友達は思ってたより簡単にできる! 人に話しかけることさえ出来たら。
なんやかんやありつつも道中拠点探し中に居た羊さんに羊毛を借りたり、牛さんにお肉を借りたりしてあちこち御堂さんと駆け回った。
『あ!この辺にとかでいいんじゃない?』
「私は御堂さんに任せてるのでどこでも大丈夫ですよ」
御堂さんが選んだ場所は木が沢山生えてる森が近く、少しデコボコしている地形だが水場が近い場所だった。
『じゃあ私達の王国をここに建設しよう!』
「まだ序盤も序盤ですけど??」
《配信開始から50分経過してようやく》
《やったこと:雑談、木こり、拠点の場所を見つける》
《死んでなかったらもっとスムーズだったんだよなぁ⋯⋯》
『リスナーさん達が酷いよふゆちゃん!!』
「え?えっと、御堂さんも頑張ってるかも? それで、家を建てるんですよね?私は何をすれば?」
『流された⋯!?』
《草》
《草》
《味方居なくてわろた》
「も、もちろん本心ですよ⋯!?そ、それでなにするんですか⋯?」
『うぅ、後で話し合いだよふゆちゃん⋯⋯木で家を作るために木こりをしに行こう』
「⋯⋯はーい」
話し合いがとても気になるが聞かなかったことにするとして、小さな川を跨いだところにある森に二人で進み、木を沢山入手しながら雑談をする。
『それにしても、ふゆちゃんって可愛い声してるよね!VTuberとかやってみないの?』
《ほんとにそう》
《いい声してるんだよな》
《なったら推しになるからぜひなってくれ》
「私は絵師なので⋯」
『えー!せっかくだしVになってうちのとこに来ればいいのに!』
「いやです」
こんな配信をほぼ毎日するとか、緊張で死んでしまうわ。 せっかく生き返ったんだし、緊張死とか絶対にしたくない。
『即答⋯!?それでふゆちゃん、木はいくつ集まった?』
「えと⋯⋯78個ですね」
『私もそんぐらいできたし最初の拠点ならこのぐらいでいいかな?よし、戻ろ!』
「はーい」
拠点予定地に戻るとが木の原木を四角に置いていってる御堂さんを見つけた。 なんか、ちょっと建築センスに不安を覚えるような
「えと、原木の間に板材を置いていけばいいですか?」
『うん!お願いね!』
《あっ(察し)》
《(察し)》
《と、うふ》
自信満々に建築する様子とはまるで逆、本当に本人が操作しているのかと疑ってしまうぐらい御堂さんのやる気と結果の差がデカすぎる。
スペースはちっちゃくて必要最低限しか置けない上に『まかせてよ!』と自信ありげに言っていた割には建築家が見たら発狂しそうな⋯⋯
「豆腐、ですね」
『んー?いやいや!ガラスもつけるから!!』
そう言うと御堂さんは板材の1部外してガラスに変えていくのだが、今更ガラスをつけたところでこの悲惨具合は修正されず。
『じゃーん!私とふゆちゃんの愛の巣の完成!!』
「えっ?豆腐の完成の間違いでは?」
『いやいや、何言ってるの?ほら、ベッドとかも移しちゃおー!』
「あ、はーい」
『作業台は適当にここに置いて⋯ベッドも適当にここに2つおいてと⋯⋯』
夜空ノ永遠 《ちょっと夕陽先輩!私のママと隣で寝ないでください!》
《草》
《草》
《まだいる》
『えー?ゲームだし良くない?ね?ふゆちゃん』
「え?私は別にどちらでも⋯⋯」
夜空ノ永遠 《ママもこう言ってますので、ベッドを隅と隅に分けてください》
『いや、どちらでもいいってことは隣同士でもいいってこと!だからふゆちゃんは私と寝るの!』
この人達はたかがゲームの寝る位置になぜこんなに揉めてるんだ? 別にベッドの位置はどこてをもいいし、ていうかもう夜だから早く寝ないと外に出れないんだが?
