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5 .話し合いとフェビスロの子供

評価してくれた方、ありがとうございました。

  

「リエジー、これは真実なのかしら?」


 お嬢様のお母様であるエリーゼ様、お父様であるスティーブ様と私、同僚メイドのリナン、そしてリエジーの家族とその執事、レイア嬢がいるこの状況。

 だがしかし、私の目の前ではリエジーのお母様であるフィリア様がとてつもなく凄んだ顔でリエジーに問いかけていました。


「あ、ああ。」


 戸惑ったようにしつつもリエジーは頷いていて、その隣りには澄ました顔で立っているレイア嬢。


…確かに美人ですが、お嬢様の方が可愛いですね。


 サリーはそう評した。


「婚約放棄したオルレさんとの会合に浮気相手を連れてくるとは…頭が痛いです。」


 固く目を瞑って右手でお淑やかに頭を支えるフィリア様はまさに絶望という声音です。私は少しだけ心配になりお嬢様の方を伺います。ある程度吹っ切れたというところでしょうか。


「リエジー様は悪くないんです!私が…」


「わたくしは発言の許可を与えておりません。」


 リエジーの分が悪いと理解したのか、レイア嬢が話し出すがフィリア様がそれを咎められました。


…当たり前ですが。上位者の許可なしに話し出すなどありえません。


 リエジーの家は伯爵家、お嬢様の家も伯爵家、レイア嬢は学院の三大美女であろうとも子爵家です。


 レイア嬢が黙ったのを見るとフィリア様は話を再開されました。


「ルイス、1000イオルを」


「はっ」


 フィリア様が髪をぴしっと固めて驚くほど綺麗に立っている執事に声をかけて箱を受け取り、その中身をお嬢様に見せてくださります。大丈夫そうですね。お嬢様が受け取りました。


「ありがとうございます。そして、これにより婚約破棄は正式なものとして扱ってくださるということで。」


「ええ、もちろんですわ。…最後にオルレさん。」


 お嬢様が確認を行うとフィリア様が頷き、その後警戒をするように体を少し強張らせたお嬢様に頭を下げました。


「息子がご迷惑をお掛けしてすみません。婚約を勧めたのはわたくしなのでわたくしのせいです。それに、長い間ありがとう、ございました。」


「いえ、フィリア様のせいではございません。頭をあげてくださいませ。…わたくしこそ、ありがとうございました。感謝しております。」


 お嬢様は少し元の笑みで柔らかく笑うと了解を得て席をたたれてドアの方まで歩きだされたのでその後を追います。


 フロントを突き抜け用意しておいた馬車に私がお嬢様方を乗せるとリナンが御者として乗り、馬車を出発させました。

 ちなみに私は恐れ多くもお嬢様の隣に座らせてもらっております。


「お母様、お父様、サリー、お話がありますの。」


 馬車の中で突如お嬢様がそう切り出しました。


「独立、してもいいでしょうか?」


「「「え?」」」


 三人の声が重なりました。お嬢様は続けます。


「商売をやっているでしょう?リエジー様から婚約破棄された今、正直家にわたしがいると面倒くさいことになりそうですし。陛下からの爵位をもらいたいんです!」


「とても、いいにくいのだが…それも取り消しにならないか?その…」


 婚約破棄で。スティーブ様は小さく言いました。


「いえ、なりません。確認しましたから。契約も結んでいます。」


「そ、うかもしれないが、だが…」


 納得しそうにないスティーブ様にエリーゼ様が告げます。


「あなた、別にいいんじゃないかしら?貴族令嬢としているより商売している方が生き生きしてるじゃない!」


「ありがとうございます。」


 戸惑っているうちに話はどんどん進んでいく。


「まて。まだ決まったわけじゃ…」


 スティーブ様も戸惑ったように止められます。


「では、反対なのですか?」


「いや…」


「ありがとうございます。」


 お嬢様はどんどんと追い詰めて許可?をもぎとりました。そして、私の方を見て問います。


「サリー、あなたは、どうするかしら?」


「すべてはお嬢様に。」


 私の口からは悩む間も無く言葉が出てきました。


♢♢♢


「ふざけるな!俺が先にこれを見つけたんだ!」


「いいや、俺だ!だからその手を離せ!」


「離すわけねぇーだろ!」


 少し進むと人だかりが見え、その中心部分で言い争いの声が聞こえてきました。


「なんでしょう?サリー、見てきてくださる?」


 私が興味深そうに見ていたのに気づいたのでしょうか?確かに気にはなります、なりますけど…


「けれど、護衛も兼ねておりますし…」


「リナンがいるからいいわよ。行ってください。」


 お嬢様に押し切られる形で私は馬車から降ります。人だかりが近づきましたが見えません。仕方ないです。周りの人に聞きましょう。


「すみません。何されてるんですか?」


「ふっ、富豪さま?」


 話しかけた男の人は服を見てお金持ちだと勘違いされたようです。


「いえ、それにしても何を?」


「えーと、フェビスロの子供をどちらが保護するかで揉めているようですな。」


「珍しいですね。」


 フェビスロとは黄色のふさふさの大きな耳としっぽが生えた癒し系の獣人です。とても頭がいいとか。 

 人をかき分けて進みやっと中央に出ました。


…確かにフェビスロですね。


 二人の間にちんまりと収まって震えながら座っているのは紛れもなくフェビスロの子供でした。首にピンクのリボンが結んであるので女の子でしょうか?

 その子を見ながらおじさんが言い争いをしています。


「譲れ!どうせ、貴族様に売り飛ばすんだろ!」


「飢饉のせいなんだ!仕方ないさ!俺が先に見つけたんだ!可哀想ならお前がお金を出して買ってくれればいいだろ!」 


 どうやら、貴族に売ってお金がほしい男と、それを守りたいがお金がない男との争いのようです。野次馬も仕方ない派と守ってあげたい派に分かれているようでした。


 そこで私はある案を思いつきます。


 頭も良さそうですし、多分大丈夫でしょう。お金はある程度持っていますし。私は一旦馬車に引き戻すとお嬢様に案を告げました。無事、許可を得ます。


 そして、再び人だかりに突っ込み、中心までたどり着きました。


「少し、いいですか?」


「なんだ!」


「余所者が入るな!」


 二人のおじさんは軽く話しかけただけなのにすぐさま怒りの返事が返してきました。とはいえ、こんなことで怯みはしません。勝負どころです!


「良ければ、そのファビスロを300リオンで私に譲ってはくださりませんでしょうか?」



もふもふは至高。共感者求む。

読んでくださりありがとうございます。(方向転換いきなり)w

ブクマ、評価よろしければお願いします。

作者が小躍りします。


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