1話 前
投稿しました。
「デートしようか、ワンコくん」
「ケジラミでも湧いたんですか? かいちょー」
放課後、かいちょーが生徒会室の中でそんな事を言い出した。
「デートって、僕たち付き合ってないですよね? 」
「・・・・でも同棲してるでしょ? 」
「穀潰しって言うんです、あれは。」
そうなのだ。この生徒会長、僕の家に住み着いているのだ。家事はしない。手伝いもしない。そのくせ、家中のお菓子を食べ尽くす。
例え命の恩人でも、許せない事はある。
「それに、デートってどこに行こうって言うんです? 映画? ゲーセン?? 」
このかいちょーの事だ、きっと映画10本ぶっ通し観賞会でもする気だろう。
やだ、めちゃくちゃめんどくさいぞ。
「ショッピング! 」
「却下」
「え〜! なんでなんで〜〜!! 」
かいちょーが駄々っ子の様に腕をぐいぐい引っ張ってくる。
「だってもうすぐゴールデンウィークだよ? 遊ぼうよ〜〜」
この人、ここが生徒会室だって忘れてないかな?
この人、かなり適当な性格してる癖にたまに頑固だから厄介だな。
役員達もみんな「やれやれ」って顔をしてる。
すると、見兼ねた詩織さんがズンズンとこちらへ歩み寄ってきた。
「こら! ももちゃん!! 」
「うぇっ、は、はい! 」
お、叱ってくれるのかな?
さすがお姉ちゃん、頼りになる〜
「二人っきりで遊ぶなんて許しませんよ! 行くなら保護者同伴です!! 」
おっと、雲行きが怪しいぞ?
「え、でも、しーちゃん。保護者なんて、言われても・・・・」
「わたしが一緒に行きます!! 」
「えーーーーっ!?」
うわぁ、息子の初彼女に必要以上に世話焼いて別れさせる過保護な母親かよ・・・・。
「楽しみね! 陽くん!! 」
あれ? これ僕も行く事確定してない??
☆☆☆
「は〜、疲れた。」
「お疲れ様です、かいちょー」
あの後、小一時間程かいちょーと詩織さんの話し合いが始まり、僕、かいちょー、詩織さんの3人で出かける事が決まった。
「詩織さんって、昔からあんな感じなんですか? 」
「ん? いや、しーちゃんがあんな風になったのは高校上がる頃だったような・・・・?? 」
「へぇ、かいちょーって詩織さんの事『しーちゃん』って呼ぶんですね」
「はは〜ん、さては君、わたしの話ほとんど聞いてなかったな? 」
バレた。
ちょっと、かいちょーの「しーちゃん」呼びが気になり過ぎたから、油断してたな・・・・
「まぁ、いいじゃ無いですか。これで二人っきりはまぬがれたんですし、僕と言う名の狼の魔の手から逃げられますよ。」
「君がぁ? 狼ぃ?? 」
あ、ひどい。
僕だって男の子だもん。可愛い女の子見つけたらホイホイ声かけてデートに誘っちゃうもんね。
ほんとだよ??
「まぁ、今回はわたしからデートに誘ったけどね。」
「心の声読まないでください。」
「めんご」
「うわ、雑」
いつも通りの帰宅風景。
とても意義があるとは思えない会話でも、楽しいと感じる。
とても平穏で素晴らしいじゃないか。
でも、
我が家の明かりが点いている様に見えるのはなぜだ。
「かいちょー、朝電気消しましたっけ??
「いや? いつも朝は電気点けてないよ?? 」
そうなんだよな。
ん〜、じゃあ考えられるのは・・・・
「どろぼう」
「きゃーこわい! 」
かいちょーが腕を絡ませてきたので、むにぃっとおっぱいが潰れる感触がした。
「お、いい胸」
「照れる」
「『第一回 ちょうどいいサイズの胸グランプリ』最優秀賞を授与します。」
「へへっ、どうもどうも」
なんて言ってる場合じゃない。
「いいですか? ドーンッと開けたら、バーンッとやって、グッ! ですよ?? 」
「なるほど! 完璧な作戦だね!! 」
あれ? 今ので通じたよ??
