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第一話 「始まり」

 



 高校二年生の夏だった。最近席替えがあって、僕の隣の席には三島さんが来た。


 三島さんというのは、かなり美人だった。僕は前から、彼女とおしゃべりがしたい気持ちでいっぱいだった。



 物理的に距離が近いと、他愛も無い話で盛り上がれて良かった。特に昼休みにしゃべった。



 テストが近いと、勉強も教えてくれた。それに趣味の話でも盛り上がれることもあった。


 僕の趣味は昆虫観察である。



 だから女子には、もしかしたら気持ち悪がられるかもしれないと思って、趣味が昆虫観察であることは隠していた。



 しかし、ある時、三島さんは昆虫をあまり苦手としていないことを聞いた。


 それどころか、小さいときには、男の子と一緒に、公園の土を掘り起こしてミミズを発見した、という思い出も語ってくれた。



 これはわりと共通の趣味になりそうだ、と思って僕は嬉しく感じた。



 そして最近は、だんだんとLINEをする頻度も高くなって来ていた。



 僕は以前よりずっと、彼女に話しかけるハードルが低くなっていたのだ。



 これは最近、気がついたのだが、三島さんとの仲が深まるうち、僕は彼女に対する恋愛感情はほとんど薄れて、代わりに男女の友情のようなものが芽生えた。



 僕は三島さんを友達として見ているし、三島さんもきっと同じように僕を友達として見ているだろう。



 僕と彼女は、最寄り駅が同じだったので、よく帰り道、一緒に帰った。


 そんなある日、僕は彼女から思わぬ一言をかけられたのだった。

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