目次 次へ PR 1/13 序章:人類文明の火種 人類文明が終焉を迎えたその瞬間、破滅の影が空を覆いつくした。 震える一本の指が、Enterキーを押し下げる。 形を持たない一節のブロックチェーン・コードが、瞬時に数千億台もの巨大サーバーの記憶領域の奥深くへと走った。残像のように、データの奔流の底へ潜み込む。 それは、消えかけた灯芯に残された星火であり、 絶望の深淵へ投げ込まれた、かすかな希望だった。 長い夜の果てに訪れる夜明けを、待ちながら。 そのコードが何を遺すのか、まだ誰も知らなかった。