表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
システムバグで輪廻の輪から外れちゃったけど、どうやら他の星に転生したらしいです。  作者: 大国 鹿児


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/20

ガンガンいくぜい!

「その恰好…まさか、それも魔法なの…か?」


 父さん、ちゃんと顎が嵌って良かったね。

 でも、驚きすぎて疲れない?


「うん、魔法で創った鎧と剣だよ。父さん、ここで撃退しなきゃ村に甚大な被害が出る。だから、僕はここに残って戦う!」


 第二形態のブレンダーが、俺を励ますようにすり寄って来た。

 違うな…自分もここに居るぞって主張してるのか。


「勿論、ブレンダーも居るしね。だから俺も戦える!」


 そんな俺に父さんは、真面目な顔で言葉を返した。


「トールよ。お前は本当に戦えるのか? まだ魔物と戦った事なんて無いだろう?」


 確かに…言われてみれば、戦った経験は事ないな。

 なぜか戦えると思い込んでたけど、そもそも敵の強さも何も知らねーぞ、俺。

 だが、この思いは止められない止まらない! どっかのカッパなスナック菓子のCMだって、そう言ってるじゃないか!


「無いよ。でもやらなきゃみんなが困るんだから、俺は戦う。これでも領主家の長男だからね。領民を守るのは我が家の義務じゃないか!」


 俺~がやらなきゃ(ダンダダン)♪ 誰がやるのさ~(ダンダダーン)♪ 今に見ていろハ〇ワ原人~全滅だ~♪

 違った…魔物なんか絶対に殲滅して、この村を守るんだ!

 銀の仮面のせいで表情は見えないだろうが、俺の真剣(?)な想いはどうやら父さんにしっかりと伝わった様だ。


「良く言った、トールうよ! お前の言う通りだ! よし、一緒に戦おう。だが忘れるなよ、お前はまだまだ子供だ。領民を守る義務なんてものは、この父さんだけが背負えばいいんだ。お前は危なくなったらそのオオカミと逃げるんだ。それが出来なきゃ、お前を参戦させるわけにはいかない。どうだ、約束できるか?」


 そりゃ父さんのいう事は尤もだ。

 確かに俺はまだ子供なんだから、心配もするのも当然だよな。

 だが、俺はどっかの名探偵と一緒で、見た目は子供、頭脳は大人だ。

 前世での空手っつう武道経験もがっつりある。

 まだ子供で手足が短いから、あんまり実践では役に立た無いだろうけど。

 まあ、それでも戦闘時の目くばせ位置取り間合いに呼吸と、役立つ事も沢山ある。

 やってやれない事は無い。 


「約束する。父さんも危なくなったら逃げてね」


 だけど、ここはちゃんと約束をしてあげよう。


「ああ、勿論だ。いいか、絶対に死ぬなよ。母さんが泣くからな!」


 父さんの言葉に、俺は黙って頷く。

 母さんを泣かせるわけにはいかない。


「あと、ミルシェちゃんも泣くぞ?」


 クソ親父め! めっちゃニヤニヤしやがって…殴ってもいいか? 


 それはそれとして、俺とこの村の未来のためにも、絶対に死守してやる!

 ミルシェちゃんとの未来の事じゃないよ?

 いやいやいやいや、ミルシェちゃんは嫌いじゃないから!

 ナビ、この話は聞こえてんだろ?

 絶対にミルシェちゃんに変な告げ口すんなよ?

 いいか、フリじゃねーからな? するなって言ったら、絶対にするなよ?


 いかん、今は目の前に集中集中! 


 もしダメだったら、デロリアン創って俺は過去に帰るぞ?

 いやまてよ? 青い耳なし猫型ロボットの出てくる机でもいいかもしれない…。

 カブトムシで時間をぼか~ん! するのでもいいな。

 って、何をアホな事考えてるんだ俺!

 そういえばブレンダーみたいなオオカミじゃなくて、バベルの塔に住んでいる超能力少年の黒豹でもよかったな…だって美女に変身できるもんな。

 

 って、戦いの前なんだから集中だっての!


 でも、ジャイアントなロボは捨てがたい! 横〇先生は最高だぜ! 

 あ…伝説の井出音(自主規制)の巨人創ったら速攻で終わるんじゃね?


 いかんいかん! だから集中だって、俺!

 

 やる気(?)を漲らせる俺の脳裏に、ふとあの時の神様の言葉が浮かんだ。


『君の魂は、この先の星の人より200倍はエネルギーあるから無双簡単だよ~』


 人(?)の良さそうな神様だったけど、どうも何かを隠してる様な気が今更ながらにして来てならない。

 だって、200倍のエネルギーの意味を全く説明してくれて無いんだぜ。

 そもそも、便利グッズの詰め合わせとか言ってたけど、単なるカプセルが5個。

 しかも、グッズじゃなくてグッズを創り出すための卵みたいなもん。

 って事は、詰め合わせの意味が違う気が…でも、カタログギフトみたいなもんだと思ったら、これはこれでアリなのか? 言ってた意味もきちんと通ってるのか?

 いや、だが、しかし…、ならば何故あれほどデカイくて重い箱だったんだ?

 もしかしたら見えないだけで、実はもっと他にも何か入ってたってオチなのか?

 あかん! 考えれば考えるほど裏がある気がしてならない。

 俺って、もしかして神様に掌の上で踊らされてるのか? 

 もちろん、単なる神様の優しさの可能性もあるけどさ。

 うん、もうごちゃごちゃと考えるのは止めよう。

 掌の上で踊らされたっていいじゃねーか! 

