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前田荘777号室  作者: 吉岡 澪
プロローグ的なウォーミングアップ
12/100

売ります買います

 斎藤はホミカをなんとか足名稚から引き離し、ホミカは断腸の思いで444号室をあとにした。次は555号室。3階に上がる。


 やたら高級感のある階段。ふつう蜘蛛の巣が張っていると相場で決まっているのだが……。


 そして、555号室。斎藤が本日4度目のチャイムを鳴らす。中でごそごそと音がしたのち、オープン・ザ・セサミ。


 中からは、民族衣装のような奇妙な服装でフードで顔を隠したいかにも怪しい人物が現れた。口元しか見えない。年齢不詳を絵に描いたような存在。


「大家サんこんニちは。今日は何か御入り用でスか?」

 声から判断するに女性のようだ。わざとか元からか言葉がやや硬い。


「いやいや、今日は前話したホミカさんを連れてきたんだ。はい、ホミカさん、こちらはマーさんだ。」

「剣ホミカです。よろしくお願いいたします」

「ホミカさんでスね。こちらこそよろしクお願いいタします」

 怪しそうだがいい人のようだ。

「あノ、そのニット、500円で売っテ頂けませンか?」


 マーチャントっぽい。マーとはここからきているのだろうか。


「え?」

「いヤ、600円ならいかガです?」

 ここでホミカはこれはいかんわと思った。


「ごめんなさい。これは私の中でも相当なお気に入りですので」

 なんで私が謝っているんだろうと少し腑に落ちないホミカ。


 マーはくつくつと笑った。

「それハ失礼しました。何かアったらよろしクお願いシます」


 この日脳内要注意人物リストに3人目が刻まれた。














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