22「魔剣と錫杖の正体」
いろいろあった買い物リベンジは、ライリート商会で終わってしまった。
ルナが双剣の魔剣を、ルナが錫杖に選ばれた。
ヒルデは短剣を、エルザが業物の長剣を気に入った。
マーゴットの好意で支払いをすることはなかったが、得たものに不安が少し残った。
魔剣と出自不明な錫杖は、大切な家族にどのような影響を与えるのか未知数であった。
「――ふう、疲れちゃったな」
教会に帰ってきた時には夕方近くだった。
なんだかんだと商会にいる時間は長かった。
「まさか数年前に店から追い出されたことを謝罪されるなんて思わなかったなぁ。そのおかげで、懐かしいことを思い出したよ」
店員の謝罪は正直、どうでもよかった。
それよりもジールとの出会いを思い出せて少し嬉しかった。
最期は最悪の形になってしまったが、出会いは決して悪くはなかったのだ。
本当に、悪くなどなかったのだ。
そのことを思い出せて、レダは少しだけ胸のつかえが取れた気がした。
■
「――レダくん、少しいですか?」
教会に借りているレダの部屋がノックされる。
声の主は、ウィルソン教皇だった。
「はい、どうぞ」
佇まいを整え、出迎える。
「おやすみ中に失礼します」
「いいえ、そんな」
「ミナちゃんとルナちゃんが手に入れたものを調べましたので、情報共有をしたくて。今、大丈夫でしょうか?」
「ありがとうございます。調べてくださり、助かります」
「いいえ、家族のことですから」
レダはウィルソンを椅子に促し、お茶を入れた。
「ああ、すみません。お構いなく」
独り身が長かったので、お茶を入れるのは苦ではない。
ウィルソンの前にカップを置き、レダは向き合うように座った。
「ありがとうございます」
お茶に口をつけ、ウィルソンは話し始めた。
「では、さっそく」
「お願いします」
「まず、ルナちゃんが手に入れた双剣は、双炎の剣といいます。少々やんちゃな魔剣のようですが、主人には従順な剣のようです」
「よく、わかりましたね」
つい疑問が口から出てしまう。
すると、ウィルソンが微笑んだ。
「あまり公にはしていませんが、教会には様々な情報が集まっているんですよ」
そう言って、ウィルソンは片目を瞑る。
「そして、ミナちゃんの錫杖ですが、おそらく先代聖女が愛用していたものです」




