2話「ベタな悲鳴と人助け」
一応設定とかプロットとかメモはとってるんだけど
どうしていいのやら……
ヒロイン初登場回ってやつですね今回は
環 碧大は困っていた。
突然視界が暗転したと思ったら気を失い、
気付いた時には見知らぬ森にいたのだ。
「いやまぁ見知った森でも困るけどよ……
もっとこう人里とは言わないにしても
その近くとか……」
碧大本人は気づいてないが、
この森割と近くに人里はあった。
しかし人生で山歩きなどしたことがない
現代っ子である碧大にとっては、
方角はおろか舗装されていない歪な地面に
体力を奪われるばかりであった。
かれこれ一時間か歩いた頃である
「キャーーーーーーー!!!」
女性の悲鳴である。
これが不気味な洋館で聞こえたのであればそれなりに
ミステリーの匂いがするのだが、
ここは洋館でもなければ、
碧大が名探偵の孫だったり、
怪しい組織の薬で縮んだ子供でもないワケで
「異世界に飛ばされた森で女性の悲鳴……
またベタな……
出るのはオークか?ゴブリンか?」
ある意味で名推理と言ったところか、
声のする方向に向かって走った碧大が見たものは、
4体のゴブリンに襲われている
若い修道女のような恰好をした美しい女性だった。
碧大はあくまで冷静にウィンドウを開く。
「行動でも経験値は入るって言ってたよな……
なんかあればいいけど!」
一時間近くの山歩きのおかげか
最初のお試しなのか500と経験値の欄には表示されていた。
「ここでレベル上げても仕方ねぇし……
何か使えるスキルは……と」
レベルアップに必要な経験値は200と表示されているが、
一般的な身体能力である碧大が、
1レベルアップ程度の筋力上昇や俊敏
その他ステータス上昇があっても、この窮地は乗り切れない
「やっぱ魔法だよなッ!」
初級魔法のスキル200ポイントを消費する
ついでに詠唱短縮200ポイントと魔力上昇100ポイントを消費
初級魔法はお馴染みファイヤボールやアローなど
単体弱攻撃魔法のようだ。
詠唱短縮は初級魔法を取った際に、
頭に流れてきた詠唱を短くするもので
流れ込んできたものを更に短いものへと書き換えたらしい。
魔力上昇は、地球出身の碧大が
どれほどの魔法を扱えるのか不安だったのもあり
筋力や体力、俊敏と並ぶ
ステータス上昇系のモノ(全て100ポイント)を選んだようだ。
「間に合うか?!いや……間に合わせるッ!!」
碧大は走り出し、少女に襲い掛かるゴブリンの一体へと
手のひらを向ける。
頭に流れ込んでくる魔法発動のプロセスを迷いなく体でなぞる。
むにゃむにゃと初級魔法を取得した直後よりも短い詠唱を済ませ、
体を巡る血液とは違う感覚
初めての感覚に襲われ、
ゴブリンに向けた腕がブレる
それを無理やり抑えて魔法名を唱えた。
「ファイヤーボール!!」
手のひら、というよりも手のひらの少し先にある中空に出現した
人の頭ほどの大きさがある火の玉がゴブリンめがけて飛んでいく。
成人の大人が全力で投げたドッチボールくらいの速さで飛んだソレは
ゴブリンの頭に当たり
バシュッ
という音を立ててゴブリンの首から上を飛ばした。
仲間の一体が倒れて動揺したのか他のゴブリン達がうろたえ
少女を追う足が乱れる。
初めての魔法を放ったせいか慣れない脱力感を堪え碧大が
再び走りだし少女の手を取る頃には、
仲間―ゴブリンに仲間意識があるのか定かではないが―
を仕留めた碧大を敵として認識したのか、
はたまた先の魔法に脅威を感じたのか
碧大目がけてゴブリン達も走りだした。
「走れるかっ?!」
碧大が少女に尋ねる。
「えっ、は……はい!」
自分の目の前で起きた戦闘行動に
呆けていた少女も碧大より自分に
向けられた声に反応して逃げる
体勢を取った。
ゴブリンと二人の距離は15メートルほどで、
間にある木々さえ無ければすぐに
追いつかれてしまう距離だった。
一つの危機を乗り越えたせいか
少女の目からは恐怖の色が消え
逃げれるのではないかという希望の光が宿る。
「こっちです!」
碧大に取られた手を握り返し今度は
少女が碧大を引く形になる
ゴブリンとの距離は未だ変わらないが、
すぐそこには町が見え始めていた。
森を抜け草原へと駈け出した二人を見つけたのか、
