表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/19

砥粉




 あっしは下っ端の悪の手先だが、下っ端でも下の下っ端ではなく中の下っ端くらいだと思う。

 相手の視覚を封じる能力有。

 相手を簀巻きにするのが得意。

 そして、簀巻きにして放置するのが好き。

 出動した三回すべてヒーローを簀巻きにして放置する事に成功してきたあっしは今。四回目となる出動で激しく動揺している。


 いつもは出動日時だけ伝えられて後は好きにしろと言われて来たけれど。

 今回はそれに加えて、人質の指定とナンバーワンヒーローが来たら即座にその人質を殺害しろとの指令があった。


 いやいやいやいやいや。

 あっしには無理です。

 思った。

 けれど、言わなかった。

 拒否したらどうなるか知っていたから。


(すまねえな小僧)


 虚勢を張る為に、また己を鼓舞する為に発するのは気色悪い笑い声。


(やるぞあっしはやるぞ)


 恐らく。否。確実にナンバーワンヒーローが来る。

 ナンバーワンヒーローが来たら、あっしは消される。

 そうだ。

 どっちにしろあっしは消される。

 けれど少しだけでも生き延びたくて口を噤んだ。


(最後にあっしは)


「あっしは」

「じゃあな」


 突如として空を飛んでいるような浮遊感に襲われたかと思えば、飛んでいるのではなく落ちていると認識した悪の手先。底知れぬ穴の中に落下する中で、鼓膜の中で響き続けたナンバーワンヒーローの声が今更ながらに届いて、うっそりと微笑んだのであった。


「なんて呆気ない」











(2022.11.24)


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