↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自転車に乗った月英さん~女子高生、孔明の妻始めました~  作者: イチロウ
3章 今の自分ができる事

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
38/38

38話 訓練場の王子様

 ――城生活2日目。

 早朝に起きて、まずは顔を洗いに近くの水を貯めている場所に向かう。

 うんうん。やはり、こういうのは自分でやるべきだ。

 侍女さんには悪いが、誰かに洗ってもらうとか……と思っていたら、急に現れた侍女さんに捕獲。

 そのまま、捕まった宇宙人状態で連れ去られ、問答無用で身綺麗にされる。


 解放された後は、お養父様たちと食事。

 そして、当然のようにいる外道どS軍師。

 ……とりあえず、昨日のことを許していないのでそっぽ向く。


「孔明君。何をしたんだい?」

「夫婦の会話をしただけです♪」

「……ちょっと、夫婦のあり方を教えてあげるから、あとで来なさい」


 頭を抱えるお養父様。しかも、説教つきだ。

 いいぞ、お養父様! もっと言ってやってください!!


「青い……はるぅ……♡」


 ……お義母様は、もう少し現実を見てください。

 私と孔明様に、そういう甘酸っぱいのはないですから。


 食事を終え、まずは孔明様にもってこさせた道具を強奪。

 昨日、分けてもらっておいた竹で作った水筒を持ちつつ、さっさと工房に向かう。

 

 ふふっ、今日は作業が多いので、作法の訓練は夜にしてもらったのだ。

 しかも時間は短縮! 思いっきり物をいじれるぞー♪


 そして、顔パスで通してくれる門番さんに挨拶をして、工房に向かっていると……

 

「……全員、並べ!!!」


 という声が響いてくる。

 工房に行く途中には、訓練場の横を通る必要がある。

 どうやらこの声もそこから。今から訓練が始まるようだ。


 ……むう。RPG好き魂が騒ぐ。

 おそらく兵士のみなさんが、剣やら槍やらを振り回すのだろう。

 ちょっと見学していこう。


「……近く、城内で饗宴が開かれる! そこで、武芸者も招いての演武がされることになった!!」


 隊長さん的な人の声が響き渡る。

 そして、整列している兵士さんの中に、文長さんを見つける。


 文長さんも私に気づいたのだろう。

 もう、すごいキラキラした目で見てくる。

 さすがに手を振ってこないが……ああ、あるはずのない尻尾をぶんぶん振っている様にしかみえない。

 あの人、やっぱり大型犬だよなぁ。


 それにしても、饗宴か。

 たぶん、私を紹介する食事会だろうなぁ。

 ……誰か中止にしてくれないだろうか。


「そのため、今日は武芸者との立ち合いを訓練とする!」


 と、ぞくぞくと隊長さんの後ろから現れる人、おそらく武芸者の皆さん。

 おお、すごい!

 筋肉ムキムキの人から、なんかやたら美形の人まで多種多様。

 まさに、RPGの闘技場みたいだ。


「組み合わせは自由! 訓練ですが、勝利した武芸者の方には恩賞でますので、本気でやっていただきたい!」


 ざわめく武芸者さんたち。

 まさにRPGでよく見る展開。

 でもこういう時って、大体、武芸者さん側がボコられるんだよね。

 いやでも、そんなありきたりな展開は……


「軍侯! 一番手は自分が!」

「文長か。いいだろう!」


 ……ありきたりな展開が決定した。

 たぶん、文長さん相当強いぞ。

 化け物のイケオジさんに、攻撃入れられる人だし。


「……さあ! 俺を倒せるものはあるか!」


 振り回す、あのバカでかい槍。

 立ち合い訓練用の槍なのに、ここまで振り回した際の風が飛んできてる。

 その凄まじさに、同僚の兵士さんすら引いてる。

 やっぱり文長さんは化け物のようだ。

 ……弓の腕以外は。


(あ、やばい。武芸者さんが焦り始めてる)


 なんか、急にせき込んで『体調不良』を訴える人まで。

 本当にやる人いるんだな、あれ。


 いやでも待てよ?

