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刃血鬼  作者: Omsick
六章 [四柱]血戦
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VS.シンジュ:5 Semnal de foc de contraatac(反撃の狼煙)

(待て、何が起こってんだ?)


 少し離れたビルの上から戦況を確認する収川。


「おい![調査隊]隊長!応答しろ!そっちはどうなってる?」


〈何?こっちもこっちで手一杯なんだけど〉


「んなこた分かってる!だが俺はマクロ視点だ、戦場の細かな動きは捉えられねえ!」


〈…[調査隊]戦闘員は4/5が死亡。そっちから見えてる?デッカイ木の根〉


「ああ」


〈アレに刺さると身体中の血という血を吸われる。もしかしたら…削った体力も…〉


「何!?」


〈逆にそっちから見える情報を教えてよ。今何が起こってるのさ〉


 収川はスコープを覗くのを止め、立ち上がって見下ろす。


「…地獄絵図の一言に尽きるな。あちらこちらに木の根が張ってる。もしあいつが隠遁解除状態だったとしたら、もう俺らに勝ち目はない」


〈そんな…〉


「ただ…細え上にクソ見つけ辛え「道」がまだいくつか残ってるはずだ。どうにかしてそいつらを見つけねえと」


〈そう言ったってどうするの?あんた狙撃手でしょ?指示なんて――〉


「いや、俺が前線に立つ。血走もまだなんとか戦えるかもしれない。あいつの血が切れる前に参戦して、とにかく削りを入れたいんだ」


〈じゃあそのスナイパーライフルは誰が使うの?〉


「お前だ、弧々逆治理」


〈…私?〉


「ああ。スナイパーライフルは緻密な計算と空間認識能力があって初めて扱える。その両方を満たしてるお前なら行けるはずだ」

〈…分かった。今からそっちに行く〉



 ―――



 血走は複数のリングを一気に展開し、斉射する。


(…ああダメだ、視界がぼやける。ロクに狙いが定まらない)


 放たれた血刃の一つ一つが血走に逆らうかのように、そしてシンジュを避けるかのようにぶれていく。


「正直さ、こんなの樹で防げば一発なんだよ」


「うるッ…さい!」


 複数枚引き抜き、リングに向かってばら撒く。


「怒るともっと当たんないよ?ほらほら」


 シンジュは、自分がされると激昂するであろう挑発を繰り返している。


「ふぅ…じゃあ、遊びも休憩も済んだところで。そろそろ本格的に、君への恨みを晴らす」


「恨み?笑わせないでよ。私個人が君に何かしたことは無い筈だよ」


「ほざくな。僕を…この僕を出し抜いて、せっかく追い詰めたってのに逃がしたじゃないかッ!!」


「そんな下らないプライドで…」


 血走の口が止まる。シンジュの背後から、何者かが接近してくるのが見えたからだ。いや、何者かは既に確定している。その手に、月から照らされて煌々と輝く、銀の剣を携えた収川だった。


(…向こうから接近してきてる。多分あれが最後の糸口。私に意識を向けさせて、収川の銀剣で叩き斬る。シンジュは勘が鈍いし、やろうと思えば)


「…それでもまだ、向かってくるかい」


 血走は前傾姿勢を取った。

 不意に、倒れている系糸が目に入った。守るべき者の、死体のような物。


「シンジュ…あんたは許さない。最悪私は死んでもいいから、全霊をかけてあんたを殺す」


「そうかい、なら―――」


 その瞬間、凶刃――と形容するには余りにも美麗な剣が、再びシンジュを貫いた。


「顔をまともに拝んだのはこれが初めてかも知れねえな…なぁ、シンジュさんよォ!」

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