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【02-04】チュートリアルの特典はチートてんこ盛りです

入門審査待ちの長蛇の列・・・・・・で並ぶ事約2時間(体感だけどね)。結構列が進んでいくのが遅いね。現実世界でも入門待ちの列は同じだろうから、これはこれでいい練習?になるのかな。

まあ、いいや。

前方50m付近にに並ぶ、セーラー服を着こんだ男子軍団が審査を受ける番になった。しかし、門番と何か言いあった後、彼らは門脇にある詰め所みたいな場所に連れていかれた。


「何があったんだろう?彼ら?」


ナツキ君が、彼らを見ながらそう呟いている。私は、ある事を思い出してこう答えた。


「たぶん彼ら、チュートリアル受けなかったんだよ。ほら、チュートリアルを受けると、特典としてこの国の市民証とギルドカードがもれなくついてきたじゃ。。つまり、チュートリアルを受けずにゲームを始めた場合、身分を示す市民証がないからああなるんじゃないかな?」


そうなのだ。

チュートリアルをしてからゲームを始めると、その特典として5つの事が可能になる。


1つ目の特典は、身分証の自動習得

ゲーム世界内において、始まりの町・リンドバーグがある国家・プルトピア王国が発行する市民証・・・所謂身分証と、冒険者ギルドのギルド証(最低ランクのGランクだけどね)が自動的に手に入る。

つまり、何の苦もなくこの国の国民となれるのだ。そして、冒険者としても身分が保証されているので、世界中を自由に旅する事が可能になっている。


なお、市民証では、発行されている国(つまり国民であるという証明)内では、自由に何処の町でも出入り可能であり、その際の入城料と呼ばれている税金を支払わなくてもいい。ただし、国境を超える場合は、出国税と入国税がとられ、他国にある町では入場料が徴収される仕組みになっている。

冒険者ギルドや行商人ギルドのギルド証は、国境の通過の際の税金の徴収はないが、町々に入る際の入城料は毎回徴収されていく。ただし、市民証の提示の時よりも、入門時に行う検査がかなり簡略化される。

そのため、市民証を持っている国内の移動は、市民証を提示し、国外へと出る際は各種ギルドカードを提示するのが、この世界(ゲーム世界でも現実世界でも)での常識となっている。

なお、2重国籍は、条件さえそろえば簡単に習得できるため、よく行く国家の市民証を複数所持している強者もいるほどだ。


2つ目の特典は、現実世界とゲーム世界との共有化

チュートリアルを受ける事によって、各個人のステータスをゲーム世界内でのみ観る事が可能になる。つまり、現実世界では特定のスキルを持っていないとみる事ができなかったステータスを、ゲーム世界に視れば見る事ができるという仕組みで、今自分がないができるのかを客観的に確認する事ができる。

ちなみに、現実世界でもゲーム世界でも、ステータスを視る事は出来ない。これは、現実世界を縮小して構築しているゲーム世界において、双方の世界観の齟齬を可能な限り減らしておきたいからという、神々の運営方針によるところが大きい。もちろん特定スキルを習得すれば、ステータスを視る事は可能だが、そのスキルの習得には鬼畜設定のクエストを行わなければならない。

なお、チュートリアルを受けていない者は、ゲームはゲーム、現実は現実として進行していく事は言うまでもない。


また、この特典のすごいところは、『ゲーム世界で訪れた事のある場所は、現実世界でも訪れた事のある場所』として登録される事だ。つまりこれを利用すれば、転移系統のスキル保持者は、現実世界でもその場所に跳ぶ事が可能になるというチートな特典へと化ける。まあ、転移系統のスキルのレベル上げを行わないと、跳べる距離が限定されるので、あまり意味がなくなるが・・・・。


3つ目の特典は、自身の戦闘スタイルに合った初期武器の習得

チュートリアルでは、持っているスキル1つ1つにおいて、その使い方やレベル上げの方法などを事細かに教えてもらえる。そして、そこでレベルが上がっている場合は、当然のようにそのレベルでゲームを始める事が可能となる。つまり、これだけでもチュートリアルをしている人としていない人との差がはっきりを現れてくるのだ。

その上で、持っていた戦闘スキルに応じた各種武器が手に入る。もらえる武器は必要最低限の者が多いが、レイナさんのように神様に溺愛されていると、それだけでもらえる武器が上位武器にランクアップする。


