第38話 『仲間になるけど距離感ゼロ!? 新たな爆弾加入』
「──ねぇ、仲間にしてよ♡ そしたら、毎晩添い寝してあげる♡」
朝焼けの中、笑顔でそう言った女が、たぶんこの大陸で一番“重い”発言をした。
彼女の名は、ヴァネッサ=ブラッドフォード。
全身を赤銅の筋肉で覆った、性欲フルスロットルの女戦士である。
当然、その言葉に一番に反応したのは──
「断れ! 絶対断れッ! あんたこのままじゃ人生詰むわよ!!」
リリアだった。
「“添い寝付きの仲間”なんて前代未聞よ!? 前例あったら資料出してみなさいよ!!」
「たしかに、それは聞いたことないわね……(※そして嫌な予感しかしない)」とアリシア。
「……添い寝はパーティースキルではない……」とミレーユが冷静にツッコミ。
しかし、当の流星は──
「いや、戦力的にはめっちゃありがたいんだけど……!」
「寝込み襲われるリスク無視かこの男あああああッ!!」
実際、戦力は申し分ない。
前回の魔物戦では、斧で一撃粉砕。背中合わせの連携も完璧。
性格と距離感に目を瞑れば、いや、目が焼けるほど問題だが──優秀だ。
「じゃあ、決まりね♡ 今日からあたし、あなたの専属戦士&添い寝係♡」
「いや“係”っていうなああああああ!!」
こうして、“性欲マシマシ女戦士”が、常盤流星のパーティーに正式加入した。
◆
──その日の昼、宿屋にて。
「よし、じゃあみんなでパーティー名を決めようぜ!」
「流れぶった切ったな!? てか、そもそもつけるの!?」
「いやだって、もう5人だし」
メンバーは以下の通り:
剣士:常盤流星(風俗好き)
エルフ剣士:リリア(良心)
優等生魔法使い:アリシア(ツッコミ役)
王族魔導士:ミレーユ(冷静枠)
女戦士:ヴァネッサ(地雷枠)
「パーティー名、そうね……『光の五つ星』とか?」
「無理、絶対光ってない。むしろ“煩悩爆裂五重奏”だわ」
「“淫・戦・魔・精・剣”とかどう?」
「“精”入れたな今!? 完全にアウト!!」
とりあえずパーティー名は保留。
◆
そして夜。
案の定、流星の布団にヴァネッサがもぐり込もうとして──
「また来たあああああああああ!!」
「ちょっと!? なんで!? 添い寝って言ったじゃない!?」
「添い寝だけでもアウトだよ!? 嫌じゃないけど! 寝れないだけだよ!」
「じゃあ寝るまで抱きしめてて♡」
「寝れるかあああああああ!!」
◆
──こうして、仲間は増えた。
戦力は増した。
そして地雷も爆誕した。
「……俺、いつになったら落ち着いた日常に戻れるんだろう……」
「その日常、最初からなかったでしょ」




