表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/37

ソルド、ルワノ友好条約

9 ソルド、ルワノ友好条約


チェリーとフーは、大きなテレビを見つめていた。


『ソルドがルワノを裏切りました!!こんなこと、誰が予想できたでしょうか!地球爆発から30年、友好条約を結んでから29年という長い年月が立った今、池球でのルワノとソルドの立場が逆転してしまいました!』


「ねぇねぇ、これってどうゆうことなの?」

話の内容がつかめていないフーがきいた。

「これから大変なことになると思うよ……下手したら戦争ってことになるかも……」

「え⁈戦争⁈」

「ってか、ヘリコプターうるさすぎ!そうだ!まなみちゃんが研究所に行けって言ってたよね?」

テレビを消しながらチェリーが言った。

「そういえば言ってたね!」

「……行ってみる?」

「ヘリコプターに見つからない?」

「いけるよ!たぶん!」


フーとチェリーはR研究所に向けて出発した。


♪ ♪ ♪


「早川様!だめです!資料はロケットとともに宇宙に持って行かれてしまったようです!」

『ルワノ抹殺計画チーム』の一員が 、トランシーバーに向かって叫んだ。

「やはりそうか。ならいい。他に使えそうな資料を探して、早いうちに引きあげよう。原梅がもう動いたようだ。」

「了解しました!」


☆ ☆ ☆


『こちら東共ルワノ保護センターです!先ほどの原梅代表の宣言で、ルワノは混乱しているようです!保護センターには電話が殺到しております!

今入ってきたニュースによりますと、大坂の久真鳥町にあります、R研究所のリール、コール、キールの三人と、フールーけいさつのチロが、重要な研究資料を持って宇宙へ逃げ出したそうです!専門家によると、我々の生活はその四人にかかっているようです!一番期待できるニュースですね!しかし、そのR研究所のリールは大変な泥棒で、警察のチロにとってはかなり難しい状況におかれていることでしょう!

続いてのニュースです!

なんということでしょう!アベリカ合衆国のサリトン大統領が、日木との貿易を打ち切ると宣言したようです!注国も明日には輸出、輸入を全面ストップする方針でいくと、国民会議で決まったそうです!』


* * *


日木はパニックになっていた。

原梅代表の宣言の後、数分でソルド立ち入り禁止の公共施設が崩壊した。密売によって手に入れられた拳銃、大砲、その他の武器で、ルワノの家はばらばらに壊された。

それは東共に限ったことではなかった。


「辞めさせていただきます。」

大坂府警のソルドは、次々に辞め、ソルド警察に入った。

東共のような大惨事には至らなかったが、ソルドとルワノの関わりは断ち切られた。

先代の友好条約は、無駄なものになった。


○ ○ ○


そんなことは知らない宇宙の四人は、ビクトール博士の遺留品を見つめていた。

「間違いない、あれはどう見たって博士のトレードマークだ。凍った水が河星にあるなんて思ってもみなかったが。」

「……ってことは、これが博士の発表し損ねた、【空飛ぶ簡単家】なのね?」

コールがさっきチロが見つけた小さな家を見ながら言った。

「ああ、間違いない。」

「ジャアオレタチロケットナオサナクテモカエレルッテワケダ」

「これ、飛ぶの⁈」

チロが驚いた。

「飛ぶぞ。」

「ロケットと同じ性能を持っているのよ。」

「すご!」

「早いうちに池球に帰るぞ。」

小さな家に四人はまるまって入った。

「日木は危ないからロザンゼルズあたりでどうだ?」

「いいわね。」

3!2!1!というリールの掛け声と共に、ビクトール博士の【空飛ぶ簡単家】は、唸り声をあげた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