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1 .いざ、尋常に勝負!

本日2話目の投稿です。


「さきほど、何を話していらっしゃったのでしょうか?」


「その、リエジー様が婚約放棄されたみたいですわ。オルレ様とそのメイド様がリエジー様と契約勝負するそうですの。」


「まあ。それは…」


 貴族の噂(?)は回るのが早い。お披露目会に来ていたものは全員、この勝負を知ることとなったのであった。


♢♢♢


「え」


 今、訓練場に入った私が見つめる先には人、人、人…無論、全員貴族です。


「なんで。」


「そんなドスの聞いた声で言わないでください。そもそも、あんな公衆にわかるようにすれば来るのなんか同然です。」


 偽執事クリスタが言った。彼は良識的だった。


「ロータル魔法士殿…なぜ、ここに?」


 リエジー様が戸惑ったように見つめる先には髭の長い仙人のようなおじいさん。彼こそが、この国随一の魔法士ロータル様、というか私の昔の師匠。ただ、彼に驚いてあの貴族どもに驚かないというのがよく分かりません。

 …とはいえ、女子どもに手をふりキャーキャー言われて満足そう(あくまでサリーから見た場合)な彼には私の常識は通じなさそうですね。


「なぜ、ここに?いや、暇だったからのぅ。そこのサリーに頼まれて審判をさせてもらうぞ。」


「はぁ。」


 それじゃあ、聞くなというぐらい薄い反応。お主らが決めるのならば我らには損では!とか決めたのに言いそうだったが、その心配は杞憂であったみたいです。

…別に言って欲しかったわけではないですよ?そもそも、嫌いなので口を開かないで欲しいぐらいですので。

 えっと、リエジー様の仲間は…知らんわ。誰あれ?なんか、見た目は弱そう。細っこいな。


「では、始めるにあたり、ルールを確認するぞい。」


「「はい。」」


「死ぬような攻撃はやめること。ただし、怪我までならば構わない。制限時間は設けない。わしが度をすぎたと思えば終わりとする。武器もあり、魔法もあり。なんでもありじゃ。これでよろしいかな?」


「はい。」

 

「大丈夫ですわ。」


 全員が頷くのを確認すると、元ロータル師匠は声を上げられます。


「そうか。それでは!初め!」


 その声と同時に私は小さな声で魔法の詠唱を唱えました。


「オルレお嬢様とそのメイド、サリーに武術神の十番盾の加護を」


 これで一応大きな怪我は負わないのです。小さな怪我まで制御できれば良いのですが…流石に私の力では不可能の領域です…ふふっふ、これで壊されない限り怪我をしないですね。


 ちなみに、武術神の御加護は十番までです。盾の他には斬り返しの御加護や刃が欠けにくくなる御加護、スピードの御加護などがあります。


 と、そんなことをしている間にお嬢様が突撃を始めたようですね。カンカンっと打ち合う剣の音が聞こえてきました。久しぶりのこの空気に背中がゾクゾクとします。自分の口角が上がっていくのをわかりました。


 

ちなみにこの時危険な匂いを感知し偽執事クリスタの顔が引き攣ったことを知るものはいない…



 私も突撃しようとは思ったのですが…相手が魔法しか使ってないので私も取り敢えずは援護でいいかなと思います。お嬢様もきっとあいつと剣を交えたいでしょうから。ということで暫く見物と援護に徹することにいたしましょう!



 

 少し経ち状況を見たところ、お嬢様は私が直に剣を教えたため、ある程度の力はあるのですが…どうやら押されているよう。リエジー様のこの速さは…スピードの加護でしょうか?してやられたようですね。とはいえ、盾の御加護を受けていればボコボコリエジー大作戦に影響が出る可能性もある訳なのでそちらの方が困りますが。


 向こうをみると、ニヤリと相手が笑っていました。


 有利を確信しているようですね。やっぱあいつもうざいので突撃しましょうか。気絶すればきっとスピードの御加護も消えるはずなので、ちょうどいいです。

 あっ、自分が戦いたいからとか、そんなのではないのですよ?ええ、もちろん。私はお嬢様の忠実なメイドですから。ふふふ、ふふふふふ…


 トンっと大地を踏みしめます。それだけで身体が浮きました。


「はっ!」


 勢いよく上からの突撃〜!声は出さない方が良いですがそっちの方が雰囲気でるのでいいです。いいことにしましょう。


「おっと、」


 渾身の一撃ほどではないが割と上手く出来たと思います。が、男もそれを防いできました。


 ふむ。それなりの実力はありそうですね。いいでしょう!楽しめそ…ゴホッ長引いてしまいそうです。最近咳がよく出ますね。


 ガンっガンっ、


「よいしょ。ほう。この強さとその容姿、噂の不良メイドとはあなたのことだとお見受けいたします。」


「あら、仮にも淑女に向かってなんたる言い草なのかしら。そういう男はモテないし、フラれるわよ。まず、自分の名前を名乗るというしきたりも分からないのかしら。ふふふ」


 不良メイドとは…いつの間に。今度その噂の根源を睨みに行きましょうか。


「それは失礼。私はビターと申します。そして、噂の毒舌は結構精神にきますね。」


 余裕綽々だった男の顔が歪む。なんか、嫌な思い出でもあったのだろう。でも、可哀想には思わない。敵だからな!というか、この程度で毒舌…甘い世界で生きているようですね。精魂を叩き直してやりましょう。まずは、最初の技です!はぁぁぁ!


 ガキン!


 あたりに剣と剣が交わる音が響きます。これです、これ。


「うっ…いてて。意外と容赦ないなぁ、嬢ちゃん。」


「嬢ちゃんと呼ぶとは、お礼にもう一度どうぞ。」


 嬢ちゃんは素直に嬉しいですが…ふふっ、敵に容赦はいたしません!


 さっきよりも重い一撃を放ちましたが、ビターは大人しく倒れてくれないようです。


「おい、いってえなぁ。まあ、次は俺から行かせてもらうぜ。」


 そういうと、ビターは近寄ってきた。


 なるほど。その手には二本の剣が握られています。ふふふ。いい勝負になりそうです、ね…


 っ!


 その時、ふとお嬢様への御加護の気配が薄くなったことがわかりました。よく見るとお嬢様の御加護が切れてしまったのが分かります。おそらく、リエジー様の攻撃により消えたのでしょう。それに気づいたのでしょうか?リエジー様が猛攻を繰り出しています。御加護はもう出来ません。私の実力ではあれで手一杯なのです。


 これは、あぶない、ですね。


 おそらく、彼はこの剣技がどのぐらいの怪我を負わさせることができるのか分かっていないようです。本当に…堂々と浮気する男は学がありません。まあ、さらに溜まったイラつきは後で晴らしてやりましょう。…となると、正直目の前のこの男と勝負している場合ではありません。


 何がなんでもお嬢様です。盾があるので無視して彼に突っ込みました。今ならばいける。そう思ったタイミングで。鍛えた私の足がビターの腹へ直撃します。油断はしてなかったようですが、いけるという隙があったのです。疲れていたのでしょうかね?

   

 伸びたであろうビターをあまり確認すらせずに私は再びトンっと大地を踏みしめます。

 

 空を飛び、攻撃に夢中になっているリエジー様の肩へ思いっきり体重を乗せて踵落としを決め込みました。バウンドしてさらにふわりと優雅に着地します。


 もちろん、頭じゃないですよ?

 

読んでくださりありがとうございました。次は勝負の行方です。ポイント、ブックマークなどしてくだされば作者は泣くほど喜びます。良ければよろしくお願いします。

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