領主が来るらしい
「ホウコクシマス、ホンジツリョウシュガクルヨウデス。」
「わかった。ありがとう。」
情報収集用のゴーレムが報告してくれた。順調にダンジョン前の町の情報を集めてくれているようでなにより。あいかわらずどうでもいい情報も多いけれど。道具屋さんに孫ができたなんて情報はほんとどうでもいい。まあめでたいけどさ。
領主が来るからって特にすることってないよね。挨拶にいってもしょうがないし、変なやつじゃなけりゃいいなとは思うけれど。でもどんなタイプかは気になるかも。すごくできるタイプ、お飾りタイプ、意識高い系、バカ領主系などなど。
世の中で一番有害なのは、勤勉なバカらしい。バカなことをたくさんやらかして、問題ばかりを増やしてくれる。ぜひともそういうタイプではないことを祈りたい。
町の様子を聞いてみたけど、いつもと変わりないみたい。ただの視察なのかな?まさかダンジョンの中に入ってきたりしないよね?死んでもしらないよ?
なんて考えてたことがフラグになったのかもしれない。領主がパーティーを組んでダンジョンに入ってきたらしい。
『マスター、領主が落とし穴に落ちました。』
『マスター、領主がゴブリンに拉致されました。』
『マスター、領主が・・・・。』
そんな報告がマルちゃん(第1階層担当スライムもどき)から寄せられる。なんだこれ、領主が無能っていうより、護衛が無能なのかな?かなり心配になってきた。もうこれは闇に乗じて殺してしまったほうがいいのかもしれない。
よりによってバカ領主みたいだ。しかも、勤勉なほうっぽい。
「りー、ちょっと手伝って?」
「仕方ないわねえ。」
第1階層にりーといっしょに転移した。影から領主たちを眺めるが、小太りでいかにも戦闘もできそうにもない姿。服装も貴族らしい豪華な服を着ている。なんのつもりでここに来たのやら。もうさっさと追い出してしまおう。
「りー、あのパーティー全員眠らせて。」
「任せて。えいっっ!」
みごとに領主たち全員、眠らせた。このまま第4階層あたりまで転移させるのも手だけど、今日のところはダンジョンの町のはずれまで飛ばすだけにした。ついでに所持品も半分ぐらいもらっといた。ほんとは某ゲームみたいにお金半分もらおうかと思ったけれど、もらっても仕方ないからね。
さて、おとなしく帰ってくたらいいけどそうはいかないよね。どうしたものか。




