21/44
9
会った時から思っていた。
この人は、人に優しくできる人なんだ、って。
でも、たぶんそれは違うんだ。
いや、違わなくて、とっても優しい人なんだろうけど。
それと同時に、自分の優先度が、とてつもなく低いのだ。
生きている人達を探そう、って言ってくれたのも、きっと私の為だったんだろう。
悲しいなぁ……。
私はおじさんに、自分を大切にしてほしいと思う。
だって、おじさんがいなくなってしまったら、私はたえられないから。
今はもう、パパやママと同じくらい、大切な人だから。
「……どうしたら、いいのかなぁ……」
壁に背を預け、一人ごちてみる。
声に出してみても、答えが出るわけもなかった。




