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第39話『再び王都へ!癒しと陰謀の香り』

「──というわけで、君たちに新たな任務を依頼したい」


 


 ギルド本部、王都支部。

 重厚な扉の奥、応接室に響くのはギルド長の低い声。


 常盤流星たち五人──剣士、エルフ、魔法使い、王族魔導士、そして女戦士──は整列し、その話に耳を傾けていた。


 


「目的地は、ユグノール通り──」


「それって……王都の風俗街ですよね?」


「それって!?(即答!?)」


 


 リリアの横から突っ込む流星に、ギルド長は微妙な表情を浮かべる。


 


「……最近、あの通りの“高級店”で妙な噂が出ていてね」


「妙な?」


 


「“美しすぎる女性たちが、男たちを骨抜きにして廃人にしている”とね」


 


「」


「」


「」


「」


「」


 


 全員が一瞬沈黙した。


 だがその中で、一人だけ──


 


「…………(目がキラッ)」

 ※常盤流星、完全に興奮中。


 


「お前目が光ってるぞ!?」


「光ってない! これはただの……勇者の使命だ!!」


「今なんか“下半身の聖剣”とか言わなかった!?」


「言ってない言ってない!? 誰も言ってないよね!?」


 


 ギルド長は、苦笑しながら続けた。


 


「依頼内容は、“調査”。決して遊びではない。……いいか?」


「(真顔)ギルドの信頼に応えるのが、俺の流儀です」


「なぜ真顔になると余計に胡散臭くなるのかしら……」


 



 


 その数日後、再び王都へと戻ってきた流星たち一行。


 


 街路は活気にあふれ、再開された風俗街ユグノール通りのネオンはまばゆい。


 しかし、表向きの華やかさとは裏腹に、男たちの表情はどこか虚ろだった。


 


「やっぱり、何かある……」


 アリシアは眉をひそめた。


 


 街角で聞き込みをするミレーユが、小声で報告する。


 


「“ローズ・セレナーデ”って高級店が、異様に人気で……でも、通い詰めた男たちの記憶が、どこか抜けてるみたい」


「記憶……?」


 


「誰と何をしたか思い出せないのに、“幸せだった”ってだけ繰り返すの。まるで洗脳みたいに」


 


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!!」


「叫ぶなぁあああああああッッ!!」


 


 奇声を上げたのは流星だった。


 


「なにその究極のプレイ!? 記憶飛ぶほど幸せって……もはや悟りじゃん!? 俺も行く!! 行く以外にない!!」


「はいこの人が一番廃人候補で〜す」


「まったく、貴様という男は……!」


 


 そんな中、ヴァネッサがにっこり笑って肩を叩いた。


 


「ねぇ、行くなら一緒に行こっか♡ 私、ちょっと興味あるの〜。“美女に癒される”ってどんなのかなぁ〜?」


「貴様は癒す側だろおおおおお!!」


 



 


 こうして、調査と称した流星の夢の高級風俗店潜入計画が始まった。


 


 だが彼はまだ知らなかった。


 


 “夢”の奥には、

 “甘美”という名の、

 とてつもなく危険な魔の罠が張り巡らされていることを──。

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