 こういう時の展開って、いわゆる主人公的な人が現れる展開も……!


「……ここにいるぞ」


 おお、武芸者集団の後ろから声が!

 現れるぞ、熱血的な主人公が!

 なんかこう髪が跳ねてて、バンダナとか、指ぬきグローブしてる感じのいわゆる主人公的な人が……


「…………」


 ……だが、現れたのは、超美形の中性的な人。

 身長は、私よりは高いが小柄。

 黒のセミロングが、カッコイイとも美しいともいえる。


 そのまま、文長さんの前に立つ。

 ……ヤバイ、もう、美女と野獣みたいになってる。


「まったく、貴殿のような優男が……っ!?」


 その瞬間、文長さんのすぐ横に槍が。

 ……全然見えなかった。

 避けた文長さんもすごいけど、あの突きもヤバイ。

 この人も『化け物』だ。


「……馬岱。字はまだない」

「上等だ……!」


 そこから始まる攻防。

 体格差もあるので文長さん有利かと思ったが、完全に互角だった。

 

 力と速さのぶつかり合い。

 その戦いは、素人の私が見てもどれだけヤバいか分かる。


(……まさか、こんな光景が見られるとは)


 目の前の攻防戦は、ゲームで見たことがある戦闘ムービーシーンの比じゃない。

 音だけじゃない、伝わってくる気迫もとんでもない。

 『すごすぎる』、これしか出てこなかった。


 ……だが、周りの被害も尋常じゃない。

 ふたりはもう、周りが見えていないのだろう。

 周りの物が壊され、なんなら振り回される槍が、兵や他の武芸者さんにも当たりそうになる。


(これも、ある意味リアルならではなのかもな~……)


 RPGでの戦いが現実で起きたら、そりゃ周りの被害がデカいだろう。

 

 ……ん?

 なんかあのふたり、こっちに近づいてないか……?


「やるな、優男!」

「……馬岱だ」


 いやもう、完全にこっちが見えてない!

 まずい、避難を……!


 ――ガキィィィイン!


「え……」


 ……目の前に迫る槍の穂先。

 文長さんたちの激突に、訓練用の槍が耐えられなかったのだろう。

 穂先が折れ、こちらへ飛んでくる。

 

 刃引きされているとはいえ、槍の穂先は金属。

 あんな勢いで、私の頭に当たればどうなるかは明白だった。


(私、ここで……)


 迫りくる『死』。

 何も考えられず、避けることもできない『死』……。


「……え?」


 その瞬間、誰かが私の横を何かが通り抜ける。

 それは、目の前に迫っていた『死』……槍の穂先を簡単に弾き、そばまで来ていた文長さんたちの前に。


「なっ!?」

「……!?」


 『不意打ちだった』、『槍の穂先が折れていた』、考えれば理由はいくつかある。

 だがそれでも、あの化け物ふたりの槍を簡単に弾いた。

 

 そしてふたりの首元に、短く持った槍と、いつ抜いたのかすら分からない剣を突きつけている。

 この人がどれだけ強いか、もう想像もつかない。

 

「……戦いは、周りを見るのも重要ですよ」


 私を守ってくれたその姿。

 大きく、頼もしい背中。

 後ろで結んだ黒く長い髪。

 

 そして……


「あ……」

「……ご無事で何よりです、姫君」


 驚いて、腰が抜けた私を優しく支えてくれるその腕。


「……緊急のため、許可なく触れることお許しください」

「あ、あの……えっと……」

「申し遅れました。我が名は趙雲。字は子龍と申します」


 ――少女漫画に出てきそうな、王子様がそこにいた。

※色んな有名人が出ていますが、フィクションです。


その、一応言い訳をさせていただきますと…この時期、趙雲(一応ぐらいのレベルですが)と馬岱はフリーです。

特に馬岱は、本当に急に出てくる人なので今後も好き勝手いじります…。


今までの内容的にそこまで気にされる方いないかと思いますが、歴史ファンの方、ご容赦いただけると…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。