5 「緊急事態条項」と「スパイ防止法」の親和性
筆者:
ここでは憲法が改正された場合に創設されることが濃厚な「緊急事態条項」と今回の話題の中心である「スパイ防止法」や国家情報局との親和性、そして注目の28年参議院選挙について語っていこうと思います。
質問者:
筆者:
その見方は素晴らしいですね。
まず、緊急事態条項というのを簡単におさらいしていきますと、政府の権限を今よりもさらに強め、閣議決定で国民の権利を制限できるような法案を「緊急性がある」という事で審議無く簡単に成立させることが出来ます。
その上で、自民党案では「緊急性がある」ことが認められれば衆議院の任期をほぼ無限に延長させることが出来るようにもなっています。
質問者:
当然ですが、無理やり発動させてしまえば反対意見が出ると思うんですけど、
これまでの復習をすると、「外国からのナラティブ」という事にして国家情報局がスパイ防止法を振りかざして取り締まるという事ですか……。
筆者:
まさにその通りです。感染症に関しては内閣危機管理統括庁なども活躍するでしょうけどね。
「緊急事態」の定義も不明瞭な上に、緊急事態条項を暴発させた場合の罰則規定についてもありません。
裁判所も憲法裁判所が無いために憲法違反かどうかの審査されるかも怪しいのです。
諸外国ではブレーキの自制をもたらす作用はありますが、自民党案では全く存在しません。
そのために「諸外国にあるから日本にも緊急事態条項を!」といった主張は、本質的にモノが異なるので議論として嚙み合っていないと言えます。
どちらかというとナチスの独裁を許した授権法に近い存在と言っても過言では無いでしょう。
日本政府からしたら、緊急事態条項が出来てしまえば「やり得」とも言える状況であり、「ノーリスクハイリターン」なのです。リスクは全て国民に押し付けるという悪夢という表現すら生ぬるい事態が巻き起こることでしょう。
質問者:
医療の専門家の方はキチンと評価してくれないんでしょうかね……?
筆者:
そもそもの話として自民党は日本医師会から政治献金を受けており、各政治家も各地方の医師会から政治献金を受けています。
医師会関連を合算すればどんな企業よりも政治献金を自民党にしていると言っても良いでしょうね。
医師会は当然ながら医師の利権拡大のために暗躍するわけですから、「偉くて有名なお医者様」ほど医者を儲けさせるための活動をしてしまう可能性が高いという事です。
そしてそう言った偉い方ほど「専門家会議」に招聘され政府の意思決定に大きく関わっているんです。
質問者:
なるほど……。全く客観的では無く歯止めが利かないわけですか……。
筆者:
仮にその専門家の方々の貢献によって国民の心身の健康が増進しているのであれば良いですけど、
実際に彼らがやっていたことは「病床の確保」を名目とした病院への補助金漬けでした。
民間の病院というのは6~7割が赤字なのが通例なのですが、コロナ期間中は9割以上が黒字でした。
いかにその期間が「黄金時代」だったのかを示す証左だと思います。
質問者:
その差は凄すぎますね……。やっぱり、自分たちの利権のために活動をしている人たちなんですね……。
筆者:
しかも、コロナの2年目の2021年と翌2022年はワクチン接種が始まったのに平均寿命が下がりました。しかし、コロナ死による要因が3分の1ほどしか無かったために、 https://www.asahi.com/articles/ASR7X5CQRR7XUTFL00C.html
残り3分の2ほどの平均寿命の低下は「コロナウイルス以外」が押し下げたに他なりません。
その後の24年以降の平均寿命は戻っていますので「コロナ対策の何か」が間違っていたのでしょう。
緊急事態宣言かもしれませんし、ワクチンかもしれませんし、過剰な消毒かもしれませんし、マスクかもしれませんが何か分かっていません。
コロナ対策の失敗が何だったのか? について原因究明がされないまま今に至っているんです。
質問者:
新たな感染症が起きてしまえばまた同じような過ちを繰り返してしまう可能性が高いという事ですか……。
筆者:
現状はその可能性は非常に高いでしょうね。
新型コロナのことについて当時の尾身会長が振り返っている際に「あの時は仕方なかったから」みたいな感じで済ませようとしているのは本当に警戒しなくてはいけないことです。
憲法改正に伴う緊急事態条項が発動してしまえば新型コロナの時以上に国民は我慢を強いられ我慢した上で成果も出ず(平均寿命は下がり)、医療利権だけが肥え太るという悪夢のような事態になってしまうんです。
ちなみに、2024年の地方自治法改正施行で緊急事態においては地方公共団体は国からの指示に対して拒否できなくなっています。
つまり、日本中どこにいても逃れることが出来なくなっているんです(ただ、地域ごとに違う政策の指示を出すことはあり得ると思います)。
現時点であれば拘束力が薄い「お願い」程度の緊急事態宣言でとどまりますが、似た名前ではありますが緊急事態条項においては強制力が高くその「質」が全く異なるのです。
質問者:
そんな状況になっているんですね……。
ただ、憲法改正というのは避けられないような雰囲気がありますよね……。
筆者:
まず憲法改正の発議についてですが、これについては理論上今現在でも可能になっています。
ただ、改憲派の中で参政党は緊急事態条項に反対、公明党(中道)は憲法9条について「加憲」という考え方のために一枚岩ではありません。
ですので、自民党案に完全に賛成しそうな自民党、日本維新の会、国民民主党ではまだ足りないという情勢なんですね。
ただ、「9条改正」と「過半数で発議が可能」というワンステップを入れてからの2ステップ目で憲法改正をしようものなら十分可能性はあるんじゃないかと思っています。
しかし、本命としては2年後の参議院選挙後になりそうだという事です。
質問者:
やはり、参議院選挙が注目という事なんですね。
今回の予算の一件のように「強行採決」に近い形がとられてしまう可能性もありますから参議院は自民党と維新の会で過半数割れぐらいを維持したいところですよね……。
筆者:
法律の「3分の2で再可決」というのはここぞという瞬間でしか使わないと「独裁的だ」という印象を与えて支持率が下がりかねないですからね。基本的には野党との話し合いという過程を踏むことになるでしょうから、参議院の過半数割れというのは必須でしょうね。
ただ、高市総理というのはこれまでの「政府ナラティブ」というのを上手い形で活用されている方なのかなと思います。そのために次回の改選は自民党は63議席と比較的多い方ですが、それを大きく増やす可能性はあると思っています。
そのために選挙直前のイメージ戦略に惑わされない事が大事なのかなと思いますね。
質問者:
今回の衆議院選挙ではどうしてあそこまで勝ってしまったんでしょうか?
筆者:
今回の衆議院選挙に関しては「高市か中道改革連合か」の2択に事実上されてしまったこともあり、
「中道が嫌だ」という層が雪崩を打って自民党に投票したという要素がありました。
実際のところ比例代表の得票数による議席は81議席と自民党だけでは過半数に達しない議席となっています。
「支持されたから圧勝した」というより、「選挙制度を理由として相対的に小選挙区で勝ちを積み重ねた」という事に過ぎないんです。
この状況下で比例代表のみを減らそうという議員定数削減は問題外と言えるでしょうね。
では最後にこの強大で強固な「政府ナラティブ」に対して国民はどう対抗すればいいのかについて述べて今回の連載を終わりにしたいと思います。




