第7話 空の上の攻略
目の前に現れる、飛行機のキャビンの様子。予定通り、周囲の座席に空きが多い通路の一角だ。転移精度高いなあ。おっと、感心しているヒマはない。気づかれないうちにさっさと済ませよう。
「『鑑定』ハイジャック犯」
探索魔法ではなく、飛行機全体に鑑定魔法をかける。消費魔力は多いし相応のスキルレベルも必要だが、この方がすぐに必要な箇所の全てを感知できる。
「よし、ハイジャック犯、全員ロックオン! 『拘束』!」
ハイジャック犯のそれぞれの体を床に縛り付け、しばらく動けないようにする。麻痺とか使えればいいんだけど、あれって神官職の魔法なんだよね、なぜか。治癒魔法との関係かな?
「な、なんだ!? 足が動かねえ!?」
「足だけじゃねえ! 腕や手も…銃が、撃てねえ…!?」
ボス攻略の時は、複数の攻撃ポイントの追跡を行う魔法をかけたんだけど、今回はこっちの方がいいよね。
ただ、長時間は維持できない。せいぜい、30秒。でも、
「それで、十分!!」
狭い通路を、駆け抜けていく。腰に刺していた最高ランクの片手剣、『魔剣レインフォール』を抜きながら―――!
「ぐはっ」
「がっ」
しゅたっ
「な、誰…ごふっ」
「くっ…がはっ」
どさどさっ
安心しなさい、峰打ちよ。
殺しちゃっても良かったんだろうけど、私が殺したくなかったし、それに、ほら。
「お姉ちゃん、誰…? なに、が…?」
すぐ近くに、小さな男の子が座っている。これ以上、トラウマを増やしてもしかたがない。
軽く、手を振る。うん、少し安心したみたいだ。
あれ? そういえば、乗客やハイジャック犯達の言葉が普通に理解できる。少なくとも、日本語じゃないことはわかるのに。言語チートまで付与されたかあ。やっぱり御都合主義だ。
「さてと、こっちに集めて…」
ずるずる
「一緒に、転移っと」
【『ファラウェイ・ワールド・オンライン』のマイホームに転移します。よろしいですか? 〔はい/いいえ〕】
〔はい〕を、ぽちっと。
いやあ、これも試してみたかったんだよね。現実世界の人間と一緒に、仮想世界に『転移』するとどうなるか?




