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男達の戦い

速さが段々と落ちていく拳。僕にも余裕で認識出来るようになった。


拳を食らうふりをして衝撃を受け流し、徐々にアルガレムの方に足を向けていく。丁度良くなったところで、ウルガレムが放った拳を足場に僕は拳の空間を脱出した。


「お前。何でこれだけ食らって尚、そんな動きが出来るんだよ……?可笑しいだろ。骨を確実に砕いた感覚だってした、普通は痛みで動けやしないはずなのに」


「痛みには割と慣れている方なんだよ、なにせ場数が多いからね。それより君だって凄いじゃないか、あんな高速で重い突きは見たことがない」


「それを食らって無事でいるお前に言われると貶されているようにしか感じねぇなあ」


(本気で言っているのに……まあ、当然か)

これで全力というわけではないだろうが、それでも今まで多くの敵をさっきので倒してきたのだろう。それを圧倒的弱者だと思っていた僕が余裕で耐え切って見せた事が屈辱で仕方がないのだろう。 まあ、多分アルガレムが今まで戦ってきた者と僕の違いは、単に回復魔法があるかないかだけだろうけど。超回復がなければ死んでいた。


「分かった、分かったぜ。お前は強い、それを認めよう。魔王撃退もお前が成し遂げたんだ、そうに違いない」


(なんだ急に認め出して。少し気持ち悪いぞ)


「そのお前を倒せば、俺は魔王よりも強い証明になる。最強を目指している性分上、お前には悪いが叩き潰させてもらう」

そう言ってその背に背負ったその身に合った巨大な大剣を抜いたアルガレム。


「こっちも望むところだよ」


「四の翼──武神解放」

激しい爆発と共に感じる熱のような気。まるで火山の中に飛び込んだような熱さ、アレンと同等かそれ以上に練り上げられた気だ。


「五の翼──神如翔崩剣」

「五の塵──豪剣連斬、五連」


剣と剣が打ち合った時、その衝撃に大気は揺れ、地面は抉れた。凄まじい剣戟を立てながら二刀は絡み合い、弾き合う。

アルガレムの鍛え上げられた筋肉と並々ならぬ努力が放つ剣技は重く、鋭く、正確だった。


アルガレムが在籍する虎翼学院はその名の通り、虎翼流の生徒しか受け入れていない。それによって虎翼流のみに特化した教育、指導を可能としている。

長く続く学院の指導力は折り紙付きで、アレンよりも正確性が高い。


僕の隙を一切見逃さずに確実に捉え、攻めてくる。防ぐにしてもその巨体故に押し切られてしまう。

雷轟で視界から抜けて背後から攻めようにもその長い腕と巨大な手を用いて防いでくる。


筋肉で出来た装甲は攻めにも守りにも使える、こちらとしては非常に厄介だ。以上なまでに強さに敏感で、弱者を見下すのはその筋肉が今までの彼の強さ証明であり、彼の経験なってきたからなのだろう。


「三の塵──五月雨斬り」


思考によって立ち回りが大きく変わる者がいるがアルガレムはまさにそれだ。さっきまでの舐め腐っていた態度の時とは大違いだ。

さっきまでの彼は僕を何の気なしに自分の範囲内に入らせていた。しかし今は、自分に近付かさせないべく立ち回っているような感じがする。


「五の塵──豪剣連斬」


息が上がり、疲労もだいぶ溜まっているはずだ。なのに目の前の男は音を上げない、絶対に剣を下ろさない。その心意気は素晴らしく、さっきの態度を許せる程だ。だから、こちらも全力を出さなければ失礼だ。

目の前の楽しい戦いをもたらしてくれたアルガレムに僕の全てをぶつける。使えるものは全て使う。


「出来るかどうか分からないけどやるしかない。『身体強化 V』」


その魔法を行使した時、思考がどんどん晴れていき身体の隅々から力が溢れ出す。強化した身体が今にも暴れ出したいと叫んでいるようだ。

足りない身体能力を補うための三つの強化技は非常に強力であり身体が追いついていない。全身に強力な痛みが発生する。


「一の塵──六切り」

僕の剣技はアルガレムの守りを抜き、その身に剣技を叩き込む。


「おうおう、まだ強くなんのか。ただ、浅え」

アルガレムの筋肉は硬く、僕の剣技は彼にかすり傷をつける程度だった。が、そうなると分かっていた。


『身体強化』は使い慣れていないから、どれほど力が強化されるのか分かっていない。強い攻撃でもしも命まで削ってしまわないかの確認のために六切り。素早さを意識した連斬がその厚い装甲を貫けないのは当然。


「こっちが本命。五の塵──豪剣連斬、三連」

手加減なしで放っても構わないと分かったからには遠慮はなし。僕はこの身に溢れる力の全てを剣技に乗せて、アルガレムにぶつける。


「本当に強えなあ。五の翼──神如翔崩剣」


再度、剣技と剣技がぶつかり合う。高速で行われる剣技の応酬。


男と男のぶつかり合いは見る者全ての目を引き、呼吸をすることすらも忘れさせた。それほどまでに力強く、泥臭いながらに美しかった。


「ハアアアアアアアアア」

「せいやあああああああ」


凄まじい剣戟が止んだ時、それは戦いの決着の時。


──アルガレムが膝を折って倒れた。場内でただ一人立ち続けていたのは、イティラだった。


『第一試合から恐ろしさすら感じさせる戦いを制し、勝ったのはイティラ・トロム。皆さん、素晴らしき戦いを見せてくれた両名に盛大な拍手をお願いします』

会場全体から唸るような拍手が飛びかい、称賛の声が上がった。試合中である別会場からも響き渡ってきていた。

身体強化は五段階強化でI〜Vです。

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厨二病が治ったら、可愛くておっぱい大きくて可愛い君に出会えたってマジ?

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