4つ目の特典は、スキルのレベル上げや習得条件の緩和

各々が持っているスキルのレベル上げはもちろんの事、持っていないスキルの習得条件がかなり緩和(条件あり)される。これにより、スキルのレベルアップがはかどるだけではなく、条件はあるがスキルの習得もかなり楽になるわけだ。

なお、スキル習得の際の条件とは、次の2つの事柄である。


(1)特異な事はスキル化して素早く上達できるが、不得意な事はスキル化しない為なかなか上達しない。

(2)前衛職メインの者は魔術系のスキルを、後衛職メインの者は物理系のスキルの習得が困難になる。一部例外を除く。


なお、この世界では、空間収納も転移系統もすべてスキルを持っていないと、そういった行為?ができないシステムになっている。しかし、ゲーム世界内では、条件は厳しくなるが、【専用異空間倉庫(アイテムボックス)】というスキルも【転移】というスキルも習得可能である。この2つのスキルは、特殊所有技能(スキル)と称号所有技能(スキル)なため、この世界に転移してきた際に習得していないと、習得不能なスキル(【世界樹の知識】より検索)である。そんなスキルでも、ゲーム内でなら習得できてしまうのだが、チュートリアルを受けていないと、現実世界でも使用する事ができない仕組みになっているわけだ。


5つ目の特典は、現実世界へゲーム世界のアイテムを持ち帰る事ができる

これが、チュートリアルの特典の中で、一番うれしい得点になるだろう・・・・・。特に、全裸転移してしまっている男子諸君にとっては。

すでに世間一般的な服装や、専用のバトルスーツを持っている私達には関係のない事なんだけどね。


少なくとも、服装関連については、私たち5人には関係のない事である。世間一般的な服装も自由に手に入るし、何よりの専用の戦闘服であるセーラー服と、半袖体操服・ブルマ)もあるしね。まあ、ポケットのアイテム袋は、称号スキル【アイテムボックス】の目くらましになるし、セーラー服自体も(今のところ)普通の布地の服だから、あんなチート性能は持っていない。

なので、必要といえば必要ではある。


しかし、ほかの面々に関しては、服はともかく、セーラー服のポケットであるアイテム袋が重要だったり、両方必要だったりする。


現状、全裸生活を満喫中なナオト君にとっては、この世界においてはじめて身につける服だったりする。そうしないと、自力で転移スキルを習得しても、あの島からの脱出は不可能だろう。

他の面々にしても、高価なアイテム袋が(セーラー服のポケットとはいえ)簡単に手に入ったのだ。今後どんな服装になるにしても、きっと使い道はあるだろう。

なお、私のチートな鑑定能力である【世界樹の知識】さんによれば、このポケットのアイテム袋は、とある加工を施せば簡単に移築できる仕様になっているそうだ。まあ、その方法については、聞かれれば答えるだろうが、聞かれない限りは答える気は更々ない私である。

なお余談だが、このセーラー服のポケットのアイテム袋、このセーラー服自体がすでに専用装備になっている関係上、アイテム袋も専用の魔導具になっているとか。


閑話休題。


服装はともかく、この世界で習得したアイテムはすべて、現実世界へとお持ち帰りできるのは素晴らしい事だと思う。


1つ目は、始まりの町・リンドバーグがある国家・プルトピア王国が発行する市民証・・・所謂身分証と、冒険者ギルドのギルド証があるよね。

私たちのこの世界の身分は、このリンドバーグ出身の平民としての身分を手に入れている。そのため、現実世界においても、同じ身分がすでに手に入っており、私たち5人において最も懸念されていた身分問題が、苦も無く解決しているという事実。

今後の問題は、リンドバーグという町が、・・・・しいて言えば、この町が存在するプルトピア王国が何処にあるのかを把握する事だろうか。現状では、私達が現在暮らしている?あの森の最奥から、この国やこの町までどれくらい離れているのかもわかっていないのだから。


2つ目は、やっぱりおカネだろう。

ダイゴ君やミノリさんに確認したところ、ゲーム世界で流通しているおカネと、現実世界で流通しているおカネは全く同じだという事。つまり、でーむ世界で稼いだおカネを現実世界に持って帰れる私たちにとっては、現実世界でおカネの心配をしなくてもいい事になる。

