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魔道具と娯楽品の作成に勤しむ転生令嬢は、囲われていることに気がつかない  作者: 成瀬川 透


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69_これからのこと

エリック父母を見送ったあと、私とエリックは応接室へと移動した。

もちろん応接室の扉は全開だし、ソファーに並んで座っているが私とエリックの間には拳1つ分の隙間はある。エリックは何か言いたそうな顔をして私を見つめてきたが「今はまだ我慢しよう」と呟き、私がその呟きを聞いてエリックの顔を無言で見つめると笑顔で返された。


「……我慢って何?我慢とは」

思わずエリックに尋ねてしまった私は愚か者だった。


「照れ屋のマリのために今はまだ誠実でいようと思ったが我慢しなくていいのか?」

エリックはそう言って私をソファーの上に押し倒してきた。

私は慌てて「エリックの我慢に感謝します!」と叫ぶと「分かればよろしい」と私の頭を撫でてからエリックは身体を起こした。

私の心臓はドキドキと早鐘を打っていた。胸に手をあて、深呼吸を繰り返し心臓が落ち着いてから起き上がる。


「エリックが話してた婚約者の距離ってのが私にはわけでは分からないけど、節度ある距離感でお願いします」

私はエリックに向かって頭を下げた。エリックは「……善処しよう」とだけ言って「マリ、これからなんだが……」と話を反らした。

私は知っているぞ。善処しようは口だけ野郎ってことをな。


「父上と話したが、やはりマリの学園への入学は絶対だった」


「……学園に通うってことは王都だもんね。その間、私は魔道具とか造れないよね?いや、聞いただけだよ。設備がないし、無理だもんね」

学園に通うのは構わない。ただ、エリックと同じ学年になるために勉強を頑張らないといけないのは未だに理不尽だとは思っているけれど。

魔道具などが造れなくなるのが嫌なのだ。まだまだ作りたい物があるのに。


「マリ、王都に行っても魔道具は造れるぞ」


「え?」

エリックの言葉に耳を疑った。


「マリの造る魔道具や便利道具のために商会を立ち上げたんだが、そこの敷地内にマリ専用工房を準備する予定だ」


「……まず商会を立ち上げたことが初耳なんだけど」


「そうだったか?

マリのことは全て私がやりたくてな。既にある商会に任せたくなくて私が立ち上げた」

私に話していないことが、やはりまだあったか、と思う反面、商会はエリックが立ち上げてくれたことに感謝しかなかった。

だって、既にある商会ってアイツのところでしょ?


「エリック、私のためにありがとう」

エリックは無意識にでも私の気持ちを救ってくれている。あぁ、エリックに出会えた奇跡に感謝を。


「工房の準備のために明日王都に行くのにジェットも連れて行きたい。

ジェットはそのまま王都で準備作業に加わってもらうことになるがマリ的に問題ないか?」


「え?もう明日帰る日だっけ?」

エリックが帰省してからを思い返してみる。今回は3日しか滞在できないと言っていた。

帰省初日はエリックから気持ちを告白され、2日目はルーパパのお見舞いからの魔法契約騒動。3日目の今日はエリック父母の襲来。

……うん、なかなかに濃い3日間を過ごしていた。


「そう、だから今日の残り時間はマリを独り占めしてもいいかな?」


「……節度ある距離でお願いします」

私はエリックとの拳1つ分の距離から更に後ろに下がった。その様子をただ黙って見ていたエリックと何故か目を合わせられなく「ジェットさんが少しの間は居なくても大丈夫だよ」と話題を反らすことしかできなかった。



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