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闇の王の再臨 〜失われた「闇の力」と前世の技能で、学園の常識を覆して高みへ至る〜  作者: じゃdさんね


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6話 ――未知の技術――

開いてくれてありがとうございます!

――訓練場


私は少し遠くの的を指差した。


「じゃあまずは、あの的を試しに能力と魔法を撃ってみて。」


「分かりました!」


シルヴィが手を的へ向ける。


「氷弾(アイスバレット)!」


氷の弾丸が素早く的を穿つ。同じ技でもやっぱ能力と魔法じゃ性能が段違いだ。あと、アーティファクトも使えるようにはさせてあげたい。


「命中率はかなりいいね。」


「そうですか?」


「うんうん。焦らず丁寧にやっても上手く当たらない人は多いからね。」


嬉しそうに顔を輝かせた。この顔を見るともっと褒めてあげたくなる。ずるい。


「それじゃあ、次は魔法を撃ってみようか。何か扱えるようになりたいのとかある?」


「一応基本的な魔法は使えるんですけど...火魔法とか使えるようになりたいですね。」


「それじゃあもう一回的に向かって撃ってみよっか。次は火魔法で。」


「はい!」


再び的へ手を翳す。じっくりと魔法陣は構築される。


「炎(フレイム)!」


炎弾が的へ向かって飛ぶ。ただ氷と違って出力が明らかに低い。能力と魔法の差もあるだろうけどあま使い慣れてように見える。


的へ着弾すると、バンッと音がし、少しだけ焦がした。


本人も微妙そうな顔をしている。


「そう落ち込まないで。誰でも初めっから上手くはいかないよ。」


「そう....ですよね。めげずに頑張ります!」


「じゃあ今から基本的な魔力操作からやってみよっか。」


「でも魔力操作くらいであれば私でもできますよ?」


「まぁ操作っていうか知覚からだね。」


「知覚?」


「そうそう。知覚。魔力は血液みたいに心臓から流れてるんだよね。」


シルヴィは自分の腕をまじまじと見つめる。


「血管じゃないよー」


「あっ....」


照れくさそうに腕を下ろした。


「じゃあ瞑想して心臓に意識を集中させてみて?」


「分かりました...?」


目をしっかりと瞑って、胸の前に手を当てる。んーんー唸りながら頑張っている。何も感じられていなさそう。


「んー.....」


「一旦目を開けよっか。」


パッと目を開く。


「一応聞くけど、何か感じられた?」


「.....いや、えーっと...全然...です。」


私の説明が悪かったか。あと人も多いし、集中は難しそう。


「んーっとね、とにかく無心みたいに心臓だけに意識を飛ばしてみて。脈打つ心臓より更に深い場所。枝分かれてる流れが見つかるよ。」


「んー....」


シルヴィは何度も目を瞑っては開けることを繰り返した。最初はなぜか唸っていた迷想も気づけば神経が研ぎ澄まれていてちゃんとした瞑想になっていた。


「....あったかい....」


ぽつりと言葉を漏らす。どうやら気づけたみたい。


バッと目を開けて私に腕や手を広げてしてきた。


「えっと....あの、なんか!全身をパーッと来たような感じがしてすごいあったかかったんです!」


「じゃあまずは一歩踏み出せたね。おめでと〜!」


「そしたら次は何をするんですか?」


「次はねーまた同じようにそのあったかさを感じて貰うんだけど全身に流れてるのを感じ取ってほしいかな。」


「全身....分かりました...!」


再び、シルヴィは瞑想に入る。非常に吸収が早い。素質があるのに、なぜEランクなのだろうか。


環境、あるいは私みたいにどこかの項目が極端に悪くて落としたのかな。


「なんか....なんか感じます....身体の中に細い...」


