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一冊のノートの過去
飛鳥の診察終了後、高岡医師は愛弟子 典紀の病室へ
担当医なのか、それとも師匠としてかはわからない
「高岡先生…。」
調子はいいみたいだね。帝都医大の外科チームは優秀だ。
先生、僕は僕が死んで悲しむ人はいないと思っていました。
ここにいるじゃないか。君が死んで悲しむ人間が。
教授自らのことである
彼は教授に一冊のノートを手渡した
そこには彼がひた隠しにしてきた過去が書き綴られている
「片平先生…。よく死なずに頑張った。」
自殺も考えたに違いない。彼と言う繊細すぎる人間は
知らず知らずのうちに教授の目にも涙がこぼれている




