第17話 復活!聖獣ウルフ!!
「よそ見してんじゃねぇよ!!」
「くっ……!」
暴走するウルフを獅子王は何とかしようとするが、それを幾度とヒートが邪魔をする。その間にもウルフは自分自身を制御できず身体をいたるところにぶつけている。そのせいで身体中がボロボロになっている。
「(早くウルフの暴走を何とかしたいのに!ハカイダーの幹部を相手にしながらウルフの暴走を止めるなんてとてもじゃないけど無理だ!でも、それでも…諦めるわけにはいかない!!)」
「オラオラ!!どうした!こんなんじゃねぇだろ!!」
「退いてくれ!早くウルフの暴走を止めないと!」
「なら力づくで退かしてみろよ!」
攻撃の手を緩めないヒートの猛攻を獅子王はサーベルでなんとか受け流す。ヒートの攻撃を受け止めるのに必死で獅子王はウルフに一向に近づけない。それをもどかしく思いつつも攻撃を防ぐ手を緩めれば致命傷を食らうと考え獅子王は防御に徹するしかなかった。
「ホークアロー!!」
「!!」
どこからかヒートをめがけてとんできた矢。とんできた矢と聞こえてきた声に獅子王は思わず顔を向ける。そこには弓を構えたホークイエローこと鷹禽。その瞬間崖の上からふたつの人影がヒート目掛け襲いかかった。
「エレファントハンマー!!」
「ベアクロー!!」
「山門!一華!」
象山と熊沢が崖の上から飛び降りヒートに攻撃を仕掛けた。驚きつつもヒートはその攻撃を大剣で受け止めた。その瞬間ヒートの足元から鮫原がアニマルパワーを使い飛び出した。予想外の攻撃にヒートは防ぐことができず鮫原のダガーをモロに食らった。
「グハッ!!」
「獅子王。ヒートは私たちに任せろ。獅子王はウルフの暴走を止めてやってくれ」
「みんな…!分かった!ありがとう!」
獅子王はヒートの相手を4人に任せ自分はウルフのもとへ駆け出した。ウルフのもとへ走り出す獅子王を行かせないと攻撃を繰り出そうとしたが、攻撃を4人に防がれてしまいヒートは獅子王をウルフのもとへ行かせてしまった。
「ウルフ!!僕の声を聞いてくれ!!」
「グルルルル………!!!!ガウッ!!」
「っ!!」
獅子王のことを拒絶するようにウルフの爪が獅子王に襲いかかってきた。突然の攻撃にウルフの爪を全身で受け止めてしまった。攻撃の勢いで獅子王の身体が大きく後ろに持っていかれた。それでも獅子王は諦めずウルフへ向って行く。ウルフの攻撃に加え、ヒートとの戦いで獅子王の身体はボロボロだ。身体にうまく力が入らず身体を小さくしながらウルフへ向かう。
「ウルフ…。大丈夫だよ…」
「……………………ウゥ」
「ウルフ…もしかして君は苦しんでるのか?」
「ウゥ…………」
「やっぱりそうだったんだ。君は暴走してたんじゃなかったんだ。苦しくて悲しくて、どうすればいいか分からなくて暴れてたんだ」
ウルフの感情を読むとった獅子王はウルフが暴走ではなく苦しんでいたと感じ取った。ウルフは今、身を低くして威嚇し、獅子王を近づかせないようとしている。それは獅子王を警戒してるのでなく、自分のせいで獅子王を傷つけさせなように距離をとろうとしているのだ。
「大丈夫。僕が君を苦しみから救ってみせる。だからお願いだウルフ」
「……ワフ」
「ありがとうウルフ」
獅子王のウルフを救いたいという純粋な気持ちにウルフは気づいたようだ。ウルフは獅子王を信頼し、自身に近づくことを許可した。獅子王はウルフの身体に近づき、ウルフが苦しんでいる原因を探す。そして獅子王はウルフの背中に禍々しい楔が刺さっているのを見つけた。
「これだ。これのせいでウルフは苦しんでたんだ」
獅子王が楔を抜こうと楔に触れると楔から禍々しいエネルギーが獅子王に流れ込んできた。
「ぐああああああああぁぁぁぁ!!!!!」
あまりのショックに叫び声をあげる。叫び声がやまびことなって山中に響き渡る。それでも獅子王は朦朧とする意識の中楔を抜こうとする。楔を動かしたことでウルフにも痛みが走る。ウルフは痛みでもがき再び暴れ始める。獅子王は振り落とさないように必死に楔を掴む。
「ああぁぁ…!!はぁはぁ…!だ、大丈夫だよウルフ…。僕が絶対に…絶対に助けてあげるから!!」
獅子王は最後の力を振り絞り楔を一気に引き抜く。その瞬間ウルフの遠吠えが響き渡る。引き抜いた瞬間楔はボロボロと崩れ去ってしまった。
「ワオォーーーーーン!!!!」
「やった…!ウルフ!」
「チッ!ウルフの暴走が収まっちまった」
「よっしゃあ!!やったぜ!」
「やりやがったな獅子王」
「信じてたよ俊野くん~!!」
「やったぁああ!!!俊野くん最高!!」




