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  作者: reno
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第1話

俺には2歳上の兄がいる。


居ると言っても最近はずっと話してない。


昔はよく公園でキャッチボールしたり、サッカーを

したり。いっぱい遊んだ。


でも、兄が高校生になった途端性格が変わった。


今までは快活で友達がいっぱい居て、家に友達を呼んで遊んでる兄の姿はなく。


学校から帰ってくるなり、部屋に引きこもりゲーム。


たまに話しかけても、ぶっきらぼうに答えるだけ。


会話も一言。「うん」「そうだな」という簡単な言葉

ばかり


昔は好きだった兄も今は嫌いというか苦手と感じることが多い。


家族は至って普通なのか。分からないが


兄と父。そして弟の俺。3人暮らし


母は俺が産まれてすぐに病気になってしまい、他界した。


家は田舎だから、男3人暮らしということは近所中に知れ渡ってる。


だからか、時々近所の人からお菓子を貰ったり、夕飯のあまりとしてご飯を貰ったりする。


「ただいまー」


兄貴が帰ってきた。


本来ならおかえりとか返すのかもしれないがここ2年おかえりなど言ったことない。


兄貴だって俺とは話さない。


いつも通り部屋に籠ってゲームでもするのだろう


父は仕事漬けの毎日でほとんど家には帰ってこない


夕食はいつも近所から貰ったおすそ分けを各々の時間で食べる。


兄貴とは食べない。多分兄貴は深夜に食べてるの

だろう


今日は隣の人からもらった肉じゃがを食べる


肉じゃがを食べたあとは少しテレビを見て寝る。


最近はよく悪夢を見る。


でも、内容はよく覚えてない。うっすらと記憶にあるのは暗黒の地平線がない。誰もいない世界。


眠ったはずなのに。目を開けると外は明るくなっている。


今日使う教科書をカバンに入れて、軽く髪をセット

して、学校に行く。


玄関に行く前に母がいる仏壇に手を合わせて

「行ってきます」と声をかける。


外に出ていつもの道を歩いて学校に向かう


住宅地を抜けて、昔からある喫茶店の横を通って、いかにも老舗って感じの和菓子屋さん。


あの和菓子屋さんの豆大福は絶品だ。

小さい頃よくお父さんが仕事帰りのお土産で買ってきてくれた。


和菓子屋さんを通り過ぎると学校が見えてくる


家からは意外と近い。


だいたい15分くらいだろうか。外の空気を吸いながらのんびり歩くのは好きだった。


学校に着いてからは一言も話すことなく


席にポツンと座る。


朝のホームルームの時間が迫ってくるうちに教室はどんどん騒がしくなる。


韓国アイドルの話。芸能人の話。ドラマの話。

アニメの話。はたまた学校での噂話。


色んな話が飛び交ってきて、盗み聞きしてるつもりはないのに自然と耳の中に入ってくる。


俺は人と喋らない。いや、喋るのが大の苦手だ


人と面に向かうと緊張して頭が真っ白になる。


程なくして朝のホームルームが始まった。


先生が入ってきて、みんなで「おはようございます」

と挨拶をして。


朝の連絡事項を話す。2時限目の先生が休みで教科が変わるとか。昨日来た不審者の話だったりとか。


特に興味はないので窓から差し込む太陽の光を

見ていた。


5分程で朝のホームルームが終わり、先生が教室から出ていくと、また騒がしくなる。


俺はその間人と話すことも無く、窓から景色を眺めていた。


1時限目が終わり、2時限目、3時限目。


あっという間に終わる。


成績とかを気にする人は真剣に授業を聞いて、綺麗にノートを書いて、教科書を蛍光ペンで鮮やかにして

テストに備えるのだろう。


けど、俺は成績なんて興味なかった。


授業もいつも聞き流してる。テストは適当。

ノートを書くのも適当。


それでも、学年最下位とかにならず、中の下という感じだ。


みんなは学校が楽しいと思う人もいるかもしれない。

友達がいて、人と話すのが楽しくて。


でも、学校が嫌いな人もいる。


そう、俺のように。


人と話すこともない。ただ景色を眺めてぼーっとしてるだけなのに楽しいことなんて何も無い。


唯一話す機会があるとすれば、グループ活動。


グループで活動する時はみんな各々友達と組んだりするだろう。


けど、俺には友達がいない。


いつもひとりだけ残って、先生に誰か入れてやれって言われて仕方なく入れてもらうって感じだった。


グループでも特に話すことはなく。話を振られたら少しだけ話す。


話すと言っても「そうだね」とか「いいんじゃんない?」とか反応するだけ。


何かを提案することは無い。


こんな情けで入れてもらったのに提案とかして採用でもされたりしたら、申し訳ない。


せっかく仲の良い友達と同じグループなのに一人の

よそ者に邪魔されてはいけないと思ってる。


その後もコンビニで買ったおにぎりを食べて、残り

2時限の授業に備える。


2時限もあっという間に終わって、学校から出て家に向かう。


きっと帰宅部よりも家に帰るのは早いだろう。


今日は朝いつも通る和菓子屋さんで豆大福を買おうと朝から思っていた。


朝登校する時に見てから、絶対に買おうと心に決めていた。


楽しみにしていた豆大福を2個買う。


家に着いたら、ひとつは自分用。もうひとつは

兄貴用。


袋に入れてドアノブに下げる。


別に兄が好きだからという訳では無い。


たまたま2個買えるお金があったから買っただけ。

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