その16
前回の更新日を見て、青くなりました(汗)
推敲もしてなく、タタタと書いたものなので
後で修正はいるかもです。
おでこに温かいものを感じ、意識が浮き上がる。
真琴さんが心配そうな顔しながら覗き込んでいた。
「真琴さん…?」
「真澄ちゃんどう?頭は痛くない?」
「はい」
どれくらい眠ったんだろう。
身体のあちこちは痛みを訴えているけれど頭はスッキリしている。
…あれ?真琴さんの目が赤い?
どうしたんだろう、聞いてもいいのかな…
「真琴さん…あの…」
聞こうと口をひらいた瞬間、来客を伝えるチャイムが鳴る。
「あ、ごめんなさい ちょっと待ってて」
そう言うと真琴さんは部屋を出ていった。
寝室の閉じられたカーテンからは明かりが見えない。
と、言うことはまだ夜なんだろうか。
ベッドの中から身体を起こす。
なんだが思考がまとまらなくて、ボーッとしてると
真琴さんがひょいっと顔をのぞかせた。
「真澄ちゃん、起きてる。ダメじゃない寝ていないと」
「大丈夫です、頭も痛くないし」
そう告げると「困った子ね…」と苦笑された。
「本来ならここには入ってほしくないんですが…特別です」
ん?誰に話してるんだろう?
真琴さんがスッと身体をずらすと仁さんが心配そうな顔をして立っていた。
「真澄ちゃん…」
そう小さな声でつぶやくとそっと抱きしめられる。
え?ちょっと待って、真琴さんが!と思い、
肩越しに覗くと真琴さんの姿はなかった。
…気を使わせちゃった。
「気分はどう?」
おでことおでこを合わせて仁さんが問いかけてくる。
「大丈夫です。身体のあちこちは痛いけど頭はスッキリしてます」
「よかった…」
「仁さん、どうしてここに?」
「真澄ちゃんが心配だったからだよ。
今夜は駿河さんの家に泊めてもらえるのは聞いていたしね」
「真琴さんにはいっぱい迷惑かけちゃいました。
病院でも、そしお家でも…」
「今は気にしなくてもいいんじゃないかな。
それよりも早く元気になるほうが駿河さんも安心すると思うよ」
「それはそうかもですけど…」
「頭を打ってるんだから。
明日再診してもらうまでは大人しくしておくんだ、いいね?」
「…はい」
ベッドに横になるように言われ、素直に言葉に従う。
肩口までしっかりとお布団をかけられ、
ポンポンと軽く宥めるようにリズムよくお布団をたたく仁さん。
ほわほわして、なんだか安心する。
「眠ってもいいよ、むしろ寝て」
「?」
「本当は朝までいたいけれどまだ仕事があるんだ。
駿河さんにはなにかあったら
すぐ連絡をもらえるように伝えてあるから」
「お仕事抜けてきて大丈夫なんです…か?」
「27時入りだから」
27時…今何時だろ?
単純計算して27時は午前3時。
という事は少なくともまだ3時にはなってないのか…
仁さんの業界は日付が変わっても仕事が終わらないと
25時26時とそういう風になっていくって前に聞いたことがある。
大変なお仕事。
ポンポンとリズムよく叩かれる音。
側にいてくれる仁さん。
暖かいお布団。
すべてがとても気持ちよくて、湧き上がってくる睡魔にまた身を委ねた。
*
真澄ちゃんの静かな寝息が聞こえてくる。
もう少しその寝顔を見ていたい。
その欲求を振り払い、寝室を後にする。
後ろ手にドアを締めると真琴さんが壁に身体を預けて立っていた。
「槇原さん、なにかわかりました?」
寝室の真澄ちゃんには聞こえないくらいの声。
でもその声音には明らかに怒りを感じる。
「ええ、少しだけですが」
「お時間はまだ大丈夫ですよね。
とりあえずお茶を入れてあります。
そこでお話しを聞かせていただけますか?」
口調は問いかけを型どってはいるが拒否権はなさそうだ。
指定された場所に座り、入れてくれた紅茶を飲む。
はちみつでも入っているのだろうか?
すこしだけ感じる甘みに身体の緊張が少しほぐれたような気がした。
「…コンビニの防犯カメラに映っていたのは
やはり僕のファンの子でした」
「その方のお名前等わかるんですか」
「ええ、熱狂的なファンレターを送ってくれていた子で。
手紙の中に住所も、携帯番号も書いてあったので
警察の方にお渡ししてます」
「私が心配してるのはその子一人で今回の行動にでたのか?ということです」
「え?…」
駿河さんの言葉に一瞬戸惑う。
「ああいう思い込みの強そうなタイプの子は群れます。
第二、第三の彼女が出てきた場合、槇原さん
貴方は真澄ちゃんを守れますか?」
頭を鈍器で殴られたような気がした。
確かにあの子のいたグループは複数人が集まっていたように思う。
その子達すべての悪意が真澄ちゃんに向かったら?
知らず身体が震える。
自分一人なら、自分だけに向かった悪意ならどうにでもできる。
だが真澄ちゃんはどうだ?
今回は駿河さんが一緒に居てくれたから事なきを得た。
もし真澄ちゃんが一人のときに、もし同じようなことが起こったら?
落ち着け、落ち着くんだ。
今は気が動転してる。
それは久音さんにも言われた事だ。
だが、それでは彼女を守れない。
考えろ、考えろ、考えろ俺。
いつの間にか冷めた紅茶と駿河さんの瞳が俺を見つめてた。




