がでてる所へ豆腐で嵩まし、オークの切り落としも入れて火から外す。

ここでもやっぱり肉が固くならない様に余熱だけで火を通す。浮いてきた灰汁を取って塩胡椒で味を整えて完成だ。


大したことはやってないが上手く出来たと思う。

さあ、食べようか。



「『うっ』」


と言ったまま、一人と一匹が微動だにしません。


おかしいな?

野菜の旨味たっぷり豆腐で嵩まししてオークのバラ切り落としを入れた【なんちゃって豚汁】もオーク肉の旨味まで出てるし、付け合わせにキャベツの千切りを添えたオーク塩生姜焼きも味染み染みで柔らかくてそこそこ旨く出来てるのに。

嫌なら食うな。と傷付きながら独り食い進める。

ちょっと行儀悪くスープを啜る音が「ずっ」となったことで二人が覚醒した。


「『うっ、うまー!!(いっス)』」


突然デカイ声を出されて、スープが気管に入ったぞ。


「げほっ、なんだよ、不味いから固まってるのかと思った」


「そんなわけあるかよっ!なんだこれ、生まれて初めてこんな旨いもん食った!臭くねぇし、塩と胡椒だけの味と全然違う!言葉がみつかんねぇ!」


語彙力のないピアが頬をリスみたいに膨らましながら、身振り手振りで絶賛してくれる。


『そうっスよ!スープも歯がいらないくらい柔らかく煮込まれてて、いろんな野菜の旨味がオークの肉と合わさってまた複雑な味わいになってるっス。油で先に炒めたのがきいてるんスね!』


ソックスは逆にネコらしからぬ食レポのようなコメントだけど、残念ながらピアには「みゃーみゃー」としか聞こえていない。


絶賛しすぎだ。ダシなんて取ってない、なんなら普通の家庭料理より劣るのに。

でも思ったより旨く感じるのは皆で食べてるからだろうな。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇




さて、腹も落ち着いて片付けもして、ピアは次の食事の為に残りの魔獣も解体と張り切りキッチンへ、ソックスは腹ごなしに散歩に行くと言ってたので、絶対に結界から出ないように言い含め送り出した。


そして俺はというと、あてがわれた二階の一室で真剣に考えていた。

なぜに俺のスキルに無属性魔法、錬金術、附与術があるのかを…。


まず、俺の概念として無属性魔法とは火・水・風・土・光・闇以外の魔法だと思っている。

そして敢えて()()()()として、魔法は想像力だと思う。

つまり俺が導き出した答えは【無属性魔法は何でも有り】ということだ。


と、ちょっと小難しく語ったがぶっちゃければ


「スキルと魔法で作っちゃいなよっ、ト・イ・レ!」


ってことである(キリッ)


俺は常々思ってたんだ。異世界転生、転移物の話で割りとクローズアップされてるのは、なぜ風呂なんだと。

そりゃ風呂に入れば気持ちいいし、温泉はばあちゃんが好きだったから良く付き合いで行ってたし、俺も好きだった。


でもさ、【クリーン】とかで取り敢えず清潔に保てるなら、日常的に再三利用するトイレの方が大事だと思うんだ。

特に旅したり、ダンジョンに行ったりしたらトイレに困るだろ?

その辺でやっちゃうより自分専用のがあったら、もうそれだけで気持ちもずいぶん楽になると思うんだよ。


ダンジョンに行くつもりもないし、今日は宿で座って済ます方はやってきた。

じゃあ明日からは?俺は自慢じゃないが毎日快調だ。その時のことを考えたらゾッとした。

尻を出してる時に魔獣に襲われたらどうする?結界を張っていようと驚いて惨事になる未来しか視れない。


わかるか?!元の世界でも大事だったが、この世界では命に関わる程大事だということを!!


俺の恥部をわざわざ晒したんだ、どれ程のことかわかってもらえただろう。

というわけで、「作るぞートイレ!!」えいえいおー!



さて、ここで取り出したるは、ピアから譲ってもらった大きな樽2つ。

錬金術は等価交換だからねっ、多分。足りなければ魔法で補うけども。


ナムナム…とトイレが出来るように魔力を込めながら考える。


大樽の一部をくり貫いてそこに椅子を置いて穴を開ける?でその下に空間魔法で亜空間に繋げて排泄物をそこに流すか?

うーん、格好悪いし、外から丸見えだし、亜空間に迷惑?だよな。


もういっその事イベントとかでよく見かける仮設トイレでいいんじゃないか?

まぁ、素材は樽の木だけど。そこは魔法で「防汚・防臭・防水・防音」、あとやっぱり結界も。

そんで洋式便器で、トイレットペーパーがないから「ウォシュレット・乾燥」手洗い場所もいるな。

排泄物は…、そうだなこの森のどこかに捨て…ううんっ、移動させて、落ち葉なんかと混ぜて腐葉土にするのはどうだろう?エコだよね、エコ。


大分いい感じだな。よし!


ここで更に気合いを入れたら魔力が高まって部屋どころか、テントの空間内を眩しい光と魔力が包み込んだ事を目を瞑って真剣に考えてた俺は気付かなかった。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇




ここはテント空間の外の結界の中。

一匹のネコ聖獣が、幻の軍馬スレイプニルと対峙していた。


そんな緊迫した雰囲気が霧散したのはテント空間一帯が異常な魔力に包まれたから。

スレイプニルは驚愕に目を見開き、ネコ聖獣はため息をついた。


(またケンが何かやったっスね…)


あの方から頼まれた勇者はどうも能天気だ。召喚された事よりも食事の事やトイレの事を異常に気にしている。変に嘆かないからいいのだが。


今はそれより、その勇者に対してのスレイプニルの態度だ。

観察するように、ずっと睨んでいるのだ。


「兎に角ケンにもう少し柔らかい態度をして欲しいんスよ」


「あらそれは無理だわ。私は戦神様から遣わされた誇り高きスレイプニル。我が主と決めた方以外に尻尾を振る気はないわ」


「そのピアの旦那が勇者であるケンを認めてるんスよ」


スレイプニルは気に入らないのか、馬面を横に振る。


「ケンは優しいっスよ。美味しい食べ物もくれるっス」


スレイプニルはそれに反応する。どの生き物にも食べ物は大事だ。


「ま、まぁそうね、またあの人参をくれるならちょっとくらいは譲歩してあげなくもないわ」


ネコ聖獣はニンマリする。

今日のところ、落としどころはこんなところだろう。








誤字が多い中読んで下さりありがとうございます。

見直してはいるのですが、なかなか無くなりません。

頑張りますので宜しくお願いします。

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