*盟友?
「ご苦労様です!」
制服警官が杜斗に敬礼する。
理絵たちは駆けつけた警官たちに手錠をはめられパトカーに詰め込まれた。
「杜斗!」
「!」
別々に事情を聞かれていた時弥が心配そうに杜斗に駆け寄る。
「怪我は……」
「かすっただけだ」
ハンカチで縛られている腕を一瞥して応えた。
「俺を庇ってくれたんだよね……ごめん」
すまなそうにつぶやく時弥を見下ろし口を開く。
「別にお前のためじゃない」
「え?」
「たまたま動いた先で弾が当たっただけだ」
フン……と鼻を鳴らしてそっぽを向いた。
「……」
時弥はポカンとしたが、杜斗はそういう人間なのだと小さく笑った。
杜斗は病院で傷の手当てをしたあと、警察でさらに事情を詳しく訊かれ同じく聴取を受けていた時弥と町をあとにする。
その後、あの事件について聞いた処によると……理絵という女性は親の金で覚醒剤を買い、それによって利益を得ていたらしい。
昔と違い最近では暴力団関係に頼らなくても覚醒剤の取引が出来てしまう。ある意味、彼らは裏の社会の秩序を守ってきていた訳だ。
今ではそのタガが外れて黒い部分が表の社会にまで這い寄ってきている。とはいえ、それが彼らの存在を容認するものであるのかどうかは疑わしい処だが。
時弥がのぞき込んだワゴンには、取引に使用する紙幣の入ったジュラルミンケースが乗せられていたのだ。
理絵が人質を演じたのは時弥の力と他に仲間がいないか探るためだった。
あの時──時弥がワゴンをのぞき込まなければ覚醒剤の取引は闇に隠れたままだったかもしれない。
その時──杜斗が時弥を見つけていなければ、彼は無事に生きて帰る事は敵わなかったかもしれない。
偶然は必然なのか。はたまた2人の出会いはこの先の何かを予言しているのか……とにもかくにも事件は解決した。
警察署から出て駅に向かう道すがら、時弥は前を歩く杜斗に発する。
「一応、杜斗の言ってたこと、聞いてくれてたんだね」
「ん? ああ……」
杜斗が派出所に駆け込み怒鳴るようにしてまくし立てながら自衛隊員証明書を見せてバイクにまたがり走り去ったあと、警官2人は顔を見合わせ考えあぐねていたがとりあえず自衛隊員に言われたのだからとパトロールした。
そうしてパトロールしている時に銃声が鳴り響き慌てて応援要請を行ったのだそうな。
「遅すぎるんだよ」
杜斗は舌打ちした。
「まあ無事に解決したんだからいいじゃない」
時弥は呑気に言い放つ。
「これからよろしくね」
「なに?」
言われて杜斗は立ち止まり振り返った。
「だって同じ駐屯地だもの」
「……」
杜斗は応えずに顔を元に戻して再び駅に向かう足を進める。しかし心の中では複雑な心境だった。
こいつと同じ駐屯地……なんだか嫌な予感がしてならない。俺は無事に自衛隊員として生きていけるのだろうか?
駅のホームでかすれた雲の流れる空を杜斗は見上げた。
END
*うん、やはりアクション書くのは面白い(´・ω・`)
この2人も好きになった。
読んでくださったあなたが少しでも笑えたなら私は幸せです。





