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4話 「撮り鉄 その3」

囲まれた氷川。ホームに緊張が走っていた。

氷川は周りの学生たちに被害が及ばなように後退し人のいないスペースへさりげなく移動。

中学生数人が腕を掴もうと飛び掛かる。

氷川は相手を殴るのではなく、手首を取り体勢を崩し、距離を取ったり、突き飛ばした。

「うわっ!!」

中学生の1人が勢い余ってこける。仲間同士でぶつかり始めた。

「だからやめろと言ったのに..」

氷川が言うが、聞く耳を持たない。中学生たちはナオも突進してくる。そのタイミングで氷川は踏み込み、胸で受け止める。

ドンッ!!と勢いを殺され中学は尻餅をついて倒れる。その頃、ギャルは駅員を連れ、ホームへ。

「こっちです!!」

駅員はすぐに現場へ駆けつける。

「やめてください!全員離れてください!」

さらに警備員も応援に入り、騒ぎは収まっていった。

中学生たちは逃げようとするが駅員に呼び止められ、鉄オタ集団はその場で事情聴取を受けることに。

氷川は大きなため息をついた。

「大きな騒ぎになる前に止められてよかった。」

ギャルが氷川に近づいた。そして言った。

「..また、助けようとしていたんですね。」

氷川は言う。

「..騒ぎが嫌いなだけだ。まぁ、君に何もなくてよかった。」

2人は電車に乗った。

電車の中でギャルは氷川の隣に座った。

「..なんで俺の隣なんだ?」

「空いてたからかな?」

ギャルが笑顔で答えた。そして続けて言った。

「今日も助けてくれて、ありがとうございます。私だったらあんな大人数相手に立ち向かえなかったなぁ」

ギャルは氷川の目を見て続ける。

「あなた、ほんとに何者なんですか?笑」

氷川は少し笑みをこぼしながら答える。

「..さあな」

そして数駅後、氷川が電車から降りようとする。

「あ、待って!」

氷川は振り返る。ギャルが大声で言った。

「そういえば、お名前聞いてませんでした!」

氷川は頭をかきながら言う。

「氷川....氷川龍之介だ。」

その瞬間、電車の発車ベルが鳴る。ギャルは笑顔で手を振った。

「ありがとうございました!じゃあね!氷川のおじさん!」

ドアが閉まり、電車はゆっくりと動き出した。

「変わったやつだな。」

氷川はそんなことを呟きながら街へと向かって歩き出した。すると、氷川、ポケットからハンカチを落としてしまった。しかし、本人は気づかずそのまま歩き続けていた。

「あの、これ落としましたよ。」

氷川は振り返り、ハンカチを受け取る。

ハンカチを拾ってくれた人は、金髪で派手な服装の男だった。おそらく20代後半ぐらいの若さ。そして装飾品がすべで宝石と金。

「..ありがとう。助かった。」

氷川は受け取りすぐに歩き出した。

その後ろ姿を見ていた金髪の男。静かに、にやっと笑ったような気がした。


次回 暴走族 その1

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