MARTO 2017, Ⅲ
季節の句と無季雑句
Diversajxoj ②
花時の
つひのわかれも
昔なり
わすれたるものの
おとなふ春夜かな
春闇に
さぐる手のさき
ふれし愛
春月や
少年の夢の
おとなしさ
既視感の
きてはさりゆく
春夜かな
『罪と罰』
いだきて帰る
街うらら
この猫もあの猫もねる
春の午後
春日や
眠るばかりの
至福かな
めぐりてもどれば
木蓮の花
絨毯をひろげよ
春の空も
大黒も
大目にみたり
猫の恋
春なればゆるせ
高値の菓子を買ふ
小法師が
ゆれおきあがる
春日かな
読経の声音も
また寝惚け色
春分や
むかしの時計を
ひとつ買ふ
悔いふたつみつ
のみこむ彼岸かな
なきひとの物
へらす機の
彼岸かな
墓まゐり
猫の眠りを
さまたげず
蒲鉾の
ふつくりきれる
彼岸かな
彼岸西風
おもひのもとも
彼方かな
くわんおんと
まなざしあはす
彼岸かな
いひわけするごと
合はす掌
春分や
あとかたづけもせず
眠る
おそれつつ
悔いつつきざす
新芽かな
咲き初めを
見とげて
今年の安堵かな
仲春の
電車にかをる
化粧かな
おだやかに
花の咲く日の
別離かな
香水壜
ひとつ手にとり
少女終へ
さびしさの
ふと増してあり
夕永し
かれこれが
夢のままなり
三月尽
念入りな
囲ひとく日や
三月尽
故郷なくして
おとなとなりき
( つづく )
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