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その22

次の日、ネオは朝からぼんやりとしていた。目は覚めていても、内側は眠ったままみたいに、気持ちが体に入っていない感じだった。心は感覚を閉ざして、頭は霧がかかっていた。そんな朝でも体は染み付いた習慣通りに動くから、畑の水撒きとピヒピヨ鳥への餌やりを上の空でこなし、何も考えずに朝餉を口に運んだ。


「行って…きます」

「いってらっしゃい。しっかり勉強してきなさい」


これから大体一月は両親が家に居る。その間、ネオは教会学校に行くことにした。

折角帰ってきた両親とギスギスしたくない。

行くと決めたものの、気分が全然上がらない。何か目に入ると行かない理由を見つけてしまう気がして、あんまり周りを見ないようにして家から教会まで来た。教会までは来たが、中に入れずにいた。何というか、気まずい。あと少しなのに足が進まず、入り口のあたりでもじもじしていた。


「ネオ、何やってんだ」


後ろから声がした。ダヒルだ。


「ほらほら、入って入って。教会学校始まるぞ…

 つーか、今まで何やってたんだ?全然教会にも来ねえし、家に行っても居ねぇこと多いしよ」

「最近忙しくて」

「何だ、その大人みたいな言い訳は」


ここしばらく遊んでいなかったダヒルが不満げに言う。ちょっと申し訳ない気分になったが、致し方ない。


「そうそう、二月前にさ、オレ大物釣ったのよ。水トカゲ、見せてやりたかったぜ。名人を取り戻すのも時間の問題だな。ふふふ…」

「また捕まえた時に見せてよ」

「まあ、そろそろ水の温度が下がってくるからな… 水トカゲが森に潜って卵を抱くから、トカゲ釣りは来年までお休みだな。

 これからならワシの巣取りができるぞ。そろそろ巣立ちの時期だ」

「ワシの巣をどうするの?」

「いい火付けの素になるからよ、ちょっとした値段で売れるのよ。これが」


ダヒルが話かけてくれたお陰で、教会の中に入ることができた。ネオは心の中でこっそり感謝した。


「みなさん、おはようございます。もうすぐ一年で最も素晴らしい日がやってきますね。さあ、答えられる方はいますか?」


後ろの方の椅子に座ると、すぐに神父が話を始めた。神父の問いかけに小さな子が手をあげて元気に答える。


「はい、国統一の日です」

「そうですね。よろしい。統一の日には偉大なる初代王・モーゼル様を讃えましょう。皆にも素晴らしい贈り物が王都の大神殿よりありますからね。楽しみにしていてください。

 この村では慎ましく歌と踊りでお祝いするくらいですが、王都の国統一の日の祭はとても盛大に行われるのですよ。では今日は、王都ができた時のお話『呪いを解いたモーゼル様のお話』をいたしましょう」

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