「行きますよ・・・・」
「おっけ〜」
まずドアを開ける!
「ドーンッ!! 」
敵を発見!!
「バーンッ!! 」
攻撃!!
「ガッ!!」
返り討ち!!
「痛てててててっ!? 」
かいちょーの腕を捻り上げて抑えつける不審者。
ここまでの流れ、5秒。
それにしても、ほんとに人がいた・・・・。
しかも、女の人だ。
くるくるとウェーブのかかった茶髪で優しそうな印象を持たせるたれ目、ぷっくりとした唇、そして何より、爆乳!!!!
なんだこの美人は!
溢れ出る母性!!
暴力を振るわなそうなか細い腕!!
そして今まで見た事もないほどの大きさの胸!!
パーフェクトッ!!
「ちょ、ワンコくん! 見惚れてないで助けて!! 」
「え、何でですか。自業自得じゃないですか。」
「まさかの裏切りッ!? 」
バカめ、僕は最初からあなたの敵だ!
「ひーくん、この子はだぁれ? 」
不審者さんがドスの効いた声で問いかけてくる。
「ひーくん」って僕の事かな?
「え、えっと、うちの学校の生徒会長さん、です。」
「ふ〜ん、わたしに内緒で女の子を連れ込んでたんだ・・・・」
「いや、あの、どちら様でしょうか?」
僕の質問に不審者さんの顔が青ざめる。
「ひ、ひーくん? わたしだよ?? 月夜だよ? 覚えてないの?? わたしだよ! ねぇ、覚えてる、よね・・・・? 」
いや、わからないです。
存じ上げないです。
こんな美人の知り合いがいたら覚えてるもの。
「へっくしゅん! 」
「かいちょーどうしたんですか? 」
「いや、なんかくしゃみしなきゃいけない気がして 」
風邪かな? 後でお薬渡しとこう。
「ねぇ、ほんとうにわからないの? 」
「はい、すいません・・・・」
「そっか・・・・6年ぶりだもんね」
「え? 」
「これで、思い出すよね」
突然、目の前が真っ暗になった。
い、息ができない。
「ひーくん、お姉ちゃんのおっぱい大好きだったもんねぇ? 」
おっぱい!? これおっぱいなの!?
「ほ〜ら、良い子ぉ〜良い子ぉ〜」
あ! ほんとだ!! やわらかい!!
世界にはこんなやわらかい兵器があったのか。
し、死んじゃう
あぁ、でも、しあわ、せーーーー
「ちょ、ワンコくん!? 大丈夫!? 」
「ひーくん!? ひーくんどうしたの!? 具合悪いのッ!? ひーくーんッ!!!」
・・・・・・・・
☆☆☆
大きな山だ。
よし登ろう!
だってそこに山があるから!!
はっじめのいっぽ、とーんだっ
うわ! 足が、沈む!!
違う! これは山じゃない!!
これは!
これは!!
「う、ぅーん・・・・ま、ましゅまろさんみゃくッ!?」
「うわ! びっくりした!! 驚かさないでよ、ワンコくん・・・・」
「あれ? かいちょー?? マシュマロ山脈は?? 」
目が覚めるとかいちょーに膝枕されていた。
おっほぉ、すべすべじゃ〜
「じぃ〜〜・・・・」
やばい、さっきのお姉さんまだいた。
テーブルの椅子に座りジト目で僕を見つめていた。
「あ、あの・・・・」
「事情は聞いたよ。大変だったね。ひーくん」
「はい、まぁ・・・・」
とりあえずこれを聞かなきゃ始まらない。
「えっと、あなたは誰なんですか? 」
「うん、そうだよねぇ。自己紹介しなくっちゃねぇ。」
お姉さんがすくっと立ち上がる。
「私の名前は斉藤 月夜。あなたの『お姉ちゃん』だよ? 」
・・・・・・リアル姉登場っすか。
そそるわぁ
よろしければブックマーク登録お願いします。
感想、アドバイスなどをいただけるととても嬉しいです。




