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第三話「彼女との出会い」

 青く澄んだ大きな空。手を伸ばせば届きそうだけど、決して届くことのない空を眺めていると、誰かの視線を感じた。

 視線を下ろし辺りを見回すと、山側にある木の後ろで僕の事を見ている子がいた。

 僕はその子の所へ歩いて行き話しかけた。

「君、誰?」

「・・・・・・っ」

 僕が話しかけると、その子―――女の子は肩をビクッとさせ、顔を強ばらせる。

 どこかの民族的な可愛らしい白色の布に花びらが描かれた服。

 お腹の部分がくり抜かれ、肩が少し露わになっており、二の腕より袖口の方が大きく開いていて、ちょうど長袖の肩の部分だけがないような変わった服を着ていた。

 腰から膝にかけてドレスのように広がった純白のスカートは、何層にもなって下から出ている。

 腰まで届く長い黒髪。頭には羽のような飾りが左右に付いていて、真紅の瞳を持った女の子がいた。

「怖がらなくていいよ。そうだ、まずは自己紹介をしよう。僕の名前は天ヶ咲 桜華、君の名前は?」

「・・・ユ、ユエラ」

 女の子は今にも消えてしまいそうな小さな声で自分の名前を言う。

「ユエラちゃんて言うんだ、可愛い名前だね」

「あ、ありが・・・とう」

 ユエラと名乗った女の子は、顔を赤く染めて俯く。

 そして僕は、その子が僕を見たとかと思うとすぐに視線を逸らし、逸らしたかと思うとまた僕を見ていて、体をモジモジさせていることに気が付いた。

 それは、例えるなら何か言いたいことがあるが勇気が無くて言えないような、そんな感じだ。

 それを見て僕は、ユエラちゃんに手を差し出す。

「ユエラちゃん、一緒に遊ばない?一人に飽きてきたんだよね」

「・・・いい、の?」

 ユエラちゃんは僕の言葉に一度だけ肩をビクつかせ顔を上げる。そこには嬉しさと期待が籠った瞳があった。

「もちろん」

 僕が笑顔でうなずくとユエラちゃんの目に涙が滲んできた。

 その涙を指で拭い、ユエラちゃんは手を伸ばす。一度だけ躊躇ったが、その手は僕の手を取る。

「うん」

 満面の笑顔で答えた。

「じゃあユエラちゃん、何して遊っぼっか」

「あ、待って」

「何?」

 ユエラちゃんの手を握ったまま歩き出すが、すぐにユエラちゃんが呼び止める。

「あ、あのね・・・私の事は、その・・・ユ、ユエラって、呼んで?私も、桜華って呼ぶから。いい?」

「わかった。じゃあ、ユエラ」

 今度はユエラのお願い通りに呼び捨てで呼ぶ。

「なに?・・・桜華」

 ユエラは頬を少し赤くする。

「これから何して遊ぶ?」

「なんでもいい。桜華がしたいのなら、なんでも」

「じゃあねぇ・・・」

 それから僕たち二人は、一緒に遊び始めた。


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