表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ほろほろ鳥も夢をみる  作者: Miki Kukiri
7/68

MARTO 2017, Ⅱ

星の句

幻想の句

性愛の句



    Steloj 



 星を呑む 

 石鯉(せきり)

 蟻を吸ふごとく 



 (いを)の腹さけば

 (まる)すぎる月()づる



 星どもに

 あざわらはれて

 この夜あり 



 亡き父の

 うまれかはれる

 星を刺す 



 廃園に

 星の仔を棄つ

 愛なれば 



 悪夢また

 (こご)りて

 春の星となり 



 仮面売る

 その見世

 今宵も星ばかり 

 






    Fantaziado 



 指輪をはづせば

 (むじな)のにほひを

 放つ春 



 階段を階段を

 おりゆけば

 魂よばひする母 



 宝石を

 孕む()に過ぐ

 春の(らい) 



 春嵐(はるあらし)

 さわげば 彼等

 めざむ宵  



 屠殺場まで

 泥濘(でいねい)つづく

 夜明けかな 



 極楽曼荼羅売り

 ふえてをり

 春の(いち) 



 洗骨を

 ひとりおこなひ

 星満つる 



 十字街で

 諜者(てふじや)が死ぬる

 夜明けかな 



 対岸より

 しづかにみつむ

 影のあり 



 もういちど

 殉死するごと

 椿咲く 


 春とても

 占問橋(うらとふはし)

 さむさかな 



 いま男時(をどき)

 いま女時(めどき)なり

 春の(うら) 



 非常階段

 水溜りと天上とを

 ただ(つな)ぐ 




 白鳥座に

 拳銃むけて

 処女ひとり 



 踊るがごとく

 ほろびゆく(とき)


 




    Seksajxo kaj amo



 触れてほしいときがあり

 紙風船のやう 



 恋心の

 ()()けにおびえて

 撫でさする 



 刺青もつ

 少年の(いら)

 桜貝



 をんな文字

 ゆびさきでそそと

 かきつづる 



 唇を

 もとめては増す

 殺意かな 



 絞めてくれる

 このひとへの

 恋闌けぬ 



 サボテンの

 枯死を悔いつつ

 春を売る 






       ( つづく )







 



 

Mi rifuzas kopiadon kaj utiligon sen mia permeso.

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