もっとも、ゲーム世界で、おカネを稼ぐ事ができればの話だが・・・・。まあ、何とかなるだろうとは考えている。


3つ目は、土地や建物を取得した際、現実世界でも同じ場所に、取得した建物や土地が存在しているという事だ。実際は、町の規模が小さくなっており、それに合わせてランダムに建物も間引かれているみたいだが、それでもそこに素得した建物や土地が存在しているという事実は変わらない。現実世界において、全く同じ場所、同じ位置にあるとは限らないが、その街の何処かにあるという事実だけは変わらないのだ。

仮に取得した場合は、絶対に探し出して堂々と使う予定である。


なお、チュートリアルを受ける事によるデメリットとしては、次の3つのデメリットがあげられるだろう。人によっては、関係のない事もあるが・・・・・。


1つ目のデメリットは、女性モノの服しか着用できなくなる

このデメリットは、GMの1人でもある創造神様の趣味嗜好によるところが大きく、特典の『現実世界へゲーム世界のアイテムを持ち帰る事ができる』という権能は、創造神様の権能であるところが大きい。

つまり、創造神様の趣味を満足いく形で実行してさえいれば、創造神様から何らかの加護を貰えるという事だ。その加護を貰える条件が、『男性は女装した状態で常時生活を行う事』という、男性に対してちょっとあれな条件があるだけである。つまり、『女の子物バッチこい』な男の娘やオネエ様の場合、あってなきが如しデメリットである。


2つ目のデメリットは、加護を与えてくれた神々を信仰しないとすぐに拗ねてしまう

称号欄に『〇〇神の加護』とか、『〇〇神の寵愛』とかいった文字が並んでいる場合、加護を授けてくれた神々を信仰しないと、最悪加護がなくなってしまう。これは、チュートリアルの時に伝えられた事実なので、本当の事なんだろう。この事実を知らなかった今日までは許してくれるみたいだが、今日からは現実世界でもゲーム世界でも神々に祈りを捧げ、加護を授けてくれた事に感謝の祈りをしていかないといけない。まあ祈る場所は、各自が拠点としている場所で、すでにセーラー服のポケット(専用のアイテム袋)の中に納まっている神像を祀り、1日1回以上お祈りを行う。もしくは、各地に点在する教会や神殿に、1日1回お祈りに訪れるかすればいい。

それくらいなら可能かな?

そうなると、私達の拠点となっているあの家の中に、チャペルみたいな施設を新たに造らないといけないね。それか、リビングに祭壇を設けるかだな。部屋はたっぷり余っているので、あとで考えておこう。


メリット・デメリット双方あるチュートリアルだが、やっぱりメリットの方が大きいので、受けておいて損はないと思う。そんなものを彼らは受けずに来たわけだ。現実世界で何処にいるのか知らないが、ナオト君と同じような環境ならば、全裸生活満喫中だろう彼らにとって、例えセーラー服といえど、服を持って帰れるのはすごくいい話だとは思うんだけどね・・・・・。

ちなみに、チュートリアルを受けなかった者たちのために、ちょっとした救済処置も存在しているが・・・・。これ自体クエストらしいので、見つけれるかどうかは彼ら次第という事である。


そんな事を話しながら列が進むのを待つこと10分あまり。

私たちの番になり、市民カードを見せれば簡単に街に入る事ができた。なおこの時の検査自体はとっても簡単で、『照会水晶』と呼ばれる魔導具に右手を置き、その下にあるカードスロットに市民カードを差し込むだけだった。なお、何処かの町で指名手配を受けていたり、カードの持ち主とカード情報が違っていた場合は、警告ブザーでお知らせしてくれるらしい。

魔導具の構造に、地球での知識を求めてはいけないのだ。

なお、私達の服装を見た時の門番の態度が、ちょっと警戒バリバリだったので、皆が通過する時間でちょっと聞いていたところ・・・・・。


「今日は何故か、君たちのような服装をした男女の通過が多くてな。これまでこの門に来た者たちは全員、市民証もしくは各種ギルド証を持っていなかったんだよ。そのため、通常よりも時間がかかってしまってな、他の人たちには迷惑をかけているんだ。

で、君たちも同じだろうと踏んでいたら、君たちは全員市民証を持っていたので驚いたんだ。」


という話が聞けた。という事は、今までどれだけの人数が通過していったのかは知らないが、全員チュートリアルを受けていないという事だね。受けていれば、私達のように市民証を持っているわけだから・・・・・。

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