町の門に居た兵士が武器を携えてこちらに
走ってくるのが見えた。
「た……助かった……」
安心してしまった少女が力を抜き走る
速度を緩めた。
しかしそれがいけなかった。
後ろから走る碧大は急に速度を緩めた
少女にぶつかり二人とも倒れた。
少女とは違い、初めての魔物に緊張していた碧大は
その糸を緩めることはなく、
転びながらもゴブリンを見据えようと体を捻る
先ほどの脱力感からは既に
解放されていたが、ファイヤーボールを
初めて打った時の感覚を思い出すに
打てるのはあと一発。
追ってくるゴブリンが一体ならば迷わず
その選択をしたであろうが、
碧大達を追う緑色の化け物は3体いる。
「ここで死んだら終わりだろうがッ!!」
危機的な状況にも関わらず、なんと
メタな発言だろうか。
碧大は先ほどと同じように、
むにゃむにゃと詠唱を済ませる
ゴブリンはもう目の前に居り、
これまたベタに棍棒を振り上げて
いるところであった。
「ファイアーボォォォル!!」
そう叫んだ碧大の手のひらは先ほどのように
ゴブリンの頭ではなく
地面、正確にはゴブリンの足を向いていた。
碧大から発せられた紅球はゴブリンの
足を折りながら炸裂した。
足を失ったゴブリンは、重力にあらがう
術なく地面へと吸い込まれるように倒れた。
そう頭を失い崩れた最初のゴブリンとは違い
足を失ったゴブリンは、ファイアーボールの
反動に押され、背後の2体を巻き込むように
倒れたのだ。
「無事かッ!」
やっと駆けつけた兵士に問いかけられる。
同時に走って来た別の兵士は
巻き込まれただけで、なんのダメージも
負っていない。
今まさに起き上がろうとしている
2体のゴブリンを仕留めていた。
「今度こそ……助かったァ……」
安堵したせいか本日2回目となる
魔法の行使によってか、そう言いながら
碧大の視界は黒く染まって行った。
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「ん……ンっ……
ここは?
知らない天井だ……」
一度は言ってみたいあのセリフを吐く分、
余裕があるのかもしれない。
自分の口から発せられた某人造人間アニメの
名セリフに酔った碧大は、起き上がり周囲を見回す。
自分を乗せていたそれなりに
柔らかいベットの他には、簡素な箪笥と
机しかないシンプルな部屋だ。
壁は土のような石のような……
建築知識のない碧大にはわからない材質で
出来ている。
とても異世界っぽい。
「うむ……」
なんだかよくわからない感動に
碧大が納得していると、
コンコン
ノックの音が聞こえた。
「テンプレ通りならば
さしずめ先程助けた少女だろう……
あの子はどこの誰かなぁ
むふ」
気味の悪い笑みを浮かべながら、
ドアが開くのを待つ。
碧大は失恋が原因で大学を辞めるほどに
恋愛に対して臆病になっていたが、
別に男色家として性癖を変えたわけではない。
見るのは未だに好きなのだ。
とは言っても先の少女がどこの誰であろうと
異世界から来た碧大には理解できない
土地の者だということは、すっかり失念している。
「おっ、もう目覚めたのか
災難だったな」
「ホントに……だ……誰?」
ドアを開けて入って来たのは物々しい
武装をしたオッサンだった。
冷静に期待などせず見れば、碧大が
気を失う前に駆け寄って来た兵士だということに
気付くのだが、テンプレを嫌いながら
誰よりもテンプレの存在を信じている
そんな矛盾した碧大の頭では到底無理な話であった。
「俺はこの町の門兵をしているリチャードという者だ
お前が倒れる前に一緒に逃げて来た方が知らない奴だと言うし
ギルドカードも他に身分を示す物も持っていない。
怪しいとは思ったが状況が状況だし、
捨て置く訳にもいかなかったからな
お前何者だ?」
リチャードと名乗った兵士の言い分は
至極真っ当で、異世界テンプレとか言って
脳内に花を咲かせていた碧大は恥ずかしくなった。
「お……俺はタマキ アオト
アオトが名前だ
訳あって旅をしているが途中で荷物を
盗まれてしまってな」
今まで読んできた小説のどれだかは忘れたが
ありがちな方便をなぞる
「そうか…そいつァ災難だったな
目が覚めた今なら識別球も使えるだろ!
