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海松




「俺をどうする気だ!?」


 人質を取って優位に立とうとしたまではいいが、人質に選んだ年老いた夫婦にあれよあれよという間にどこぞへと連れ去られていた悪の手先は、あれよあれよという間に抵抗できなくさせた年老いた夫婦を睨みつけては吠えた。


 虚勢だと、悪の手先は自分でよく分かっていた。

 本能がひっきりなしに訴える。

 自分はこいつらには敵わないと。

 けれど、みそっかすほどしか残っていない悪の手先としての誇りが、この二人に立ち向かう事を選んだのだ。


「俺から情報を引き出そうとしたとて無駄だぞ!?」


 これは本当だ。

 悪の手先の下っ端の下っ端だから何の情報ももらえずに、ただ言われるままに出動しただけだ。


(くそっくそっ。これが初めての出動だったのに)


 やっつけられるにしても、現ナンバーワンヒーローがよかった。

 こんな一昔前どころか二昔も三昔も前に引退した元ナンバーワンヒーローではなくて。


(やっぱり、俺には悪の手先なんか無理だったのかな)


 むちゃくちゃに暴れ回りたい。

 どこかで溢した言葉を拾い上げて勧誘してくれた悪様の為にも。

 何より自分の為にも。


(くそっくそう!!)


 なんて残酷なんだ!!

 悪の手先をダメにするソファめ!!


「ふふふ。威勢がいいわね。悪の手先。それでこそここまで連れてきた甲斐があるものだわ」

「何をされても俺は屈しないからな!!」


 ほのぼのした雰囲気から一変させて、妙な迫力を発しながら近づいてくる老婦人を前にしても、悪の手先は心地良過ぎるソファの所為で、口しか動かす事ができなかったのであった。


「ふふふふふふふ」

「くそくそくそくそー!!!」










(2022.11.17)


  

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