表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
30/48

貧乳と呼ばないでの巻

若干ではありますが、グロい表現を含むので、苦手な方はバック願います。

 尚も信長は迫り来る。

血飛沫は、クレアの綺麗な顔立ちを染め上げた。


「もう、来ないでよ!」


 大剣を通じて伝わる肉を引き裂かれる振動に、遂に拒むことを断念した。

大剣は、地面に無造作に転がる。

 信長はニヤリと笑みを溢しながら二度ほど首を左右に揺らした。

するとメキメキと音を立て、引き裂かれた患部が塞がっていった。

 自然治癒にしてはあまりに早い、信じがたいがそれは再生というべきに相応しいかった。


「ア、アンタやっぱり化け物?」


 クレアは地面に落とした大剣を再び手にし、剣先を信長に向ける。

バックステップで間合いを取った後、信長の右肩目掛けて力任せに大剣を降り下ろした。


――ビシュ――


――ドサッ――


 切れ味が抜群なクレアの大剣は、信長の右腕を削ぎ落とした。

信長は顔色一つ変えず、地面に落ちた右腕を左で拾い上げる。


「まさか、また再生?」


 クレアの予想は当たった。

拾い上げられた右腕が切断部に押し付けられると、ジュルジュルと粘りけのある液体を(ほとばし)らせ、再生していった。


「ちょっと、何、何? グロいんだけど……」


 クレアは思わず身を引いた。

信長は右腕をグルンと回し、関節の具合を確かめると再び襲っていた。


「あ~もう。時間が稼げれば……」


 嘆くクレアに長政が、傷付いた体をおして近付く。


「某が……時間を稼ぐ。見た所……クレア殿には秘策があるご様子」


「あるにはあるけど、アンタその体で……それにお市さんだって……」


「市は瀕死ではあるが息はある……頼む、クレア殿……某の我が儘を……」


「わ、わかったわよ。死なない程度に頑張りなさいよ」


「御意……」


 長政は槍を携え、信長の前に出た。


「さぁ、某が相手だ!」


 信長は、標的を長政に移し刀を振り回す。

長政は押されながらも、果敢に対応に当たった。





◇◇◇◇◇◇




「もう、面倒臭いわね。え~い」


 クレアは、本来の姿である貧乳に戻った。

戦場に(なび)く、羽衣は聖なる力を纏い、眩い光を放った。

とは言え、貧乳は貧乳である。


「やっぱり、しぼんだままか……」


 クレアはガッカリしながらも、大剣を魔法の杖に変え再び前線に戻った。


「ぐはっ……」


――ドサッ――


 長政はまるで重い荷物のように、地面に横たわった。


「しっかりしなさいよ! アンタ、男でしょ? チンチンついてるんでしょ?」


「な、何と、ハレンチな……」


 長政はクレアの言葉に、一瞬痛みを忘れた。

いや、本当に痛みがなくなったのだ。


「これでもう大丈夫」


「これは? クレア殿、何をなさったのですか?」


「魔法よ、ま・ほ・う。アンタに説明してる暇はないから、下がってて」


――ドガッ――


 少々乱暴だが、長政を蹴りあげ後方へと誘った。


「はて? 貴女は一体……」


 長政は夢か現実かも定まらず、クレアを見届けることしかできなかった。


「さて、信長ちゃん。アンタにはきつ~い、お仕置きをさせてもらうわね。は――っ!」


 魔法の杖から聖なる光が溢れだし、巨大な塊となる。

クレアは魔力を最大限に集中し、信長に向けて解き放った。

「ぐぉぉぉ」


 信長は断末魔を上げると、光の中に消え去った。


「ふぅ……こんな感じかしら?」


 クレアは深く息を吐くと、ジェイムの方に視線を向けた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