MARTO 2017, Ⅱ
星の句
幻想の句
性愛の句
Steloj
星を呑む
石鯉の
蟻を吸ふごとく
魚の腹さけば
円すぎる月出づる
星どもに
あざわらはれて
この夜あり
亡き父の
うまれかはれる
星を刺す
廃園に
星の仔を棄つ
愛なれば
悪夢また
凝りて
春の星となり
仮面売る
その見世
今宵も星ばかり
Fantaziado
指輪をはづせば
貉のにほひを
放つ春
階段を階段を
おりゆけば
魂よばひする母
宝石を
孕む間に過ぐ
春の雷
春嵐
さわげば 彼等
めざむ宵
屠殺場まで
泥濘つづく
夜明けかな
極楽曼荼羅売り
ふえてをり
春の市
洗骨を
ひとりおこなひ
星満つる
十字街で
諜者が死ぬる
夜明けかな
対岸より
しづかにみつむ
影のあり
もういちど
殉死するごと
椿咲く
春とても
占問橋の
さむさかな
いま男時
いま女時なり
春の占
非常階段
水溜りと天上とを
ただ繋ぐ
白鳥座に
拳銃むけて
処女ひとり
踊るがごとく
ほろびゆく刻
Seksajxo kaj amo
触れてほしいときがあり
紙風船のやう
恋心の
盈ち虧けにおびえて
撫でさする
刺青もつ
少年の弄ふ
桜貝
をんな文字
ゆびさきでそそと
かきつづる
唇を
もとめては増す
殺意かな
絞めてくれる
このひとへの
恋闌けぬ
サボテンの
枯死を悔いつつ
春を売る
( つづく )
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