 モンキーマジック上等だぜ!

 もう俺はこの新しい家族にも村の人にもこの世界にも、愛着バリバリだしな。

 神様の陰謀策謀上等だ! やってやろうじゃねーか!

 まずはこの危機を乗り切って、神様の事はその後で考えりゃいいや。


 よーっし、集中だ、集中! 

 

 こちとら精神年齢アラフィフの中身おっさんだ!

 多少の陰謀何するものぞ、おっさん舐めるなよ!

 ナチュラル・チートな魂のエネルギー全力で使ってやる!

 直接的にはどうやって使うかわからんけど、間接的には精霊さんという強い味方が俺には居るのだ!

 さあ、精霊さん精霊さん、本番前ですよ! 食事はお早めに願います。

 もうすぐここにモンスターが押し寄せてきます! 開戦直前です!

 精霊さんの最大の見せ場ですよー!

 うぉ! 精霊さんいつもの数倍やって来たぞ!

 めっちゃエネルギー吸われてる!

 ちょ! 誰だ、股間に吸い付てるやつは! こら、そこは尻だ!

 あ…や、やめて…そこは…あん…変な世界の扉が開いちゃう…。

 扉はしっかり閉じました…やばかった…嫌な汗かいたぜ…ふう。


「トール…その光ってるの何だ?」

 

 Wow! 父さんにも見えたのか!


「父さん、これが魔素だよ。魔法の元になる」

「こ…これが魔素なのか? あの本に書いてたのは本当だったんだな…」


 おぉ? もしかしたら、これで父さんも魔法が使える?


 精霊さん精霊さん、父さんの魔法も手伝ってもらっていいですか?

 俺の言葉の意味が理解できないのか、精霊さん『???』って感じ。

 えっとね、父さんも魔法使えないかな~って。

 え、父さんとは上手くコミュニケーションが取れないから無理? 

 そもそも何言ってるかわかんない? えっと、俺の言葉は分かるの?

 迸る熱いパトスがあるからわかるって? 少年よ神話になれ?

 おい! それ以上は危険だから言うなよ!

 ってか、なんでそのネタ知ってんだ?

 え…俺の記憶覗いたの? 精霊さんって、そんな事が出来るの?

 そうでなきゃ魔法のイメージが伝わらない? 確かにおっしゃる通りです。

 そっかあ…迸らなきゃダメなんだ。

 父さんが迸らせるのは、官能小説読んだ時の先ば…ゲフンゲフン…。

 取りあえず小さくても良いので、蝋燭の火ぐらいは何とかなりません?

 それぐらいなら出来るって? それじゃオネシャス!

 エネルギー欲しかったら、僕の吸いに来ていいからね。

 でも股間とお尻から吸うのだけは、や・め・て!

 あ…口もダメ! ファーストキスは、好きな人のために取っておきたいのー!

 

 んんっん…ごほん。


「魔素が見えたなら、父さんも簡単な魔法なら使えるかもしれないよ」

「マジか!?」

「藁に火を点ける時の火種をイメージして、『火よ点け!』って言ってみて」 


 う~んう~んと、何か唸りながら力んでいた父さんが、おもむろに、


「火よ点け!」


 っと言って、右手を高々と上げて人差し指で天を指す。

 今だ、精霊さんあそこにオネシャス!

 ポッ…って小さな音がして、父さんの指先に火が灯った。


「うぉぉぉぉ!! 俺にも魔法が使えた!」


 いやぁ、めっちゃ小さい火だし、俺のおかげだけどね。


「良かったね。父さんだとあんまり自由に魔法は使えないと思うけど…」

「いやいやこれでも十分だ! 一度は魔法を使ってみたかったんだよ! やっぱりトールは天才だな! ありがとう!」


 よせやい、照れるぜ。


 って最前線で二人で何を和んでるんだよ!

 もう、いつモンスターが襲って来るかも分からないのに。

 あ、そうそう。ブレンダーも準備しとかないとな。


「父さん、驚かないでね」

「もうこれ以上、何に驚くんだ?」


 ブレンダーを手招きして、寄ってきた所で、


「ブレンダー、第三形態…戦闘形態に変身!」

『ワオォーーーーン!』


 ほれほれ! ブレンダーが、グググッとさらに大きくなる。

 額から水晶みたいな綺麗な角が、背中には同じく水晶の様な刃がずらりと生え並び、鋭く長い爪や牙も相応にでかく鋭くなる。

 その身体を覆う体毛のカッチカチになって、防御力もアップ。

 こうなったら、ブレンダーの身体には剣も通らないし槍も刺さらない。

 これぞブレンダーの戦闘形態、バトルモードだ!

 ネーミングセンスねーな…俺。


「こ、これがあのブレンダーなのか!?」


 父さん、またもや吃驚り。


「そうだよ。これこそがブレンダーの真の姿。めちゃくちゃ強いからね!」

「そうか…お前の言う事をちゃんという事を聞いてくれるならいい」


 多分、驚きの連続で、父さん色々と麻痺してきたんだろうな。 

 ごめんね、父さん。

 

 でもこの村をモンスターなんかに蹂躙されるわけにゃいかねーんだ!

 そんな未来は、まっぴらごめんだ!

 だから俺は自重せずにガンガンいく事にしてる。


 俺は森の先に聳え立つダンジョンを睨みつけながら、改めて決意を新たにした。

 さあ、来るなら来い! ワイ〇ドに咆えるぜ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