「そのままそのまま。」


魔力感知でシルヴィの魔力管を見てみると、やっぱり綺麗に流れていない。学園の人たちは魔力が上手く流れていない人が多い。


「大分慣れてきたらさ、滞ってる魔力を流すようなイメージしてみてほしいんだよね。」


「.....」


「魔力を強く念じて自分の手で触れるようなイメージかな。」


少しすると滞っていた魔力が段々と流れ始める。教える人自体は誰でもいいのかもしれない。あまりにも飲み込みが早い。


「かなり変わったよ。」


瞼を開けて私を見る。


「本当ですか?」


「うん。魔法か能力でも撃ってみれば分かるよ。」


「それじゃ....やってみます...!」


的に向かって手を伸ばし、目を閉じた。


「氷弾(アイスバレット)!」


氷が素早く的へ直撃すると的も少し凍る。


「おぉ〜」


くるりと振り返って嬉しそうに尋ねる。


「どうでしたか?」


「出力が大幅に上がってたよ。今までは体内で止まってたから発動にも時間かかったし、出力も微妙だったけど、流れるお陰で時間も出力も大きく上がるからね。」


「ありがとうございます!ミィさんの教え方が上手くてすんなりできちゃいました!」


「そう言ってくれると嬉しいよ。でもシーちゃんの頑張りだからちゃんと誇っていいからね。」


やったーとシルヴィはぴょんぴょん跳ねた。もっと時間がかかると思ってしまったけど、ここまで早く終わってしまうとは。アーティファクトの使い方でも教えようか。


「それじゃあシーちゃ――」


「氷槍(アイスランス)」


氷槍が瞬速で飛来してくる。氷槍を掴んで放たれたと思う方角へ投げ返す。


バキン!とガラスが割れるような音と共に氷が砕け散る。


周囲は気づいていない。いや、ただの特訓としか思っていないのかもしれない。


「あ、あの ....今のって....?」


「さぁね。ただもしかすると、またCランクの奴かも。」


「ま、また!?」


明らかに殺意が乗っていた。それに、氷の力。私を狙う奴は朝と夕方の3人。私狙いなのかシルヴィ狙いなのか。


「他の人に被害を出すわけにはいかないからちょっとでも離れた場所に移動しよう。」


「分かりました!」


「凍結歩行(フロステオ)!」


するとシルヴィが滑り出す。そして滑った後が氷になっている。かなり速い。地面を蹴り、シルヴィへ追いつく。


「は、はや...!?」


「シーちゃんも随分と速いからね?」


流れのままとにかく走っていると、池へ落ちる。


「あっ」


「あ....」


バッシャーンと大きな水飛沫を上げてずぶ濡れになる。


「ひっくっしゅん....」


「寒い?」


「いえ...大丈夫です...それよりもさっきの人たちは...」


するとそこには上から見下ろす3つの影があった。


「マジで許さねぇよ。」


「お前の声どっかで。」


黒いローブをまとった男は水の入ったボトルを持つと、別の液体へ変わった。変換の力で知っているのはレオンである。そして、左が氷を放ってきたCの奴とすれば、多分右の奴は空間の奴かな。


「お前らまだ反省もしないのか?」


すると、レオンは声を荒げた。


「うるっせぇ!お前のせいなんだよ!そのせいで...このっくそ女が!」


紫色の液体を投げつけてくる。どう見ても毒だ。毒の他ない。結界を発動しようとした。


「常冬境界《アブソリュート・レムル》!」


横から声がすると液体が飛び出たボトルが停止し辺り一面が凍った。ガルフとの模擬戦ではやっとの思いで使っていた技を今はいとも簡単に。


「な、なにを....」


「友達を傷つける危ない人たちは私が許しません!」


すると、右の男が消えた。空間移動か。右の男はシルヴィの背後に現れていたが常冬境界《アブソリュート・レムル》に入っていて動けていない。自ら突っ込んで来た。罠ですらないのに。適当にぶん殴って遠くへ飛ばす。


