転生の刻
開いてくれてありがとう!(・∀・)
――遥か昔。
魔法と能力の根幹たる『闇』と『光』が存在した時代。
すべての能力者の常識を逸脱した絶対強者――闇の王、ノクシス・ルナレイン。
神聖を司り、唯一その闇の王と互角に渡り合う光の王――メルリア・ルーカス。
ふたつの大国、黒の国と白の国は、互いを認め合い、共に繁栄を極めていた。
* * *
その日、ノアウルは建国記念の祭りで国中が歓声に包まれていた。
前夜祭を終え、本祭を迎えた街は、昨日以上の盛り上がりを見せている。
玉座に座るノクシスは一仕事を終え、賑わう街並みを一目見ようとバルコニーへ足を向けた。
――その、刹那。
――ドスッ!
重い衝撃が、ノクシスの腹部を穿つ。
視線を落とせば、純白の光弾が肉を焼き、腹を深く貫いていた。
溢れ出す、鮮血の赤。
(っ……!?)
通常であれば、この程度の傷など再生することなど造作もない。
だが――回復魔法どころか、『闇』の能力すらピクリとも反応しなかった。
能力が、封じられている……?
原因不明の異常事態。致命傷を負った体は、瞬く間に力を失っていく。
「だ……れ……っ」
大量の血を吐き出しながら、絞り出すような声で問う。
「言うわけないじゃない。正体を明かすほどバカじゃないわ」
暗闇の奥から、嘲笑うような女の声が響いた。
「……な、ぜ……」
「『なぜ』だけじゃ伝わらないんだけど? まぁ死にかけだもんね。ふふ、質問に答えてあげるなら――あんたが存在するからよ」
冷酷な笑い声。
どこかで聞き覚えのある声のはずなのに、重症のせいか断片すら一切思い出せない。
ノクシスは残されたわずかな力を振り絞り、反撃のために腕を掲げようとする。
「だーめ」
――ザシュッ!
容赦なく閃いた刃が、ノクシスの視界を深紅に染めた。
膝から崩れ落ちる視界の中で、遠くから街の歓声だけが虚しく届く。
(守れなかった……王なのに……っ。みんな……ごめん……)
(メル……ごめんね……。最後まで……国を一緒に守るって、約束……できなかった……)
思考すら冷たい暗闇に呑み込まれ、絶対の王の意識は、静かに途絶えた。
* * *
「……〜〜〜っ」
(何か……聞こえる。ここは……どこ……?)
暗闇の底から引き上げられるように瞼を開けると、見覚えのない温かみのある木目の天井が視界に入った。
死んだはずの身体は、驚くほど小さく、軽くなっている。
体を揺さぶられる感覚に戸惑っていると、すぐ近くで若い女性のはしゃいだ声が響いた。
「あ、あなた! この子、目を覚ましたわ!」
奥からはドタドタと急いでいる足音が聞こえて来る。
「本当か!?」
その嬉々とした声は若い男性から聞こえた。
「起きたってほんとー?」
もう1人、小さな女の子がのそのそと向かってきた。
女の子がノクシスの顔を見るなりパッと顔を明るくさせた
「かわいい!」
3人の優し眼差しと、暖かい腕の温もり。久しく忘れていた和やかさがノクシスの心を包み、涙が顔を伝って溢れた。
最後までありがと〜!面白くできるように頑張ります!




