第73話 フェアリー第30階層 土の管理者とストーンゴーレムその1
『世界樹』外周沿いに上がってきた、途中、LVアップの音 29になったようだ。このまま登っていくと階段から天井の高いトンネルになり更に道が続く。
「30階層に入りました。ここは、土の管理者の領域です。ゴーレムに注意して下さい。」
試験官の声で呼びさまされたのか、ゴーレムが土から出てくる。道なりに10体程が見える。
お姉ちゃんは、槍を構え突き刺すもゴーレムに効いた様子がない。勇気の矢もただ突き刺さるだけで効果が見えない。
「ゴーレムは、土で出来ています。突いても効果はありません。」
次にお姉ちゃんは、両手剣で切り裂くが、直ぐに修復され傷口も残っていない。勇気も矢に火の属性を持たせるが思ったほど効果がない。
「勇気、こん棒あるか?」勇気は、首を横に振る。
「代わりに何か有るかも。」ポケットから取り出したのは、矢の原料の木材。
「どう?」
「やってみる。」振り下ろされた木材は、肩から腹に食い込む。砂が溝に入り込むように傷を修復する。
「チッ」腹から引き抜くと、後ろに下がる。
「どうすれば?」
「切り離さないと、修復されてしまいます。」
再度、一歩深く踏み込む。木材で叩きつける、肩から腰まで分断する。ゴーレムが崩れる。しかし、かなりの力が必要なのか、顔が引きつっている。再度、叩きつける力はないようだ。木材を返すと、ポケットから片刃の長剣を取り出す。先ほどの両刃剣の刃は、土や石でボロボロになった。今度は、背を使う。両刃と違い重量が無いが、勢いで切り裂く事が出来る。
勇気が役に立たないので、一人で湧き出したゴーレムを土に戻す。門のある広場に来た頃には、肩で息をしていた。
「あれが、30階層の門です。近づけば、門番『ストーンゴーレム』が湧き出します。」笑顔で話す試験官。ゴーレムを倒す迄が、管理者のテストだった。これからは、上階へ上がるテストが始まる。