「がはっ――」


そしたらCの奴が動いた。


「凍結光線(フロスト・レイ)!!」


Cの奴から魔法陣が組み込まれる。破壊しようかと考えたけど、シルヴィはやる気満々だ。青白い光線がシルヴィへ迫ってゆく。


「氷弾(アイスバレット)!」


「はっ。そんな雑魚技でどうんだよ!」


1つの氷塊が氷の光線を凍らせて突き抜けてゆく。


「え?は?」


C男に氷弾(アイスバレット)が直撃するとだらに全身が凍った。


シルヴィは小さくガッツポーズをした。


出力がしっかり上がっている。氷のレーザを凍らせる意味のわからないことをしている。


「よそ見してる場合か?」


レオンがあまりにも必死すぎる形相突っ込んでくる。


炎(フレイム)と闇を融合させて放つ。


「っ!噂の獄炎(ヘルフレイム)か!だが!」


レオンが手を翳した。なぜか勝手に獄炎(ヘルフレイム)と名付けられた闇の炎は手に着弾して爆発し、全身を炎で包んだ。


「ああああああああ!」


悲鳴と共に全身大火傷を負ったレオンはその場に倒れた。


「す、すごい....これが噂の獄炎(ヘルフレイム).....」


「.....取り敢えず終わったのかな。」


シルヴィがキョロキョロと辺りを見回す。


「多分大丈夫なんじゃないでしょうか....?」


レオンの元へ近寄り、治癒魔法(ヒール)を施す。火傷した身体は綺麗に癒えていった。


「お前って何が目的?」


レオンに尋ねる。


「.....言わねえょ....」


うつ伏せのまま、力なく吐く。


国家機密レベルなのか多分無いだろう。契約でもしたのか、よほど恥ずかしいことなのか。


右手に炎と闇の融合技を纏う。もう闇炎(イグニスフレア)でいいや。


「ま、待ってくれ!違うんだ!その.....」


時間稼ぎのつもりだろうか。一発殴ろう。拳を握る。


――刹那


レオンが目の前から消えた。


「......」


シルヴィが目が飛び出しそうなくらい驚く。


「えぇ!?き、消えました!」


意識がさっき途切れていた。この感じ、時間操作系か。油断はできない。ただ、近くには一切気配も感じない。ここにいないことは確定か。


「大変な目にあっちゃったね....」


「そうですね....やっぱ私のアーティファクトが問題なんでしょうか.....」


確かにアーティファクトとなれば惜しい奴もかなりいるだろう。でもどうしてそこまでするのか。


「ちょっとしか経ってないって思ったらもう日が相当落ちてきましたね....」


「じゃあ速いけど帰ろっか。まぁせっかく実戦もできたし今回はよかったってことで。」


一緒に石畳を歩いて学園の方へ向かう。シルヴィは疑問そうに顔を見つめてきた。


「顔に何かついてる?」


「あ、いえ...魔法って苦手でしたっけ?」


「まぁそうだね。」


「獄炎(ヘルフレイム)ってかなり強力な魔法なのにどうやって習得したんですか?」


見た目がやっぱ酷似してるの皆勘違いしている。まぁ手の内がバレないから嬉しいけど。


「いや、あれはね魔法と能力の融合技だよ。」


「.........??????」


「ん?」


「え?」


レオンも同じ反応をしていた。そこまで不思議か?


「えっと....何を言ってるんですか?」


「だから魔法と能力の融合させた技なんだけど」


意味のわからそうに首を傾げてる。


「そんなに不思議?」


「....はい....魔法と能力の融合なんて聞いたことありませんよ....?魔法と魔法ならわかりますが...」


「じゃあもしかしてやってる人いないの?」


当然だと言わんばかりに頷く。


「もちろんですよ。例えるなら....わんちゃんとわんちゃん。人と人なら.....その....子供ってできますよね....。でもミィさんがやってることって人とわんちゃんくらい意味わからないことしてるんですよ。」


そんなに凄いことなのか。そりゃ誰もしないわけだ。


「凄すぎてあまり実感が湧きません...間近で見たのですが....それじゃああの黒いのは何の能力なんですか?」


まぁシルヴィだから言っても大丈夫だろうか。情報共有もしておこっかな。


「闇の能力だよ。」


静寂が落ちた。


「........へ?」

氷弾(アイスバレット)


炎(フレイム)


凍結歩行(フロステオ)


常冬境界《アブソリュート・レムル》


凍結光線(フロスト・レイ)


獄炎(ヘルフレイム)


治癒魔法(ヒール)


闇炎(イグニスフレア)

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