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第8話 『新たな仲間と新たな目標』

「──で、どうだったの? 最後まで楽しめた?」


「いや……その……うん、気持ちよかったよ。ほんとに。けどなんか、こう……一人だと虚しいっていうか……心にぽっかり穴が開くっていうか……」


「……ほんと、面倒くさい男ね」


 


翌朝の宿の食堂。

パンをかじりながら、流星はどこか虚無を帯びた目でコーヒーをすすっていた。

リリアはそんな彼を見て、呆れたように微笑む。


「でも、少し落ち着いた顔してる。……ちゃんと癒されたんでしょ?」


「……あぁ。まぁ、あれはあれで良かったよ。異世界の文化に触れるって意味でもね」


「その言い訳が出てくる時点で、図星なんじゃないの?」


「ぐぬぬ……」


リリアに見抜かれた流星は、思わず口をつぐんだ。

──だが、その口元は、どこか晴れやかでもある。


 



 


「さて、流星。今後どうするの?」


朝食を終えたあと、リリアが真面目な表情で問いかけた。


「モンスター狩りは確かに実入りがいいけど、それだけじゃないわよね? あなた、本当に“風俗だけ”が目的なの?」


「……」


流星はパンくずを払って立ち上がり、少し考える素振りを見せる。


「風俗に行くのは、俺にとって生きる活力。これは絶対揺るがない」


「うん、知ってる」


「でも、最近思うんだ。稼いで、通って、疲れて……また稼ぐ。その繰り返しだけじゃ、なんか満たされないんだよな」


「……」


「たぶん、俺が欲しいのは──誰かと一緒に“何かを成し遂げる”ってやつかもしれない」


リリアは、少し驚いたように彼を見つめた。


「流星……意外と、真面目じゃない」


「いや、真面目でしょ!? 俺、ただのエロい課長じゃないぞ!?」


「エロい課長って言っちゃってる時点で真面目じゃないわよ」


 



 


その日の午後。

二人は冒険者ギルドで新たな依頼を探していた。

流星の“次なる目標”は定まっていた。


「よし、次はコボルト退治だ。ゴブリンより賢くて、集団で戦術も取るって話だ」


「ふむ……報酬もそこそこ。危険度も高めね。でも、腕試しにはちょうどいいかも」


「そして何より──風俗代が増える!」


「……やっぱりそれか」


 


そんなやりとりをしていた矢先。

ギルドの扉が勢いよく開き、ひとりの少女が駆け込んできた。


「大変です! 南の村が、コボルトの群れに囲まれて──!」


「なにッ!?」


一気に場が緊張する。


「冒険者の応援を要請されてます! 有志はすぐに準備を!」


流星とリリアが、同時に顔を見合わせた。


「どうする?」


「決まってる。助けるさ。金も癒しも大事だけど──“誰かを守る”って、もっと尊いだろ?」


「……ふふ、やっぱり変な人。でも、悪くないわね」


 



 


流星の冒険は、まだ始まったばかりだ。

ただの“風俗好き転生者”だった男が、仲間と共に歩き出す。

異世界で何を守り、何を得るのか──。


 


そして、流星は気づくのだった。


「癒しは、たぶん──風俗だけじゃない」


 

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