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前田荘777号室  作者: 吉岡 澪
プロローグ的なウォーミングアップ
7/100

部屋について

 777号室。ホミカはそのドアを開いた。家賃7000円の部屋とは?


「これは予想外ね……」


 とにかくキレイで高級感溢れる畳とフローリングが1部屋ずつ。しかもベッドが備え付けられた寝室もある。広い。本当に7000円でいいのだろうか。文句を言うとしたら、


「風呂・トイレ・台所はないのね」


 年頃の女子には痛い仕様である。風呂・食事はどうしたら?

「斎藤さんに聞いとく必要がある、か」


 適応力もホミカの自慢である。例えるなら河口あたりに棲息するカニ。

スーツケースから手提げを取りだし肩にかけ、再び斎藤のもとを目指す。



 斎藤は部屋の前で待っていた。


「部屋はどうだった?」


 やや誇らしげ。


「とても広くてキレイでしたが……」

 なんとなく斎藤はその反応を予想していたようだ、頭をかきながら先を続ける。

「風呂・トイレ・台所がないんだよね。いや、申し訳ない。1階にあるから皆で兼用してるんだ。大丈夫! 男湯女湯別の源泉かけ流しだ」


 草津かよとツッコミを入れたくなったホミカだったが、なんとか耐えた。


「ご飯はどうしたら?」

 カップ麺耐久生活は勘弁。心からそう思った。


「こっちで用意するから大丈夫。あっちの食堂で皆で食べようじゃないか。7000円は食費もコミだから」


「……?」


 至れり尽くせりだ。しかし、うまい話には大概裏があるものだ。ホミカはまだ警戒を緩めない。


「よし、じゃあ挨拶に回ろうか」

「はい」


 どんな時でも律儀なホミカである。

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