立てるか?」
リチャードが手を差し伸べる。
「しきべつきゅう??」
突然知らない単語を投げかけられた。
「お前……識別球を知らんのか?」
「あっ……いや
気絶して打ちどころでも悪かったのかな
少し混乱してたみたいだ!」
これもまたどこかの小説で見たセリフだろうか
準備していたかのようにスラスラと出てくる。
「そ……そうか
まぁ一応説明するとだな
魂に記憶された犯罪の記録なんかを読み取ったりする物だな
お前が持っていなかったギルドカードや身分を証明するものを
紛失してしまったりした際に用いられるワケだな
今回調べた記録データをギルドに提出すれば
ギルドカードの発行も可能だ。
と言っても兵士である俺には、
仕組みとかは分からんのだがな」
そう言ってリチャードがファイアーボールと
変わらぬ大きさの水色をした球体を取り出した。
「これが識別球だ。」
「あ……あぁ!これね!思い出した思い出した!
よく世話になったよ!」
白々しい。そもそも、よく世話になるような
物ではない。
リチャードもそう思ったのか訝しげな
表情を向けている。
「……まぁいい
ほら手を出せ!」
「こ……こうか?」
アオトは言われた通りに手を差し出す。
ひんやりとした水晶玉のような感触が手に触れ
魔法を使った時に似たような感覚が指先にめぐる
「あぁ……っと
犯罪歴……は無いみたいだな
よしこの町への通行を許可しよう!
さっきの少女がお礼を言いたいと言って
門のところで待っているぞ
準備が出来たら行ってやるといい
おっと忘れてた
これが識別球の記録だ。ギルドで提出するといい」
そう最後に言い残しリチャードが部屋を出て行った。
リチャードから渡された識別球の記録は、
駄菓子屋で売られている、きな粉のあれによく
似ている円柱状をしたプラスチックのような物だった。
「準備つっても何もねぇしなぁ……」
そう呟きながら、この世界に来て初めて
ウィンドウを落ち着いて開いていた。
名前とレベル1という表示
年齢、ステータスが書かれた画面。
経験値の欄には1500と表示されていた。
恐らくゴブリン2体500づつと、
実際には仕留めていない残り2体250づつが
加算された数字だろう。
備考の所に、
初級魔法lv1、詠唱短縮lv1、魔力上昇lv1と
表示されていた。
「うーん、まぁとりあえず人待たせてるし
考察はあとにして行くか!」
うんっと軽く息を吐きながら伸びをして
ベッドから降りる。
体をペタペタと触り特に怪我などがないことを
確認した碧大は、部屋を後にした。
前書きにも書きましたがプロットや設定やら書き留めたものの
管理が出来なくなってきました。。
他の方はどうしているんだろう……
後学のためココの表現変だぜ誤字だぜ
そんな感想
少数の応援
お待ちしております。
一応メンタルは弱いですがユーザー以外も評価できるようにしました。
ここから先は書き溜めが無いので
こんな展開欲しいなんて要望もあればぜひ




