第1話
202X年。
宣戦布告がされないままロシア軍は突如北海道へ上陸、侵攻を開始した。
侵攻の一ヶ月前、ハバロフスクとサハリン(樺太)に大規模なロシア軍部隊の集結が確認され、北方領土方面も含めた大規模な軍事演習が行われるのではないかと噂された。
暫くしてから札幌、旭川、千歳、函館などの北海道の主要都市で大規模な通信障害が発生し、交通・電子マネーなど様々なインフラが混乱した。意図的なサイバー攻撃ではないかと疑われた。
数日後、空港や通信関連施設などの重要施設に対して巡航ミサイルによる攻撃をした後、ロシア軍は樺太と国後の両面から北海道へ上陸、侵攻を開始した。
日本政府は第三国を経由したロシアへの外交交渉を進めつつ、ロシア軍による武力攻撃事態と認定し、自衛隊に対して防衛出動を命じた。
北海道には陸上自衛隊の第2師団(旭川)、第5旅団(帯広)、第7師団(東千歳)、第11旅団(札幌:真駒内)がそれぞれ配備されていて、冷戦時代より極東ロシア軍の侵攻に備えた精鋭揃いで、第7師団は日本で唯一の機甲師団である。
しかし第2師団と第11旅団はそれぞれの主力部隊が南西方面の防衛強化のための機動展開演習に参加するために九州へ移動していたため、ロシア軍との戦闘に苦戦を強いられていた。
北海道防衛の空白を埋めるため、東北の2個師団、第9師団(青森)と第6師団(山形)が北海道へ送られた。
(仙台)
仙台駐屯地 東北方面総監部
「第9師団は既に東千歳にて第7師団と合流。第6師団は間もなく先遣部隊が苫小牧に到着予定です」
東北方面総監の伊達陸将は幕僚から説明を受けていた。
第9師団は旭川、第6師団は帯広へ展開する計画であり、東北の防衛の穴を埋めるべく中部方面の第3師団(兵庫)と第10師団(名古屋)の2個師団が展開することになっている。
(苫小牧)
苫小牧港には民間からチャーターされたフェリーによって運ばれてきた第6師団の先遣部隊、第22即応機動連隊が陸揚げされてて、後続の部隊も八戸港から運ばれてくる予定であった。