「あの、もう御堂さんの隣でいいので寝ませんか??」
『よしきた!信じてたよふゆちゃん!さぁ寝よう!!』
「あっはい」
夜空ノ永遠 《ママ⋯⋯!?》
《なにこれ修羅場?》
《初めて修羅場見たわ》
《草すぎる》
草じゃないぞそこの視聴者、ていうかなんで永遠はコメント欄にいるんだ、そんな暇があったら配信しなさい。
「そうじゃん、永遠って普段このタイミングって配信してなかったっけ⋯?」
夜空ノ永遠 《ママが私にも言わずに夕陽さんとコラボするからじゃないですか!今日はおやすみだったので、配信の方は大丈夫です》
「へ〜〜⋯⋯」
『あれ?ていうか⋯⋯ゆきちゃんって永遠ちゃんと名前で呼びあってるんだね? 前配信までは夜空さん呼びだったし敬語だったし⋯⋯あれ!?てことは私だけ仲間はずれじゃん!』
《あ、ほんまや!!》
《自然すぎて気が付かんかった》
《名前呼びする空間を見たかった》
《嫉妬は良くないぞ夕陽ちゃん》
「まぁその、色々ありまして」
夜空ノ永遠 《そうです、私とママだけの秘密のデートがあったんです》
「で、デート!?そんなつもりは⋯⋯」
夜空ノ永遠 《誰がなんと言おうがデートです。》
《娘こっわ》
《俺たち(夕陽ちゃん含め)蚊帳の外なんだが》
《いいぞ、もっとやれ》
『こーこーは私の配信上なんだけどふゆちゃん!』
「あっ、スミマセンスミマセン⋯⋯」
永遠がとんでもないこと言い出すもんだから焦ってしまった、落ち着かないと。
『こほん──!じゃあふゆちゃん、畑だけ作って今日のマイクラは終わろっか!』
「はい、じゃあ私は種でも集めときますね」
マイクラはそこら辺に生えてる草を壊すと一定確率で種が出てきて、その種を畑に植えることで小麦になり、3つ集めてクラフトをするとパンになる。
俺が初めてやった時は畑が作れることを知らなくてただニワトリに餌をやってるだけだったが。
「30個程集めたんですけど、もっと必要ですか?」
『そのぐらいでいっか!植えていいよ!』
「はーい」
拠点に戻り集めてきた種を植えて、2人並んで配信を終了するために拠点の前に集まり締めの挨拶をする。
『そんなわけで!楽しかったねふゆちゃん!!』
「はい、人とやるゲームってこんなに楽しいんですね」
『なんか闇を感じる気が⋯⋯?』
《草》
《草》
《おもしろかった!》
夜空ノ永遠 《私とで良ければいつでもしますので、夕陽さんじゃなくて私を誘ってくださいね?あと後でメッセージを見ていただけると》
「アッハイ⋯⋯」
《何したんだ冬先生》
《めちゃくちゃ詰められそうな雰囲気で草》
『なんていうか、頑張ってねふゆちゃん』
「⋯⋯」
『ということで今日はありがとうふゆちゃん!またいつでも私を誘ってくれていからねということで!リスナーの皆さんもお疲れ様でしたー!!』
「お、お疲れ様でした」
《次回のコラボを全力待機します》
《おつー!》
《おつー!!》
『楽しかったねふゆちゃん!』
配信を切り終えたのか、緊張を解していると御堂さんが話しかけてくる。
「はい⋯疲れたけど楽しかったです」
人とやるゲームがこんなに楽しいとは思わなかった。 御堂さんは一生会話を振り続けてくれて、気まずいと思うことがあんまりなかったからその点でもめちゃくちゃ助かった。
『うんうん、それで次はいつやる?私としては今日めちゃくちゃ楽しかったし、いつでも明日でもいいんだけど!』
「えっ、と⋯気が向いたらで」
でも、いくら御堂さんが絡みやすく接してくれていても1人の女の子であり、緊張はしてしまうもの。 本当は永遠とのお料理オフコラボも胃がキリキリするぐらい緊張していたりする。
勢いでOKを出してしまった弊害だ。
『じゃあそろそろ私はお風呂行こっかなー、ふゆちゃんは永遠ちゃんに怒られてくるの?』
「怒られる前提なんですか⋯!?」
『うん!まぁそうかなって!!』
俺は12件の溜まっている通知へと目を向ける。
「その⋯⋯何かあったら助けてください」
『そ、そこまでじゃないと思うよ⋯?じゃあ私はそろそろお風呂に行こうかな?』
「あっその、まだ切らないでください⋯⋯」
今通話を切られたら一人でこのパンドラの箱を開けなきゃならなくなるから、ほんとに1人にしないで欲しい。
『あっ、うん⋯⋯』
なぜか永遠は俺が御堂さんとコラボすることを教えなかったことに怒っているらしく、12件も一体何を書いてるのか全くわからない。
オフコラボ時は土下座からスタートなのかもしれない、と思いながら慎重に中身を開いた。
今の心の頼りは御堂さんだけだ、絶対通話を切らせないからな御堂さん⋯!




